2004年3月23日号


掲載日 2004.03.23
タイトル 2002年の地球全体の二酸化炭素濃度、産業革命以前より34%増加
情報源 気象庁
本文  気象庁は2004年3月22日、日本上空と地球全体の大気中二酸化炭素濃度などが2003年も引き続き増加傾向にあると発表した。

 同庁が岩手県三陸町綾里など国内3地点で行っている日本上空の大気中二酸化炭素濃度観測結果では、3地点の2002年の平均濃度は376.6〜378・6ppmで、2002年に比べ2.7〜2.8ppm増加していた。

 1年あたりの増加が2ppm台を上回ること自体珍しいが、2003年は2002年に続き2年連続の2ppm台の増加となった。気象庁では、この2年間の世界年平均地上気温が観測史上第2位、3位の高温となったことが濃度の増加にも影響したと見ている。
 また、同庁が海洋気象観測船を使って東経137度に沿った太平洋上の大気と表面海水中の二酸化炭素濃度観測した結果では、洋上大気中の二酸化炭素濃度がやはり2002年より2.8ppm増加していたほか、表面海水中の二酸化炭素濃度は2002年より一挙に11.8ppm増加。これまでの観測最高値である353ppmを記録した。
 一方、世界気象機関(WMO)の温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の運営機関として同庁が収集している、世界274地点(注1)の観測データの分析結果では、2002年末時点の大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前の濃度280ppmより34%増加した374ppmとなっていた。

(注1)2004年3月23日現在。温室効果ガス世界資料センターホームページの情報による。【気象庁】
プレスリリース http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0403/22a/co2_040322.pdf
発表日 2004.03.22
関連情報 日本沿岸の海面水位上昇、近海の水温上昇に関連(EICネット 国内ニュース)
2003年の世界年平均地上気温確定値、観測史上3番目の高温に(EICネット 国内ニュース)
2001年の地球全体の二酸化炭素濃度、産業革命以前より33%増加(EICネット 国内ニュース)
気象庁 地球環境の観測・監視ページ
温室効果ガス世界資料センター


掲載日 2004.03.23
タイトル 2004年2月の平均オゾン全量 つくばで観測史上2番目に少ない2月値を記録
情報源 気象庁
本文  気象庁は2004年3月22日、札幌、つくば、鹿児島、那覇−−の国内4地点と南極・昭和基地で実施している、上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての2004年2月の観測結果を発表した。
 2004年2月の観測では、国内4地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は札幌、那覇で並、つくば、鹿児島で少なかったが、特につくばでは2月の平均値として観測開始以来2番目に少ない303ミリアトムセンチメートルを記録した。
 また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、10%を超えるオゾン総量減少が北半球中緯度の各地と南極大陸付近、南米大陸南端で見られた。【気象庁】
プレスリリース http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/ozonpress/ozon0402.pdf
発表日 2004.03.22
関連情報 2004年1月の国内4観測地点の平均オゾン全量は並レベル(EICネット 国内ニュース)
オゾン破壊量過去最大だった2003年の南極オゾンホール消滅 (EICネット 国内ニュース)
気象庁 オゾン層観測速報のページ
気象庁 オゾン層・紫外線に関する情報
環境省 パンフレット「オゾン層を守ろう」



掲載日 2004.03.23
タイトル 16年版環境白書表紙絵コンクールの受賞者が決定
情報源 環境省
本文  環境省は平成16年3月22日、平成16年版環境白書の表紙絵の受賞者を決定した。
 今回の公募は15年8月1日から16年1月31日までの約6か月間かけて実施し、応募総数は1,979点にのぼった。うち小・中学生の部の応募は1,681点、一般の部(高校生以上)の応募数は298点だった。
 小・中学生の部の最優秀賞には福島県会津若松市立鶴城(かくじょう)小学校2年の鈴木紳くんの作品、一般の部の最優秀賞には香川県立高松工芸高等学校2年の岡本梢さんの作品が選ばれた。
 なお、鈴木さんの作品は、16年度版環境白書表紙絵に、岡本さんの作品は16年度「環境の日」・「環境月間」のポスターに使用されるほか、これ以外の優秀賞・佳作を含む受賞9作品が環境省(中央合同庁舎5号館)の25階にあるMOEルームで3月29日から6月30日まで展示されることになっている。【環境省】
プレスリリース http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4806
発表日 2004.03.22
関連情報 平成16年版環境白書の表紙絵を公募 16年1月31日まで(EICネット 国内ニュース)
平成15年版環境白書表紙絵コンクールの受賞者決定(EICネット 国内ニュース)
環境省、MOE談話室をオープン(EICネット 国内ニュース)
環境の日・環境月間のページ
環境省 環境白書のページ




掲載日 2004.03.11
タイトル 森林にいるだけでストレス低減し、リラックス 林野庁委託調査で判明
情報源 林野庁
本文  林野庁が(社)全国森林レクリエーション協会に委託して行った森林が人の健康に与える効果に関する医学的実証調査の平成15年度分の結果がまとまり、16年3月10日に公表された。
 この調査は同一の男女20人を対象に、岐阜市内にいる時と岐阜県馬瀬村の森林の中にいる時で運動前後の血液成分や気分にどの程度の差がでるか測定したもので、15年8月に実施された。
 公表結果としては、(1)がん細胞やウイルス感染細胞を排除するといわれているNK細胞の活性度が都市では運動前後で変化しなかった一方で森林内では運動後に有意に高まった、(2)ストレスホルモンである血中コルチゾールの量(運動前)が都市にいる時に比べ、森林にいる時のほうが有意に少なかった、(3)森林の中にいるだけで都市にいる時より気分のリラックス度が高くなり、森林内で運動を行うと、さらにリラックス度が増した−−といった内容が報告されている。
 なおこの結果は、16年3月30日に東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモント開催される産学官連携組織「森林セラピー研究会」の設立記念公開シンポジウム「健康・医療・教育と森林セラピー」でも発表される予定。【林野庁】
プレスリリース http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h16-3gatu/0310sinrin.htm
発表日 2004.03.10
関連情報 森林の癒し効果についての医学的調査を開始へ(EICネット 国内ニュース)
森林を中高年齢者の健康づくりの場に 林野庁の報告書が提案(EICネット 国内ニュース)
国有林に森林を利用した体験活動が可能な「遊々の森」を設定(EICネット 国内ニュース)
森林療法研究会(林野庁森林セラピー研究会委員の上原巌氏主宰のページ)
林野庁 国有林のページ 森林と親しむサイト



掲載日 2004.03.08
タイトル 環境報告書作成促す事業者の環境配慮活動促進法が閣議決定へ
情報源 環境省
本文  平成16年3月9日に開催される閣議で、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(事業者の環境配慮活動促進法)案」が閣議決定される見込みとなった。
 この法案は、事業者が環境報告書などを通じ、環境情報の開示を進め、その情報が社会の中で積極的に活用されるよう促すことを目的としたもの。
 (1)国が自らの事業活動の環境配慮状況を毎年公表すること、(2)自治体が自らの事業活動の環境配慮状況を毎年公表するよう努めること−−を規定しているほか、(3)独立行政法人など特別の法律によって設立された法人の中から「特定事業者」を指定し、年1回の環境報告書公表を義務づけるとともに、作成した環境報告書への第三者評価の実施など信頼性を高める努力を求めている。
 また、民間に対しても(4)大企業が自主的に環境報告書公表するよう努めること、(5)中小企業が事業活動の環境配慮状況を公表しやすくなりようを国が公表方法に関する情報を提供すること−−などの内容が盛り込まれている。
 なお平成14年度時点で日本国内の上場企業450社、非上場企業200社がすでに環境報告書を作成している。【環境省】
プレスリリース http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4761
発表日 2004.03.08
関連情報 環境報告書作成基準案・審査基準案の利用モニターを募集(EICネット 国内ニュース)
「環境報告書ガイドライン」改訂案と環境報告書評価のための2基準案への意見募集開始(EICネット 国内ニュース)
炭素税の導入支持する企業が33.6%に 14年度環境にやさしい企業行動調査(EICネット 国内ニュース)
環境省 事業者の広場 環境報告書のページ
環境報告書データベース



掲載日 2004.03.08
タイトル 環境汚染と子どもの健康について国際シンポジウム開催
情報源 環境省
本文  環境省と日本衛生学会は、環境汚染と子どもの健康の関係についての研究や施策の情報交換の場として「小児の環境保健に関する国際シンポジウム」を平成16年3月22日・23日の両日、順天堂大学有山記念館講堂で開催することにした。 
 第1日目にあたる22日は研究者など専門家向けのプログラムとなっており、環境汚染と子どもの健康についての世界各国の施策や研究の成果について講演や意見交換が実施される予定。
 一方、23日は一般参加者向けにわかりやすく、環境汚染と子どもの健康について各国の取り組みが報告される。
 参加希望者は申込書に必要事項を記入の上、運営事務局まで郵送かFAXで16年3月12日までに申し込む必要がある。【環境省】
プレスリリース http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4760
発表日 2004.03.08
関連情報 小児等の環境保健に関する国際シンポジウム プログラム
14年度の「化学物質環境汚染実態調査」の結果を公表(EICネット 国内ニュース)
一級河川中の環境ホルモン濃度調査結果を公表 (EICネット 国内ニュース)
化学物質過敏症の13・14年度研究成果を発表 原因特定できず(EICネット 国内ニュース)
国立環境研究所 環境と健康(「本態性多種化学物質過敏状態」の研究)掲載



掲載日 2004.03.01
タイトル POPs条約、2004年5月17日に発効へ
情報源 環境省
本文  2004年2月17日、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の批准国数が条約発効(効力発生)要件の50か国に達したことから、条約の規定に従い、90日後の2004年5月17日時点で条約発効が明らかになった。
 POPs条約は、環境中での残留性が高いPCB、DDT等の12種類の化学物質を対象とした条約。対象物質の製造・使用禁止、排出削減措置についての国内実施計画の策定、対象物質を含むストックパイル・廃棄物の適正管理などが盛り込まれており、2001年5月22日に採択され、日本は2002年8月に批准している。
【環境省】
プレスリリース http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4736
発表日 2004.02.27
関連情報 経済産業省同時発表
POPsに関するパンフレットを無料配布へ (EICネット 国内ニュース)
日本がPOPs条約を批准(EICネット 国内ニュース)
発効を知らせる記者発表資料 POPs条約事務局(英文)
ストックホルム条約署名・批准情報 POPs条約事務局(英文)



掲載日 2004.02.27
タイトル 日本沿岸の海面水位上昇、近海の水温上昇に関連 
情報源 気象庁
本文 現在の日本沿岸の海面水位がこの100年間で最も高い状況にあることを踏まえ、気象庁、気象研究所、函館、舞鶴、神戸、長崎の各海洋気象台が協力して実施している実態把握と原因解明のための調査の中で、海面水位の上昇は、日本近海の広範囲にわたる海洋内部の水温上昇に対応していることがことが明らかになった。
 日本近海の平均水温は1985年から2003年まで上昇傾向にあり、南西諸島から日本海では年0.01〜0.06℃、東海沖や関東東方沖では年0.1℃を超える上昇率を示しているが、この変化傾向は日本沿岸の海面水位の上昇傾向とよく一致しているという。
 なお気象庁では、海洋内部の水温変化の要因として、北太平洋中部海域での海上風長期変化、地球温暖化の影響をあげている。【気象庁】
プレスリリース http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0402/27a/kaimensuii.pdf
発表日 2004.02.27
関連情報 海面水位、この100年で最高に 気象庁が浸水被害への注意を呼びかけ(EICネット 国内ニュース)
2003年の世界年平均地上気温確定値、観測史上3番目の高温に(EICネット 国内ニュース)
2001年の地球全体の二酸化炭素濃度、産業革命以前より33%増加(EICネット 国内ニュース)
マイワシの激減、黒潮の高温化などが関係 説明サイト、パンフレットを作成 (EICネット 国内ニュース)
気象庁 海洋の情報



掲載日 2004.02.27
タイトル シックハウス症候群・化学物質過敏症に関する医学的知見まとめた報告書公表
情報源 厚生労働省
本文  厚生労働省の室内空気質健康影響研究会は平成16年2月27日までに、シックハウス症候群と化学物質過敏症に関する医学的知見を整理した報告書をまとめ、公表した。
 シックハウス症候群については、(1)医学的に確立した単一の疾病ではなく住宅に由来する健康障害の総称で、皮膚・粘膜刺激症状や不定愁訴が主な症状、(2)ホルムアルデヒドなどの化学物質が発症関連因子であり、アレルギー疾患や感染症、温度・湿度やストレスの影響による皮膚・粘膜刺激症状や不定愁訴を除外診断することが必要、(3)室内空気汚染指針値はめやすであり、症状誘発の閾値ではないので診断には総合的な検討が必要−−とまとめたほか、化学物質過敏症については(1)微量な化学物質に反応して非アレルギー性で多彩な精神・身体症状を示す、(2)病態や発症機序は解明されていない、(3)過去の診断例には中毒やアレルギーといった既存の疾病患者が含まれていた例があり、病態検討の混乱原因になっている、(4)臨床検査法・診断基準の開発が必要−−としている。
 また今後行政としては、(一)市民に向けた正しい知識の普及啓発、(二)医療従事者への関心の喚起、(三)治療法・予防法確立のための基礎・臨床的研究の推進−−に取り組むとの方針を示している。【厚生労働省】
プレスリリース http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/02/h0227-1.html
発表日 2004.02.27
関連情報 化学物質過敏症の13・14年度研究成果を発表 原因特定できず(EICネット 国内ニュース)
化学物質過敏症の原因特定できず 環境省研究班による実験で(EICネット 国内ニュース)
WHOのアセトアルデヒド室内濃度指針値の間違い発覚で、住宅性能表示制度による測定一時除外へ(EICネット 国内ニュース)
新築住宅の室内化学物質、14年度は13年度に比べ濃度低減(EICネット 国内ニュース)
神奈川県環境科学センター 化学物質過敏症リンク









2004年2月29日号

≪有害化学物質≫

ダイオキシン 海からの初期警告 〜環境省調査結果発表〜

 環境省は、ダイオキシン類に関する人への暴露実態調査と野生生物の蓄積状況の14年度の調査結果を公表した。野生生物は、(1)トビ、カワウなどの鳥類、(2)オウギハクジラ、スナメリなどの海棲哺乳類、(3)アカネズミ、タヌキなどの陸棲哺乳類等について。

結果として、

(一)他の生物に比較して鳥類のダイオキシン類蓄積量が高い(魚を主食の鳥も多い)
(二)海棲哺乳類は陸棲哺乳類に比較して蓄積量が高い
(三)人の居住地域による差を調べたところ、都市が24ピコグラム、農村が25ピコグラム、漁村が34ピコグラム。漁村がやや高かったが、同省は「ほぼ同じレベルで、有意な差はない」という。摂取経路は、日本人の場合、食事からの摂取が97%を占め、そのうち45〜74%が魚介類からだった。

 健康影響を与えるダイオキシンの血中濃度の基準は日本にはないが、イタリア・セベソの農薬工場爆発事故(76年)で、健康被害が出た住民の血中濃度は数万ピコグラム以上になるとみられる。同省は「27ピコグラムという濃度は直ちに健康被害に結びつくものではない」と話す。【環境省他】



ヒ素・鉛・クロムで宅地や家庭菜園も汚染
 
 宅地や家庭菜園でも土壌が汚染されている場合があることが、五洋建設系の環境ビジネス会社DOMI環境がまとめた調査でわかった。

 同社は2003年7月から、一般家庭から庭や家庭菜園などの土を送ってもらい、カドミウム、水銀、セレン、ヒ素、鉛、クロム、銅、亜鉛を対象に有料で分析している。2003年11月までに首都圏を中心に集めた134件の土を分析した。

 その結果、全体の2%にヒ素、10%に鉛、13%にクロムの汚染がある可能性が高かった。中には汚染濃度が高く、誤って口に入れた場合には人体に悪影響を及ぼす恐れのあるものもあった、という。ヒ素はかつて殺虫剤などに使われた残留物の可能性がある。鉛やクロムは、宅地造成に使われた土に含まれたり、宅地がかつて工場用地だった場合が考えられる。

 カドミウム、水銀、セレンは汚染の可能性がほとんどなかった。また、土壌汚染対策法の対象にはなっていないが、銅は40%、亜鉛は89%で植物の生育に必要な量より多かった。肥料や園芸用の土壌改良材に含まれることが原因とみられる。【朝日新聞】



茨城・神栖町のヒ素問題 基準値の3300倍ヒ素検出、汚染源を特定へ−−環境省


 ◇旧軍毒ガス・井戸混入

 茨城県神栖町の井戸に旧日本軍が製造した毒ガス関連物質が混入した問題で、環境省は17日、井戸の南東90メートル地点の地下約6メートルの地下水から環境基準の約3300倍の有機ヒ素化合物を検出したと発表した。これまでの調査では最高の濃度で、同省は汚染原因の毒物が埋まっている可能性が強いとみて、掘削調査をする。周辺住民に健康被害をもたらした毒ガス問題は、調査開始から9カ月を経てようやく汚染源の特定に向かいそうだ。

 神栖町での調査は昨年5月から始まり、計90本のボーリングを実施した。今回の調査では、汚染された井戸から約10メートルの地点でも、地下30メートルの深さの地下水から、環境基準の1300〜2000倍の高濃度の有機ヒ素化合物を検出した。しかし、問題の地点で検出された3300倍の濃度は、ほかの地点に比べて突出しており、同省は汚染原因の毒物が埋まっている可能性が高いと見ている。

 この地域では70年代後半〜80年代前半に砂利が採取されていたことから、同省の検討会は「採取の際、毒ガスの入った容器をもとあった場所から移動して埋め戻してしまった可能性もある」とみている。【毎日新聞】







≪環境政策≫

産廃不法投棄:「目的罪」で運搬段階の摘発も

 産業廃棄物の不法投棄を未然に防止するため、環境省は不法投棄現場付近で廃棄物を運搬している段階でも摘発できるよう、廃棄物処理法に「目的罪」を盛り込む方針を固めた。ブローカー行為の禁止、産廃運搬車両への社名ステッカー表示義務も検討し、不法投棄の徹底防止を図る。28日の中央環境審議会部会での審議を経て、改正案を今国会に提出する。

 廃棄物処理法では「みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定め、違反した場合、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金を科している。しかし業者が廃棄物を運び込む動きが把握できても、投棄事実の認定まで時間がかかり、対策が後手に回っていた。このため昨年の法改正で、不法投棄の未遂でも摘発できるよう、未遂罪が盛り込まれた。

 ところが未遂罪の適用には「行為への着手」の確認が必要で、「不法投棄のダンプカーの荷台を傾けるレバーを引いた段階」など、投棄の直前でなければ取り締まれない。未遂罪を適用した摘発は今月8日に広島県内の土木建設会社社長らが逮捕された例が初めてだった。

 環境省は「より早期の違法業者取り締まりが不法投棄の未然防止につながる」と判断し、目的罪の導入による一層の取り締まり強化を決めた。

 適用の条件は今後検討されるが「不法投棄現場近くで廃棄物を運搬している」などの段階で目的罪と判断されることになる見通しだ。

 環境省はこのほか、産廃の排出事業者や運搬業者に無許可業者を紹介する「ブローカー」行為の禁止や、産廃運搬車両に会社名の明示を義務付けるなどの規制強化策も法改正案に盛り込む方針。

 同省のまとめによると、02年度に確認された全国の不法投棄(10トン以上)は934件と5年ぶりに1000件を割ったが、量は32万トンと前年度より8万トン増えた。【毎日新聞】










2004年2月17日号
≪地球温暖化≫

2003年の世界年平均地上気温確定値、観測史上3番目の高温に

 気象庁は2003年の世界年平均地上気温(陸上のみの確定値)が観測史上3番目に高い値となった、と2004年2月3日に発表した。
 2003年の世界年平均地上気温については2003年12月17日付けで平年(1971年から2000年の平均値)より0.49℃高いという速報値が公開されていたが、今回公表された確定値では、平年より0.5℃高いと修正され、統計を開始した1880年以降のデータの中では1998年(平年より0.64℃高い)、2002年(平年より0.54℃高い)に次いで3番目に高温の年とされた。
 一方、日本の年平均地上気温も平年より0.15℃高かったと報告された。観測を開始した1898年以降のデータの中では14番目に高温の年にあたるが、最近7年では最も低温の年となっている。
 なお世界の年平均地上気温は長期的には100年で0.7℃の割合で上昇しており、特に1980年代中頃以降高温の年が頻出している。また日本の年平均地上気温も100年で1.0℃の上昇し、1990年代はじめ以降、高温の年が頻出している。
 気象庁では気温上昇の要因を「二酸化炭素の増加による地球温暖化の影響や数十年〜百年規模で繰り返される自然変動が考えられる」との見解を示している。【気象庁】  気象庁は2004年1月20日、札幌、つくば、鹿児島、那覇−−の国内4地点と南極・昭和基地で実施している、上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての2003年12月の観測結果を発表した。

 2003年12月の観測では、国内4地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)はつくば、那覇で並、札幌、鹿児島で少なかった。特に札幌では12月の平均値としては観測史上3番目に少ない337ミリアトムセンチメートルを記録した。

 また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、10%を超えるオゾン総量減少が北欧、中国、北太平洋、南極大陸の一部で見られた。【気象庁】






≪生物多様性≫

生物多様性条約第7回締約国会議がマレーシアで開催

 2004年2月9日から20日まで、マレーシアのクアラルンプールで生物多様性条約第7回締約国会議が開催されることになった。
 今回の会議では、2010年までに山岳の生物多様性の減少速度を低減させることを目標にした山岳の生物多様性に関する新たな作業計画、保護地域に関して各国や国際機関が実施すべき活動を示した作業計画、生物多様性の構成要素を持続可能に利用するための14の原則と実施上のガイドライン、生物多様性とツーリズムに関するガイドライン−−などに関する決議が採択される予定。
 また、2月18・19日の2日間については、(1)生物多様性の保全と持続可能な利用における科学的評価の役割、(2)生物多様性、バイオテクノロジー、バイオセイフティーのための技術移転及び技術協力、(3)遺伝資源の適切な利用とそれに伴って生じる利益の公正・衝平な配分を議題として閣僚級会合が開催されることになっていおり、会合の最後には閣僚宣言が採択される予定。 【環境省】





≪新技術≫

環境省、環境技術開発支援制度の案内サイトなど新設 

 環境省は平成16年2月12日、同省ホームページ内の環境技術情報や環境技術情報ネットワークホームページ(注1)などを通じ、環境技術開発者向けの情報提供をより充実させていくと発表した。

 同省はこれまでも、各部局のWEBページや特定のテーマにより専用に設置されたWEBページを通じ、環境研究や環境技術開発に関する各種情報をインターネットから提供していたが、技術情報について一元化された窓口がなく、各ページがばらばらに設置されていたため、ユーザーにとって知りたい情報を探し当てるのに時間がかかり、また技術開発にあたっての環境省の問合せ先も把握されにくいといった問題があった。

 このため、今回の環境技術情報の充実化にあたっては、(1)環境省ホームページの「各種の窓口・案内」の中に「環境技術の問合せ窓口」のページを設けたほか、(2)環境技術情報ネットワークホームページの中に、環境技術サポート情報のページを新設し、環境省や同省所管団体で行われている環境技術に対する支援制度、環境技術の実証・評価事業や、事業の報告書などその成果が容易に把握できるようにした。(注1)環境省と(独)国立環境研究所が共同で企画し、(財)環境情報普及センターが運用している環境技術情報のポータルサイト。環境技術情報ネットワーク http://e-tech.eic.or.jp/ 【環境省】




食べ残し・植物からCDや燃料 市場規模が急拡大

 食べ残しや植物を原料にCDや燃料、電気まで−。環境保全への規制強化を背景に、生物資源からプラスチックやエネルギーをつくり出しビジネスにする動きが一段と活発になっている。 キーワードは「脱石油資源」。プラスチックなど石油からつくる資源は、燃焼が不完全だとダイオキシンをはじめとする有害物質が発生、大きな社会問題にもなっている。

 この現状を背景に、生物資源を利用したビジネスの市場規模(富士経済研究所調べ)は2002年度の約335億円から、07年度には5倍以上の約1700億円へ拡大する見通しだ。

 注目されるのは、植物が原料の生分解性プラスチック。焼いても無害で、廃棄しても土中の微生物が分解するため、環境への負担が小さい。

 三洋電機はトウモロコシが原料の生分解性プラスチックで音楽やパソコン向けディスクを作った。品質は従来品と変わらず、数年後には価格も同程度にできるという。

 富士通は、ノートパソコンの本体カバーに生分解性プラスチックを使っている。

 燃料をつくり出す研究も盛ん。三菱重工業は稲わらやもみ殻に高熱を加え発生させたガスからメタノールを合成するシステムを開発中だ。日揮は建物の廃木材や産業廃棄物から工業用エタノールをつくる技術を研究している。

 コメなどのでんぷんから電気を取り出す試みも。松下電器産業は植物の光合成に着目。葉緑素が光を取り込んででんぷんをつくる光合成とは逆に、でんぷんを酵素で分解。人工葉緑素を電極に、太陽光で分解を促すとエネルギーが生じる。

 松下は「実験で単3電池の約100分の1の電流を得た。次世代電池に応用したい。食べ残しで発電する時代が来るかも」と夢を膨らませている。 【共同通信他】






≪環境政策≫

森林法改正を第159回国会に提出

 平成16年2月10日の閣議で森林法の改正案が閣議決定され、同日付けで第159回国会に提出された。

 今回の改正案は林産物生産以外に森林が持っている多面的機能の持続的発揮やCO2吸収源としての森林整備を推進することが目的。

 (1)森林所有者が間伐実施勧告などに応じない場合に、市町村長が権利移転の協議勧告を行ったり、都道府県知事が分収育林契約を締結するよう裁定発動ができるようにした要間伐森林制度の改善、(2)これまで保安林整備臨時措置法に基づき実施されていた特定保安林制度(注1)の恒久化と都道府県による森林造成実施手続き簡素化、(3)森林所有者とNPO法人間の施業実施協定を市町村長が認可する制度の創設、(4)農林水産省の林業専門技術員と都道府県の林業改良指導員の資格一元化−−などが主な内容だ。

 なお国会で順調に可決されれば、この改正内容は16年4月1日から施行される予定(ただし、林業専門技術員と林業改良指導員の資格一元化については平成17年4月1日施行)。(注1)機能が低下している保安林を特定保安林に指定し、早期に保安林としてふさわしい働きをするよう治山・林道・造林事業の計画的実施を促すとした制度。【林野庁】



景観法案が閣議決定

 平成16年2月10日の閣議で景観法案が閣議決定され、第159回国会に提出される見込みとなった。
 この法案は日本で初めての景観についての総合的な法律案で、都市と農山漁村での良好な景観形成のための基本理念や国の責務をはじめ、景観計画の策定、景観計画区域・都市計画上の景観地区での規制内容、景観整備機構による支援内容などを定めている。

 なお景観計画区域の規制としては、都道府県、指定都市、都道府県知事と協議して景観行政をつかさどる市町村が、区域内の建築物の建築時に届出・勧告を実施すること、必要な場合は建築物の形態、色彩、その他の意匠に変更命令を出すことができるとしたほか、同区域内で景観上重要な建造物の現状変更に自治体首長の許可制度を導入とすること、自然公園法の許可基準に景観計画に定める基準を追加することができる−−などの内容が盛り込まれている。【国土交通省】



環境省、環境経営法案(環境報告書義務付け)を今国会に提出へ
 
 環境省は、環境配慮型の経営をする企業が評価される社会を目指し、3月上旬にも「環境に配慮した事業活動の促進に関する法律案」(仮称)を国会に提出する。

 企業など事業者の環境保全に関する取り組みや目標をまとめた環境報告書の普及を目指し、独立行政法人に環境報告書の公表を義務づけるほか、環境報告書に盛り込む内容、項目について基準を定める。

 環境報告書の提出が義務づけられるのは、従業員500人以上の国立病院、国立大学などの独立行政法人、JR各社、関西国際空港会社など特殊会社、特殊法人など百数十法人・社。民間企業には、自主的な作成、公表の推進を求める。

 現在発行されている環境報告書の内容は自由だが、環境報告書の信頼性を高め、比較しやすくするため、基本的な記載項目を定める。環境保全の目標や計画、二酸化炭素や廃棄物などの排出状況、法令の順守状況などが盛り込まれる見通しだ。記載内容の正確性を認証する第三者審査のシステム作りも目指す。

 環境報告書は、環境に対する企業の姿勢を判断する情報源として役立つと考えられている。環境省の調査によると、02年度には上場企業と従業員500人以上の非上場企業のうち少なくとも650社が発行していた。政府は、10年までに上場企業の5割、従業員500人以上の非上場企業の3割の発行を目標に掲げている。

 環境報告書が容易に比較出来、信頼性の高い環境情報が開示されることで、市場のグリーン化を進め、環境と経済の好循環を実現することが狙い。【毎日新聞他】







2004年1月31日号
≪オゾン層破壊≫

2003年12月の平均オゾン全量、札幌で観測史上3番目に少ない12月値を記録

 気象庁は2004年1月20日、札幌、つくば、鹿児島、那覇−−の国内4地点と南極・昭和基地で実施している、上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての2003年12月の観測結果を発表した。

 2003年12月の観測では、国内4地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)はつくば、那覇で並、札幌、鹿児島で少なかった。特に札幌では12月の平均値としては観測史上3番目に少ない337ミリアトムセンチメートルを記録した。

 また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、10%を超えるオゾン総量減少が北欧、中国、北太平洋、南極大陸の一部で見られた。【気象庁】





≪大気汚染≫

「花粉症保健指導マニュアル」ホームページ公開版のデータを改定

 環境省は平成16年1月30日、同省が12年に作成し15年に全面改定した「花粉症保健指導マニュアル」のホームページ公開版でデータ改定を行ったと公表した。

 このマニュアルは花粉症についての最新の科学的知見や情報を紹介したもの。

 今回の改訂では、(1)花粉数と日射量、(2)花粉症に関する国の調査研究状況、(3)この1年のスギの総花粉飛散数マップ、(4)この1年のヒノキの総花粉飛散数マップ、(5)花粉症関連保健衛生業務主管部局課一覧、(6)花粉情報インターネット一覧などのデータを更新した。

 花粉症はディーゼル排気ガスなどの大気汚染物質の影響によって、一層症状が悪化するといわれており、日本では昭和40年代後半から急に発症の報告が増えた病気。現在、国民のおよそ10数パーセントが花粉症を患者であると推定した研究もある。【環境省】
・ 関連情報
林野庁 スギ花粉に関する情報
環境省「花粉症保健指導マニュアル」
環境省花粉観測・予測システム




≪オーガニック≫

有機農産物JAS規格、399件のほ場調査で違反確認されず

 農林水産省は平成16年1月30日付けで、全国の有機農産物の認定生産行程管理者399件を対象に実施した、有機農産物JAS規格の生産方法遵守状況調査の結果と、買い上げ有機農産物333点の残留農薬分析結果を発表した。

 このうち有機農産物JAS規格の生産方法遵守状況調査では、ほ場での確認でJAS規格違反のケースはみつからなかったが、記録確認や書類の不備が判明したケースが15件(全体の3.8%)あり、このうち格付業務を廃止した1件を除く、14件に対して農林水産省消費・安全局長から改善指導が行われ、改善結果の報告が求められた。

 一方、残留農薬分析では、333点中根菜類1点でDDEの残留が検出されたが、この1点についてほ場の再調査を行った結果では、有機農産物JAS規格通り、植付け前2年以上農薬をしていないことが確認されたこと、検出値も食品衛生法に基づく残留農薬基準0.2ppmに比べかなり低い0.01ppmであったことが報告されている。

 JAS法では農林水産大臣により登録された登録認定機関が農家や生産者組合を生産行程管理者として認定し、認定された農家・生産者組合が農産物のJAS規格への適合度を格付けし、JASマークの貼付けを行うことになっている。【農林水産省】




≪新技術≫

EPA(米国環境庁) 環境技術情報を提供するウェブサイトを創設

EPAは、環境技術に関する新たなウェブサイト「環境技術チャンス・ポータル(ETOP)」を開設した。このウェブサイトは、費用効果的な環境技術の開発に対しインセンティブを提供する官民のプログラム(エネルギー・スター、グリーン・ケミストリー、デザイン・フォー・リビングなど)を促進することを目指している。ETOPは、単一のポータル・ページと関連するツール(データベース検索、新規の資金提供に関するお知らせ、ETOPリストの更新情報など)から成る。【EPA】



NEC、米国規格最高レベルの難燃性バイオプラスチックを開発

 NECはパソコンやテレビなど家電製品に使える安全で燃えにくいバイオプラスチックの開発に成功したことを発表した。

 米国の規格の難燃試験で、最高レベルとなる「5V」を達成した高性能バイオプラスチックの開発に成功した。

 バイオプラスチックは、トウモロコシなど植物原料が成分で、土中では水と2酸化炭素に分解されることから、環境にやさしい新素材として注目され、食品容器など一部で実用化されている。植物性樹脂を原料とするバイオプラスチックで、このような難燃性を実現したのは世界で初めてとしている。

 難燃剤として環境に有害とされるハロゲンやリン成分などを一切使用せず、組成段階から改良した特殊な金属水酸化物を材料に添加したことで難燃性を向上させた。

 バイオプラスチックをパソコン本体に使うには燃えにくくする必要がある。NECは、無機材料の吸熱剤(金属水酸化物)などの新素材を組み合わせることによって、世界で初めて従来のハロゲンやリンを成分とする有害な難燃剤を用いずに家電製品の難燃性の国際基準をクリアした。耐熱性を示す熱変形温度でほぼすべての電子機器に適用できる110度Cを達成。耐熱、強度面でも優れた性能を発揮した。【日刊工業新聞他】




≪環境政策≫

16年度政府予算案中の地球環境保全関係予算総額8,334億円に

 環境省が関係省庁の平成16年度政府予算案中の地球環境保全関係予算額をとりまとめた結果、16年度の総額は15年度の総額9,304億円と比べ9.7%減少した8,334億円となっていることがわかった。地球環境保全関係予算額が前年を下回ったのは14年度に続き2年連続。
 環境問題の分野別に見た場合、地球温暖化対策の7,606億3,100万円が圧倒的に多かったが、15年度の8,370億6,900万円に比べると9.1%減額していた。
 他の分野では「国際的に価値の高い環境保護対策(8億1,000万円 15.0%増加)」、「有害廃棄物の越境移動対策(1,900万円 26.7%増加)」、「生物多様性の減少対策(39億6,800万円 2.4%増」が増えた以外は「オゾン層の破壊対策(4億2,300万円 11.9%減)」、「酸性雨対策(32億8,000万円 9.5%減)」、「海洋環境の劣化対策(17億1,800万円 3.3%増)」、「森林の減少・劣化対策(7億4,800万円 6.3%減)」、「砂漠化対策(5億7,300万円 3.7%減)」、「開発途上国の環境対策(47億7,600万円
 2.0%減)」「その他(510億8,600万円 20.8%減)」の7項目が減額していた。 府省庁別では農林水産省の2,773億1,100万円が最も多かった。【環境省】



国交省、第159回国会に景観法案など提出へ 法案概要を発表

 国土交通省は平成16年1月19日、第159回国会に同省が提出する18件の法律案の概要を発表した。

 18件のうち環境関係のものとしては、(1)都市や農山漁村の良好な景観形成の基本理念などを定める「景観法案(仮称)」、(2)景観法の施行に伴い、都市計画法や屋外広告物法などの整備を行う「景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」、(3)緑地保全地域(仮称)での緑地保全新規制や緑化地域(仮称)での緑化率規制の導入を盛り込んだ「都市緑地保全法改正案」、(4)船舶用原動機からの窒素酸化物の放出規制、船舶に使用される燃料油に関する規制を定める「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)改正案」、(5)船舶所有者に油濁損害保障の契約締結を義務付け、油濁損害賠償保障国際追加基金(仮称)に対する被害者の補償請求権を規定する「油濁損害賠償保障法改正案」−−などがある。【国土交通省】



政策投資銀、省エネ融資制度を拡充−ESCO事業者支援

 日本政策投資銀行は、省エネ効果を保証するESCO事業に対し融資を実施した。

 (株)ガスアンドパワーインベストメントに対し、プロジェクトファイナンスの仕組を応用し、同ESCO事業からのキャッシュフローに依拠した融資を実施。今回の融資は、日本政策投資銀行のESCO事業に対する融資制度適用第1号案件となる。

 日本政策投資銀行としては、我が国で初めてUNEP金融機関声明に署名するなど、政策金融機関として経済的・社会的発展と環境保護との調和による我が国の持続可能な発展を支援しており、今後も環境対策事業であるESCO事業を推進して行く予定。そして省エネルギー効果を保証するESCO事業への支援を本格化する方針。

 ESCO事業者が資金調達する際の選択の幅を広げることにより、同事業の普及を後押し、ESCO事業の活発化に繋げることで、省エネや環境保護を加速させたい考えだ。

 ESCO事業は省エネに必要な技術、設備、人材などすべてを包括的に提供するサービスで、省エネ効果によるコスト削減分の一部を報酬とする。社会的に環境への意識が高まる中で、ESCO事業は急速に成長、潜在市場規模は2兆5000億円とも言われている。【日本政策投資銀行他】








2004年1月17日号
≪自然≫

知床の世界遺産への推薦が正式決定

 2004年1月16日、日本政府は世界遺産条約に基づく「世界遺産一覧表」に自然遺産として「知床」を推薦することを正式決定した。

 推薦地域は北海道知床半島の面積計5万6,100ヘクタール(核心地域:3万4,000ヘクタール、緩衝地域:2万2,100ヘクタール(うち海域:7,400ヘクタール含む)。

 半島中央部には最高峰の羅臼岳をはじめとする標高1,500メートルを超える知床連山が縦走し、流氷が育む海洋生態系と原始性の高い陸域生態系の特徴的な相互関係、シマフクロウなどの絶滅危惧種が生息地している点などが特徴だが、陸域から海域を含んだ統合的な管理計画がないことが、世界遺産推薦の課題となっていた。

 今回の推薦決定は2003年12月15日までに、関係省庁、地元自治体などをメンバーとする「知床世界遺産候補地地域連絡会議」による管理計画案がまとまったことを受けたもの。

 なお日本政府は2004年2月2日までにユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出する方針で、「世界遺産一覧表」への登録の可否は、ユネスコ側が実施する専門的見地からの審査に基づき、2005年6月頃に開催される第29回世界遺産委員会で決定される見込みだ。【林野庁】




≪エネルギー≫

新エネルギー財団、新エネ大賞の経済産業大臣賞にクボタを選定

 新エネルギー財団は、03年度の新エネ大賞を選定した。

 新エネ大賞とは、エネルギーの一層の導入促進と普及及び啓発を図るため、新エネルギー機器及びその導入事例を広く募集し、そのうち優れたものを表彰するもの。

 「経済産業大臣賞」はクボタのバイオマス燃料製造システム「膜型メタン発酵システム」が受賞した。

 「資源エネルギー庁長官賞」はCRCソリューションズの「風力発電適地選定支援システム」を選定。

 新エネルギー財団会長賞としては、日新電機と関西電力の「単独運転検出装置」、東京都とジェイウインド東京の「東京風ぐるま」など4件が選ばれた。【環境新聞社他】




≪新技術≫

光触媒、日本工業規格(JIS)制定へ 〜1兆円市場への期待〜

 光触媒製品は、日本の大学発の独創的技術で、「1兆円産業」への期待がかかっている。

 「光触媒作用」によって生み出されるのは「分解力」と「親水性」の働き。「分解力」の働きは、様々な有機物を分解。雑菌や細菌をなくしたり、汚れのこびりつきや臭いの発生を防ぐ。また「親水性」の働きは、様水の汚れの下に入り込み、浮き上がることによって、汚れが流れ落ちる。

 これらの働きを応用して、環境浄化技術としても、省エネ・都市温暖化緩和、窒素酸化物(NOX)除去、土壌浄化などで進展が期待される。

 実際の市場は400億円程度にとどまっているとの見方が一般的だが、品質規格がないことが普及を遅らせているとの指摘があるほか、「あまりにもまがい物が多すぎ、光触媒製品の信頼性を損ないかねない」との危機感も伝わってくる。

 こうした中、環境浄化技術でも期待される光触媒製品の性能を評価する初の日本工業規格(JIS)が1月下旬にも制定される見通しで、今年は光触媒製品にとって大きな節目の年になりそうだ。【日刊工業新聞他】










2004年1月8日号
≪地球温暖化≫

昨年は史上3番目に暑い年

 2003年は史上3番目に暑い年・・・世界気象機関(WMO)は、12月16日こうした内容の年次報告を発表した。報告によると、2003年の地表の気温は、1961年から1990年の平均値と比べて、0.45度高くなるという。機器による測定が始まった1861年以降、最も暑かった年は1998年で、1961年から1990年の平均値と比べて、0.55度も高かった。1976年以降、気温が上昇するスピードは、過去100年間と比べて3倍になっているという。

 また、北極の氷の面積は、9月の時点で540万km2で、昨年の530万km2と同様、記録的に低いレベルだった。WMOは、この現象は、「1980年代と比べ、1990年代は、北極が著しく暖かくなった」という他の証拠とも一致するとしている。

 今年は、台風も多かった。特に太平洋では、名前がつくような大型のものは、通常年間9.8件程度であるのが、16件にも上った。温暖化によって、一層激しい、異常気象が頻発するようになると予想されている。【WMO】





気候変動枠組み条約第9回締約国会議 閉幕

 気候変動枠組み条約第9回締約国会議(COP9)は、先月中旬イタリアのミラノで閉幕した。188カ国から5000人以上が参加。

 COP9では、クリーン開発メカニズム(CDM)における森林吸収源の扱い、途上国支援などが懸案となっていた。森林吸収源については、火災などで森林が消失する可能性も踏まえ、期限付きのクレジットが導入され、また、森林が継続して存在しているか5年ごとにチェックすることとされた。
 途上国支援については、各種基金の運営指針について検討され、途上国が気候変動報告書(温室効果ガスの排出、対策、気候変動の影響などに関する情報を盛り込む)を策定すれば、基金を活用できることとなった。

 会議の参加者からは、京都議定書は最初の重要な一歩である点が強調され、早期発効を求める声が上がった。欧州委員会のロマノ・プロディ委員長は、京都議定書への強い支持を表明し、EUが議定書を完全に実施することを強調した。オランダのVan Geel国務大臣も、京都議定書が早急に発効することが不可欠だとしている。【国連気候変動枠組み条約事務局、欧州委員会環境総局、オランダ住居・国土計画・環境省】




≪有害化学物質≫

厚生労働省研究班、サルの実験でダイオキシンの胎児悪影響を確認

 ダイオキシンが胎児形成に悪影響を及ぼすことが、厚生労働省研究班のサルを使った動物実験で確認された。

 ダイオキシン毒性については、胎児への影響が懸念されているが、ヒトと同じ霊長類の動物実験で子どもの体の形成に悪い影響を及ぼすのが確認されたのは初めてのこと。

 厚生労働省研究班は、妊娠中のアカゲザルを20匹ずつ2つのグループに分け、一方にはダイオキシンを300ナノグラム、もう一方のグループには30ナノグラムをそれぞれ投与した。

 その結果、300ナノグラムと比較的高い濃度のダイオキシンを投与した母親ザルから生まれた子どものサルは、生後900日まで育った8匹のうち4匹に一部の歯が生えてこない異常が見られた。30ナノグラムを投与した母親ザルから生まれた子どものサルには、異常は認められなかった。

 研究班の安田教授は、「ダイオキシンについては次の世代への影響の解明が重要なので、今後も子ザルの観察を続け、他にも影響がないか見極めたい」としている。【NHK他】




≪環境新技術≫

土に溶けるプラスチックで化粧品容器、春にも見本登場
 
 トヨタ自動車と資生堂は31日、サトウキビやサツマイモでつくった生分解性プラスチックを化粧品容器に応用することで提携したことを明らかにした。今春にも化粧品店の店頭に置く見本品として使った上でファンデーションなど市販の化粧品容器として実用化にこぎつけたい考えだ。

 生分解性プラスチックは、土中の微生物の働きで水と二酸化炭素に分解される。焼却しても有害物質が出ず、環境に優しい素材として注目されている。

 トヨタと資生堂はすでに共同研究を始めている。バイオ事業にも取り組むトヨタが生分解性プラスチックの製造を担当し、資生堂は化粧品容器に使用した場合の耐久性や耐熱性を検査している。

 トヨタは、生分解性プラスチックを昨年5月に発売した小型車「ラウム」のフロアマットに採用しており、今後も自動車用内装部品への利用を増やす方針だ。加えて、外部販売での用途拡大も期待しており、化粧品用ガラス瓶をリサイクルするなど環境対策を進める資生堂と思惑が一致した。

 トヨタは本業の自動車事業以外のビジネスとして、需要拡大が見込める生分解性プラスチック事業を育てる方針だ。今年8月には、生分解性プラスチックを本格的に生産するための実証プラント(年産1000トン)を愛知県豊田市の同社広瀬工場に稼働させる。

 「資生堂以外にも多くの業界から引き合いが来ている」(幹部)といい、同事業の分社化も視野に入れている。【読売新聞他】







過去の環境三大ニュース1
2001年3月24日〜12月24日


http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h16first-prize.html

海への二酸化炭素の吸収は望み薄か?
 
 海で植物プランクトンを増やして温室効果ガスの二酸化炭素を取り込ませ、海水の二酸化炭素吸収を促すという温暖化対策技術は、実際には効率があまりよくないことが日本やカナダなどの共同実験で分かり、18日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

 海水の二酸化炭素濃度が下がった分、大気中の二酸化炭素を海水に吸収させるのが狙いだったが、植物プランクトンは海面付近で動物プランクトンに食べられるなどの実態が判明。植物プランクトンに取り込まれた二酸化炭素の半分以上が動物プランクトンなどの呼吸によって、大気中に放出されているという。

 実験には東京大海洋研究所の津田敦・助教授(生物海洋学)らが参加。2002年夏、アラスカ湾南方の海域で微量の鉄分をまき、植物プランクトンの反応を追跡した。

 鉄分不足のため増殖が抑えられていた植物プランクトン「けい藻」は急増した。そのまま海底に沈み動物プランクトンなどから「隔離」されるとみていたが、期待されたほど海底に沈まず、大半は動物プランクトンに食べられたり、細菌に分解されたりしていた。

 従来は沿岸部での観察結果から、けい藻はすべて沈むと考えられており、温暖化対策に使えると期待されていた。

資料:3/18 共同通信ニュース速報



温暖化によるオゾン降下で、さらに温暖化が加速  
 
 地球温暖化が進むと、成層圏から降下してくるオゾンの量が増え、それによる温室効果で温暖化がさらに加速されることを、海洋科学技術センターの秋元肇領域長らの研究グループがシミュレーション実験で突き止め、16日に発表した。

 この影響で、2100年までの地球温暖化による気温上昇分は地球全体で平均0.2度押し上げられ、降下量が多い東アジアや南米中部などの中緯度帯では影響が特に大きいという。

 地表から約10キロ程度までの対流圏のオゾンは、二酸化炭素やメタンに次ぐ温室効果ガスとして最近注目されている。秋元領域長らは地球温暖化によるオゾンの増減を分析した。

 その結果、温暖化により上下方向の大気循環が強まることで、成層圏のオゾンが対流圏に流入することが分かった。2100年には、年間の総流入量が現在の83%も増加することになり、温暖化は従来考えられているよりも促進されることになるという。

 研究結果は2月末に、米国地球物理学会誌に掲載された。

資料:3/16 共同通信ニュース速報

(文責:編集部 立山 原田)(エコロジーシンフォニー2004年3/22)


環境3大ニュース(12月16日〜12月24日)
世界の年平均気温、2001年は観測史上2位の高温に 日本も平年上回る

 気象庁象庁では2001年の世界と日本の年平均地上気温について、1〜11月のデータをとりまとめ、速報値として発表した。
 発表によると、2001年の世界の平均気温は、平年(1971から2000年の平均値)より0.45度高く、統計が始まった1880年以降最も高温だった1998年に次いで2番目に暑い年になりそう。
 一方、日本の平均気温は平年より0.23度上回っていたものの、1898年以降の統計の中では、最も高温の年から10番目以下にとどまる見込み。ただし気象庁によると、日本でも1990年代はじめから平均気温が平年より高くなる傾向が続いているという。【気象庁】
プレスリリース http://www.kishou.go.jp/press/0112/14b/nenkion.pdf
発表日 2001.12.14
関連情報 気象庁報道発表資料(PDFが開かない場合)


代替フロン使わない冷蔵庫――東芝 「NON FRON光プラズマ鮮蔵庫」

 地球温暖化の一因とされる代替フロンに代わる冷媒としてイソブタンを使用した。容量が四百六十五リットルの「GR―NF47K」と、四百十五リットルの「GR―NF42K」がある。
 イソブタンは冷却効率が高いため、省エネ性能が高い。高効率コンプレッサーなどとの組み合わせによって、年間消費電力量を四百六十五リットルタイプで二百八十キロワット時に抑えた。冷蔵室、冷凍室、野菜室をそれぞれ別々に冷却し、収納する食品に適した温度や湿度を保つ。紫外線やオゾンなどで、脱臭・抗菌する装置も付けた。
 色はスプリンググリーンとオータムブラウンの二種類があり、想定価格は従来製品に比べて一万円程度の上昇に抑えた。 《オープン価格だが実勢は四百六十五リットルタイプが二十万―二十一万円、四百十五リットルタイプが十八万―十九万円の見込み。それぞれ二〇〇二年一月二十日、二月二十八日》 【日本経済新聞】


使用済みPETボトル、再びボトル用樹脂に――帝人、再生技術を開発

 帝人は十七日、使用済みポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルを、再びボトル用PET樹脂に戻す技術を開発したと発表した。回収したボトルを化学的に分解、反応させてPETボトル製造に使う樹脂原料を精製する仕組み。二〇〇三年十月から同社徳山事業所(山口県徳山市)でリサイクルプラントを稼働させる。総投資額は百億円。同社によるとPETボトルで「ボトルtoボトル」を実現したのは初めて。
 新技術は、回収PETボトルを石油から製造したものと同等の高純度DMT(ジメチルテレフタレート)に戻し、さらに精製してTPA(高純度テレフタル酸)に変換する。徳山事業所で使用済みPETボトルを年間約六万トン(五百ミリリットル入りで約二十億本)を回収できる設備を整える。コストは石油から製造した場合と同じという。
 化学的な技術を活用する「ケミカル・リサイクル」では、帝人はすでにDMTにまで戻す技術は確立。ただ、PETボトル製造に向けては、色、耐熱性などの問題からDMTからTPAを作りだす必要があった。
 帝人のボトル用PET樹脂生産量は現在、年間四万トン。回収処理設備の建設で年産九万トンに引き上げる。
 二〇〇一年のPETボトルの国内需要は茶飲料の販売好調などもあって前年比八%増の三十八万九千トンとなる見通し。使用済みPETボトルの回収量は容器包装リサイクル法が施行された一九九七年から増加し、今年度には同三八%増の十七万トンに達する見込み。【日本経済新聞】


殺虫剤を扱う人の精子、運動能力が低い−−名古屋大学など調査

 殺虫剤を散布作業で多量に扱っている人の精子の運動能力が低くなっていることが、名古屋大や愛知医大などの研究グループの調査で分かった。殺虫剤を仕事で扱う人は、吸入や接触を最小限に抑える工夫が求められそうだ。14日から茨城県つくば市で開かれる環境ホルモン学会で発表される。
 研究グループは、殺虫剤をまく作業に従事している中部地方の男性96人を対象に調べた。
 子供の数(90人が有効回答)については、散布の仕事にまったく関係していなかった時期に誕生した38人は、誕生した季節に大きな差がなかった。一方、散布作業に従事するようになってから誕生した子供32人では、秋(9〜11月)が16人いたのに対し、夏(6〜8月)は1人だった。これは秋の妊娠例が少ないことを意味する。秋に射精された精子が形成されたのは夏で、害虫が大量発生して殺虫剤の散布回数が急増する時期と重なっていた。
 18人(平均34歳)から夏と冬に精子を採取し、その数や運動機能、形を調べた。夏に採取された精子は動きが鈍かったり、変形しており、普段殺虫剤を使っていない別の18人(同)と比べて正常な精子の割合が約10%少なかった。しかし、冬に採取された精子では大きな違いは見られなかった。【毎日新聞】


発がん物質変わる評価 動物実験人と一致しないケースも

 魚の焼け焦げやたばこの煙など典型的な発がん物質の評価が変わってきた。これまで評価の決め手だった動物実験の結果が、必ずしも人にはあてはまらないことがわかってきたからだ。発がん物質のリストも人を考慮して修正が加えられつつある。(松井潤)
 魚や肉の焼け焦げやたばこの煙に含まれる“発がん物質”の中に、変異原性(発がんの主な原因になる突然変異の起こりやすさ)がほとんどないものがある――。
 この秋、静岡市で開かれた国際環境変異原学会でこんな発表があった。製薬会社など25社の研究者グループ(代表・エーザイ開発安全性研究部の羽倉昌志主任研究員)と、人組織の研究での有効利用を進めるHAB(ヒューマン&アニマル・ブリッジ)協議会の共同研究だ。
 変異原性を調べる方法は発がん研究でよく使われるエームス法。ただし羽倉さんらは、米国から取り寄せた人の肝臓をすりつぶした上澄み液(S9)を検体に用い、反応が出やすい薬物代謝酵素の活性を高めたラット(ネズミ)と比較した。
 焼け焦げでできる発がん物質は、10種類確認されている。このうち5種類について変異原性をテストしたところ、人はラットの数十分の1から数千分の1程度という低さだった。
 排ガスやたばこの煙に含まれる発がん物質のうち、ベンゾアントラセンやジベンゾアントラセンには変異原性はみられなかった。逆に、ディーゼルガスに含まれるニトロピレンは、人のほうが3倍以上強かった。
 ピーナツなどにつくかび毒のアフラトキシンB1はラットの100分の1ほど。ところが、食品の防腐剤として用いられたAF−2は3倍近く、魚や肉を食べたとき胃の中でできるニトロソジメチルアミンは5倍ほど人のほうが強くでた。
 臓器移植などの経験が浅い日本では、これまで人組織を研究に使うことはタブー視されてきた。「世界的には、人の組織による研究で発がんも判定されるようになってきている」とHAB協議会の鈴木聡研究員。
 焼け焦げの発がん性を見つけたグループの一人、国立がんセンターの長尾美奈子客員研究員は「薬物代謝酵素の活性を高めたラットだから差が出たということも考えられるので、普通のラットと人を比較する必要がある」と指摘する。
 羽倉さんは「今後の課題はあるが、発がん性の評価に、動物だけでなく、人の組織を使う価値があることは示せた」という。
 日本産業衛生学会は国際がん研究機関(IARC)の評価などを参考に発がん物質の分類をしている。今年、肺機能が侵されるじん肺の原因とされる結晶質シリカと、合成ゴムなどの原料「1、3−ブタジエン」を、暫定的に「発がん性のある物質」に加え、1年間検討することにした。
 新規化学物質を製造または輸入しようとする事業者は、あらかじめ変異原性などの有害性を調査して、その結果を厚生労働大臣に届けることになっている。制度が始まった79年以降、新規化学物質として名前が公表されているものは約1万件。うち13%に変異原性があった。研究室レベルで日常つくり出されているものを含めると、世界で1日に生まれる化学物質は数千種ともいわれる。
 同学会の発がん物質リスト作りのリーダーで、中央労働災害防止協会の櫻井治彦・労働衛生調査分析センター所長は「生活から発がん物質を完全に取り除くことは不可能。大切なのは人生の中で発がん物質との接触を最小にする工夫をいかにしていくかです」と話す。
 ○サッカリン…「疑い」リストから除外 ダイオキシン…「証拠十分」に格上げ 米の場合
 米国では、国立環境保健科学研究所の国家毒性計画による「発がんが疑われる」リストから、人工甘味料のサッカリンと塗料や繊維に使われているアクリル酸エチルが去年から今年にかけての改訂で外された。
 サッカリンは、ラットの実験でぼうこうがんができることが分かっているが「人にはそのままあてはめられないことが最近明らかになった」から。アクリル酸エチルは、高濃度で継続的に経口投与すると胃の組織に腫ようができる動物実験があるが「こうした状態で人が飲むことは考えにくい」ことが配慮された。
 一方、ダイオキシンが「疑われる」から、十分な証拠がある発がん物質に格上げ。ディーゼル自動車などの排出ガスに含まれる「ディーゼル排気微粒子」(DEP)が、疑われる物質として新たにラインアップされた。
 肺がんで死んだ人の肺はDEPの蓄積が多いという疫学調査や、発がんに至るメカニズムの研究も進んできた。ディーゼル排気に取り組む嵯峨井勝・青森県立保健大教授は「もっと大気環境中の化学物質に目を向けてほしい」と訴える。【朝日新聞】


12月17日(月)
環境3大ニュース(12月9日〜12月15日)
環境保全のためにも必要 3万人の人手不足解消に向け林業就労者確保事業をスタート

 林野庁は、平成13年度から16年度までの4か年間で3万人の新規林業就業者を育成することを目標に、(1)就業相談会、(2)林業事業体等に関する情報のホームページからの提供、(3)知識や技能修得のための事前研修の実施、(4)森林・林業・担い手育成フェアなどの事業を行うと発表した。
 日本の国土面積の3分の2を占める森林には、国土保全、水源かん養、自然環境保全、地球温暖化防止など多様な公益的機能があり、日本学術会議の農業・森林の多面的な機能の評価についての答申によれば、これらの公益的機能を経済的評価額は年間70兆円にもなるといわれている。
 ただし、こういった森林の多面的な機能の発揮のためには、林業を担っていく人材の確保・育成を行い、森林整備を図っていくことが必要であるが、実際には、昭和35年に全国で44万人いた林業就労者は、平成12年林業白書によれば7万人まで減少し、高齢化も進んでいるという。
 林野庁では、まず平成13年12月17日から1月26日にかけて全国9都市で就業相談会「森林の仕事ガイダンス」を開催する予定。【林野庁】


国際環境映画祭 最優秀映画賞、インドの「Bhopal Express」
 ベルリンで12月3日から開催されていた第一回国際環境映画祭Ecomoveが、5日、閉幕した。最優秀映画賞は、インドの監督マヘッシュ・マタイ(Mahesh Matai)氏のBhopal Expressに決まった。ドイツ連邦環境大臣トリッティン氏は、授賞式の際、環境映画ないし環境広告は、環境問題を説明し、保護感情を惹起し、さまざまな側面から環境問題を描き出すものである。このようなビジュアルな手法がなければ、多くの環境問題を認知することはできなかったであろう、と述べた。
 この映画祭は、欧州環境保護庁、ヨーロッパアカデミー・ベルリンによってベルリンにて開催された。【ドイツ連邦環境省】


ノーベル賞受賞者有志、気候変動枠組み条約の早期批准等求め署名活動
 ノーベル賞受賞者の有志は7日、同賞100周年記念行事出席のためストックホルムとオスロに集まった受賞者に、気候変動枠組み条約の早期批准と弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の順守を求める声明案への署名を呼びかけ、100人以上の署名を集めた。声明案は名指ししていないが、米政権を非難する内容となっている。
 声明案によると、「我々は地球規模の環境への警告と反軍備増強で共同行動を起こさねばならない」と提言。両条約について「すでに法的措置は準備されており、単独で安全保障を模索する動きには背を向けねばならない」と、独自のミサイル防衛システムを計画中の米国を暗に非難している。
 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世、ゴルバチョフ元ソ連大統領(いずれも平和賞)らが署名した。【毎日新聞】


環境3大ニュース(12月2日〜12月8日)
環境など重点7分野中心に歳出見直し 平成14年度政府予算編成基本方針
 平成13年12月4日、平成14年度の政府の予算編成の基本方針が閣議決定された。重点7分野のうち1番目に、「環境問題への対応」として掲げられている。内容は以下の通り
「循環型経済社会の構築など環境問題への対応 経済が持続的に成長するためには、自然環境との調和が重要な課題である。このため、廃棄物・リサイクル処理などの環境技術の実用化に向けた研究・開発等を進めることにより、経済活動の環境への負荷を低減しつつ、「環境」を新たな成長分野として捉え、その環境セクターの創出・拡大を図る。また、廃棄物の発生抑制、リサイクルの促進、不法投棄の防止等により「ゴミゼロ社会」の構築を目指すとともに、京都議定書の実施に向けて、国民各層一体となった取組みの推進・健全な森林の育成等を含め脱温暖化の社会づくりを推進する。 このため、政府系研究機関・産学官が連携した取組体制を構築する。 さらに、自然との共生など環境問題への対応を市民参加を図りつつ推進する。」 【首相官邸】

電磁波に発がん性の可能性−−WHOが予防的対策を勧告
 世界保健機構は(WHO)はこのほど送電線から出る電磁波について、発がん性の可能性を認め、予防的な対策の必要性を「勧告」するという初の報告書をまとめた。報告書は、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)が定めた暴露基準以下であれば、特別な防護方策は必要ないというこれまでのWHOの見解を180度転換した。2003年にもWHOがまとめる新環境基準の見直しなど今後の対応が注目されている。【環境新聞社】

30年前に埋められた有機塩素系農薬3,680トンの所在を特定
 農林水産省では、DDT、BHC、アルドリンなど、過去に販売禁止・制限となった有機塩素系農薬のうち、計約3,680トンが埋設処分された174地点を特定した。
 有機塩素系農薬は1971年に販売が禁止・制限されたが、当時は処理技術が開発されていなかったため、すでに生産されていた余剰農薬については、小規模単位に分散して埋めるよう指導が行われ、3トン以上の大規模埋設に対しては国庫補助事業も実施された。しかし、小規模単位の埋設については記録が少なく、処分後30年を経過した現在では所在がわかりにくくなっているものもあった。
 有機塩素系農薬については2001年5月に新たに「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」が採択されており、この条約でに基づき、過去に埋設された分についても、処理技術を確立した上で適切な処理を進めていく必要性が高まっている。今回の調査は、新技術が開発された場合の処理を想定し、その基礎資料として30年前に埋設された農薬の現状を把握することを目的に実施されたもの。
 なお、今回判明した3,680トンの中では、43か所2,159トンが国庫補助事業による大規模埋設分で、残りの131か所1,521トンがそれ以外の埋設によるものであった。 【農林水産省】

原発、「空」に無防備 米テロで問題点浮上 
 国内の原子力発電所で、テロを念頭に置いた厳しい警備が続いている。機動隊が常駐し、巡視船艇も海から24時間態勢で監視に当たる。電力各社は中央制御室など中枢施設への見学者の案内を取りやめた。しかし、9月にニューヨークなどであった空からの「脅威」には打つ手がない。(報道プロジェクト室・広川始)
 福井県敦賀市にある核燃料サイクル開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」。95年12月のナトリウム漏れ事故で運転を止めているが、炉心の核燃料には約1・4トンのプルトニウムが入ったままになっている。原爆175個をつくれる分量とされる。
 門前にはパトカーが止まり、入構チェックでは警備員らが身分証明書の提示を求め、車内やトランクの荷物を調べる。常駐の機動隊員は、約100万平方メートルの周辺パトロールを24時間体制で続けている。
 全国最多の15基の原発が立地する福井県では、人員が約1500人の県警だけでは警備が追いつかず、10月下旬から愛知、岐阜、富山の3県警などから機動隊員約150人が応援に加わっている。
 周辺海域では、第8管区海上保安本部(京都府舞鶴市)の巡視船艇20隻、航空機4機が交代で警戒出動している。海上保安庁は舞鶴市内にあるヘリ基地を夜間でも使えるよう2億円かけて整備することを急きょ決めた。
 一方、電力業界は10月から予定していた「原発見学者100万人キャンペーン」の出ばなをくじかれた。現場を見て原発への理解を深めてもらう狙いで業界をあげた取り組みになるはずだった。
 しかし、警備上の理由から新聞や雑誌を通じた大がかりな募集は中止。逆に国から施設周辺の監視や見学者の所持品検査などについて警備強化を求められた。
 全国の原発警備を指揮する警察庁の黒木慶英・重大テロ対策官によると、各国の原発警備の主力は事業者が雇う民間ガードマンだが、武装化していないのは日本とスウェーデンだけという。
 「今は車両で突入したり、爆弾を抱えて侵入したりするテロを想定している。常駐警備をいつまで続けるのかは、まだ分からない。民間警備の武装化は、日本の国情や日本人の銃器に対する感覚から難しいのでは」
     ■   ■
 米国フロリダ州の原発で98年1月、テロリストの侵入を想定した警備訓練が公開された。テロリスト役の男性3人は、幅約5メートルのフェンスの間に板を渡して二重フェンスを乗り越えようとしたり、腹ばいになって侵入しようとしたり。その度に警備のセンサーが作動するかチェックが繰り返された。
 こうした訓練は法令に基づいており、不備な点は改善を求められる。視察した文部科学省原子力安全課の中山隆査察官は「センサーが侵入者を感知できないケースもあった。日本と比べ実質的な対応をしている、と思った」と振り返る。
 「原発が航空機テロの標的にされたら」という不安に対し、米原子力規制委員会(NRC)は9月の同時多発テロ直後、「原発は大型飛行機の衝突に耐えられるようには設計されていない」との公式見解を示した。
 航空機テロを想定していないのは日本も同様で、安全規制を担当する日本の原子力安全委員会や経済産業省原子力安全・保安院も、この見解に事実上同意している。
 原発に対する日本の安全審査指針では、航空機の定期便が原発に墜落する確率が割り出されている。最も新しい北陸電力志賀原発2号機(石川県)の場合、その確率は「1年間に10億分の1・4回」。無視していい数字として、安全審査では「対策をとる必要はない」とされた。だが、確率算出に際しては、米軍機や自衛隊機などの飛行は考慮していない。
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 原発が立地する計35市町村でつくる全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協、会長=河瀬一治・敦賀市長)はテロの2日後に小泉首相らにテロ対策の強化を求める要請書を出した。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が98年8月に「テポドン」を発射した時は危機感を表面化させなかったが、今度ばかりは「対岸の火事」にはできなかった。
 要請書をまとめた敦賀市原子力安全対策課の笹岡自勝課長は「崩壊する世界貿易センターの映像を見た途端、原発がテロの標的にされたら取り返しのつかない事態になる、と思った」と話す。
 立地自治体にとっては、88年6月に愛媛県伊方町の四国電力伊方原発近くで起きた米軍の兵員輸送用大型ヘリの墜落事故の印象が生々しい。炉心からわずか1キロ。その後も、原発近くでの航空機の墜落は相次ぎ、昨年3月と7月には、宮城県の東北電力女川原発付近で航空自衛隊松島基地の練習機が連続して墜落、全原協は国に飛行規制の強化を申し入れた。
 米軍の大型ヘリ墜落後、電力各社は原発への航空機の接近を防ぐため、目印となるせん光灯を取り付けた。オレンジ色の光は上空約3キロまで届く。この光が逆にテロの目標になることはないのか。全原協は神経をとがらせている。
 ◇破壊試験検討すべき
 原発に詳しい技術評論家の桜井淳さんの話 アフガニスタンでの戦争が終息しても、テロの脅威が消え去るものではない。原発のような巨大技術に100%の安全性はありえず、時代に対応した対策を積み重ねるしかない。航空機に直撃されても、放射能を閉じこめたままにしておけるのか。完成したものの使われないまま放置されている米国の原発を使って、破壊試験の国際プロジェクトなどを検討すべきではないか。【朝日新聞社】



 
 12月3日(月)
環境3大ニュース(11月25日〜12月1日)
環境ホルモンの検出 感度1000倍の吸着剤

水中にあるごく微量の内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)も見逃さずに検出できる新タイプの吸着剤を、国立環境研究所と京都工芸繊維大、東洋インキ製造の共同研究チームが開発した。材料は特殊な高分子で、狙った物質だけを見分けて捕まえる仕組み。まずは環境ホルモンの一種とされるビスフェノールAの吸着剤を1、2年内に製品化する。従来の吸着剤に比べて感度は約1千倍という。
この吸着剤は、直径約100分の1ミリの粒子。捕まえたい化合物の大きさや形状に合わせた「鋳型」のような構造をした高分子でできている。研究チームは現在、特許を申請中という。
この粒子を詰めたガラス管の中に水を通すと、たくさんの汚染物質の中から、例えばビスフェノールAだけを選んで吸着してくれる。この粒子をアルコールで洗えば、吸着したビスフェノールAを高濃度で取り出すことができる。
川の水などに含まれるごく微量の環境ホルモンを正確に測定するには、これまで1台3千万〜4千万円の高価な分析機が必要だった。しかし、この吸着剤を使えば、1台数十万円の分析機で済むという。しかも、複雑な前処理も不要で、従来2、3日かかっていた検査を数時間に短縮できる。
分析に必要な人件費なども含めて計算すると、従来の方法に比べてコストは約10分の1に抑えられる見込みだ。【朝日新聞】


産業廃棄物処分場周辺で環境ホルモン 福井・敦賀、高濃度で検出

福井県敦賀市の民間産業廃棄物処分場の周辺の水から、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の疑いのあるビスフェノールAが、水1リットルあたり1万1千マイクログラムの高濃度で検出されたことが22日、同県の調べで明らかになった。専門家によると、国内の処分場などからはこれまで最大でも1リットルあたり約3千マイクログラムしか検出されていないという。
処分場は山あいの谷間を埋め立てて造成された。経営する企業が92年ごろから不法搬入を繰り返したため、県が9月、産廃業の許可を取り消すとともに周辺の水質検査をした。【朝日新聞】


青森県に国内最大の風力発電所−−エコ・パワーが建設

エコ・パワーは、日本最大級の大規模発電所「岩屋ウインドファーム」の建設を青森県東通村岩屋地区で着工すると発表、2002年冬の完成を目指します。同地では国内最大級となるNEGミーコン社製の1500kw型風力発電機18基を設置。総出力2万7000kwという国内最大級の大規模風力発電所になる計画で、年間約6500万kw時の電力量を供給する予定です。これは、標準家庭で約1万9300世帯分、約7.7万人分の年間消費電力量に相当するとしています。【環境新聞】



 11月26日(月)
環境3大ニュース(11月18日〜11月24日)
南極2か月連続で月別平均オゾン全量の最少値記録

気象庁では、札幌、つくば、鹿児島、那覇の国内4地点及び南極の昭和基地で、上空のオゾン量の観測や地上に到達する有害紫外線の強度の観測を行っており、その結果を毎月1回発表している。2001年10月の国内4地点の上空における月平均オゾン全量(ある地点の上空にあるオゾンの総量)は、札幌、鹿児島、那覇の3か所で並、つくばで多かった。

また昭和基地では、10月の平均値として観測開始以来最も少ない値である154ミリアトムセンチメートルを記録した。昭和基地では9月にも月ごとの平均値として観測開始以来最も少ない値を記録しており、2か月連続で記録を更新したことになる。

また、米国航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布の結果では、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果、「南極大陸とその周辺地区」で10%を超えるオゾン総量の減少がみられ、特に西経20度から東経70度付近の南極大陸沿岸部では40%近くオゾン総量が減少している地域があった。【気象庁】


原発誘致の住民投票「反対」、――三重・海山町、立地政策に影響

全国で初めて電力会社の原子力発電所建設計画がない中で原発誘致への賛否を問う三重県海山町の住民投票は十八日投開票の結果、反対票が有効投票数の六七・四九%を占め賛成票を大きく上回った。投票結果に法的拘束力はないが、同町の原発誘致の動きは終息する見通し。原発立地を推進する国や電力業界には厳しい結果となった。投票率は八八・六四%。

確定投票数は反対五二一五票、賛成二五一二票。九月に町議会で成立した住民投票条例は「過半数の意思の尊重」を明記している。塩谷龍生町長は開票終了後の記者会見で「原発誘致の議論は今回の住民投票で終わる」と語った。

海山町の住民投票は、地域振興のため原発建設を電力会社に働き掛けようと地元商工業者らが主導した。当初は有権者の六割以上が誘致に賛同する署名をしたが、今月七日に起きた中部電力浜岡原発(静岡県浜岡町)1号機の配管破断事故や放射能を含む水漏れ事故が、住民の投票行動に影響したとみられる。【日本経済新聞社】


道路からの距離とSPM(浮遊粒子状物質)に相関関係−−安納芝浦工大講師が研究発表

ディーゼル車等から排気されるSPM(浮遊粒子状物質)と呼吸器系疾患患者の分布に相関関係があることが芝浦工業大学の安納住子講師の調べでわかりました。安納講師はGIS(地理情報システム)を用いた空間データマイニング手法を活用し、患者分布のパターンとSPM濃度・国道からの距離の関係をセル単位で解析しました。その結果、患者の分布と国道からの距離に有意水準で0.5%の「有意差」があることが明らかになりました。【環境新聞社】



環境3大ニュース(11月11日〜11月17日)
UNEP(国連環境計画) 温暖化による熱帯地方の農業生産量ダウンを警告

UNEPは、温暖化により、熱帯地方の農業生産量は3分の一程度減少するとする研究結果を公表。収穫高の減少は、ちょうど世界の人口が爆発的に増え、食料を大量に確保しなくてはならない時期に重なるおそれがあると警告した。

この研究成果は、フィリピンのマニラにある国際米調査研究所(the International Rice Research Institute ;IRRI)が、UNEPと協力して進めてきたもの。熱帯地域では、温度が1℃上昇すると、収穫高が10%減少することが明らかになったという。IPPC(The Intergovermental Panel on Climete Change :気候変動に関する政府間パネル)は、2100年までに熱帯地方の気温は3℃上昇すると推測している。

気温の上昇は、シベリアやカナダといった地域では収穫高が増加する可能性があるが、アジアでは、この先50年で44%の人口増加が見込まれていることから、1000万人のアジアの子供達が食糧不足の為に生命を落とすことになると予測される。

また、UNEPの協力組織である「GRID Arendal」は、コーヒー、紅茶のようなアフリカ地域の主要輸出作物も、温暖化により影響を受けるとしている。第一産業に頼る国にとって、このような事態は深刻である。たとえばケニアは年間6億7500万ドル(810億円)の輸出高を誇るが、うち5億1500万ドル(618億円)はコーヒーと紅茶によるものである。懸念されることは、温暖化による収穫高の減少に絶望した農民達が、山岳部のより低温地域に移住し、森林や野生生物、そして水源の水質・水量に悪影響が生じ、自然環境が一層悪化することである。

このような調査結果を受け、UNEP事務局長Klans Toepher 氏は、「世界が温暖化ガスの排出を削減しない限り、多くの人が飢えや栄養失調に瀕することになる。また、主要輸出農作物への脅威は、貧困と環境の悪化という悪循環を引き起こすであろう」と警鐘を鳴らした。【UNEP】



EUバイオ燃料の利用を義務化

欧州委員会は、バイオ燃料の利用を促進するため、行動計画と2つの指令案を採択した。

指令案では、2005年までに、販売される燃料の2%をバイオ燃料にするという最低基準を打ち出した。この最低基準は、2010年には5.75%に引き上げられる。バイオ燃料の原料としては、サトウダイコン、ナタネ、さらには家庭ごみなども含まれている。また、もう一つの指令案は、バイオ燃料またはバイオ混合燃料について、各国が消費税等を減税することを認める。

行動計画では、道路輸送部門の将来目標として、2020年までにディーゼル燃料やガソリンの使用量の20%を、バイオ燃料、天然ガス、燃料電池に代替することを掲げた。短期的にはバイオ燃料、中期的には天然ガス、長期的には燃料電池(水素)へのシフトを目指すという。【欧州委員会運輸総局】



フロン無し冷蔵庫、松下・日立が来年発売

松下電器産業は八日、冷媒にフロンを使わない冷蔵庫を来年二月一日に発売すると発表した。欧州製品に使う自然冷媒を高湿度の日本の商品に用いるシステムを日立製作所と共同で開発した。五月に日立と結んだ家電包括提携の成果の第一弾となる。日立も来年五月に同じ仕組みの冷蔵庫を発売する。

新商品に用いるのは炭化水素系のノンフロン冷媒「R600a(イソブタンガス)」。オゾン層への影響はなく、地球温暖化にもほとんど結びつかない。国内の従来機種にはオゾン層に悪影響を与えないが、温暖化の原因となる代替フロンが使われている。

松下グループは欧州の冷蔵庫向けコンプレッサーを製造しており、R600aを日本の冷蔵庫で利用できる冷却システム、部品を開発していた。松下は当初、二〇〇二年中の商品化を目指していたが、安全性や性能の試験で日立と協力し発売時期を前倒しした。

松下が二月に発売するのは内容量三百二十リットル、三ドアの「NR―C32EP」。価格は松下の同容量品に比べて一万円程度高い十四万円で月産二千台を予定。今後は順次、フロンを使わない製品の品ぞろえを進める方針。日立は二月に発売する「ソルフェージュ」シリーズの後継機種として、五月に松下と同様の冷却システムを採用した商品を発売する。

両社とは別に、東芝も来年一月の発売を目指してフロンを使わない冷蔵庫の開発を進めている。【日本経済新聞】
環境3大ニュース(11月4日〜11月10日)

  • 2002年米抜き発効へ、日本、批准作業に着手、温暖化防止、議定書ルール最終合意

    地球温暖化防止マラケシュ会議は十日午前(日本時間同日午後)、先進国が温暖化ガスを削減する京都議定書の運用規則で最終合意した。日本と欧州連合(EU)が、対立していた排出権取引の運用問題などで歩み寄った。全体会議を招集し議定書規則を採択する。議定書から離脱した米国を除く日本など各国は二〇〇二年発効に向けて批准作業に入る。国際協調による温暖化防止策がいよいよ実行段階に移る。

    会議は議長案をもとに主要各国の環境相が最終日の九日午後から個別に協議。排出権の国際取引など「京都メカニズム」に制約を課した当初案に日本が強く反発するなどして、協議は十日未明までもつれた。欧州は温暖化ガスの削減目標未達成の際の罰則と参加資格を関連づけることを主張したが、日本は京都メカニズムの機能を損なう制約は認められないと抵抗。EU側が最終的に罰則規定との関連づけを取り下げることで妥協に達した。

    また、排出ガス削減量に組み入れられる森林吸収枠の倍増を求めていたロシアも主張が認められた。妥協を重ねた政治決着で京都議定書の運用規則決着に持ち込んだ。

    会議には約百七十カ国の閣僚が参加。最終合意をうけて各国は今後国内批准の手続きを進める。京都議定書の発効には、排出削減義務のある先進国三十八カ国のうち排出量ベースで五五%以上、途上国を含め五十五カ国以上の批准が必要。各国の批准が順調に進むとみられ、離脱を表明した米国抜きで議定書は動きだす。

    議定書が正式に発効すれば、日本の場合は二〇〇八―二〇一二年に九〇年比で六%の排出削減を義務づけられる。また各国は年内にも、排出ガス削減義務を満たせなかった場合に罰則を課すかどうかという問題など、先送り案件を議論。また先進国に続く途上国の削減義務、離脱した米国との共同歩調などを中期的に探ることになる。(日本経済新聞)


  • 世界の人口2050年に93億人 国連「白書」で推計 環境問題深刻化を指摘

    国連人口基金(本部・ニューヨーク)は六日、二〇〇一年版「世界人口白書」を発表し、世界の人口は二〇五〇年に九十三億人に達するという推計を明らかにした。九九年発表の推計値より四億千三百万人の増加。この増加分のうち59%を、十六の途上国で占めている。

    推計は国連人口部の統計による。現在の世界人口は六十一億三千四百万人で、年間七千七百万人の割合で増え続けている。増加ペースに今後大きな変動はなく、二〇〇五年までの人口増加率も年平均1・2%と推計されている。

    今回の白書のテーマは「人口と環境の変化」。経済のグローバル化が世界に富をもたらした一方で、大気汚染や温暖化など地球環境の悪化を招いたと分析、世界人口の20%を占める国が個人消費総額の86%を占めている現状を示している。

    地球環境問題の深刻化については、水資源の不足、食糧生産力の低下、大気汚染を主因とする気候変動などを取り上げている。水問題を抱える国は、二〇〇〇年の三十一か国が、二〇二五年には四十八か国にまで増加する見込み。 (読売新聞)


  • 浜岡原発、格納容器内に放射能帯びた水漏れる

    緊急炉心冷却システム(ECCS)系統の配管破断事故があった静岡県浜岡町の中部電力浜岡原発1号機(沸騰水型、出力54万キロワット)で、圧力容器の制御棒駆動機構付近から原子炉格納容器内に、放射能を帯びた水が少量漏れていたことが10日わかった。中電は「圧力容器下部の制御棒付近から水漏れが見つかったのは国内で初めて」と話している。中電では漏えい部分を特定するため、同日朝から水漏れが確認された付近の機器の取り外しを始めた。

    中電によると、破断事故を受けて格納容器内を点検していた作業員が9日午後3時半ごろ、原子炉の働きをコントロールする制御棒(計89本)のうち、1本の駆動装置付近から数秒に1滴程度の割合で水が漏れているのを発見。1立方センチあたり323ベクレルの放射能を帯びており、水はコンクリート製の格納容器内の床に落ちていた。原発外部への影響はない。

    点検作業は9日午後2時前から始まったが、漏れた総量などは不明。原子炉を停止するまでは、水漏れは確認されていないという。格納容器内では、毎時0.6ミリシーベルトの放射線が検出されている。

    漏えい部分を特定するため、中電では制御棒駆動装置を支える機器やケーブルなどを取り外す。作業は10日夕方までかかる見通し。

    今回の水漏れについて、中電の石原準一・原子力管理部業務グループ長は「原子炉停止との因果関係はない」と否定した。同原発では過去、定期点検のため18回原子炉を止めているが、原子炉を止めるための制御棒付近から水が漏れたのは初めてという。

    中電によると、88年に浜岡1号機で定期点検中、別の個所から水が漏れたことがある。今回と同じ個所からの水漏れは米国で5件、スペインで1件起きているという。(朝日新聞)

環境3大ニュース(10月28日〜11月1日)

  • 環境保全型商品通信販売サイトの広告表示を一斉点検
公正取引委員会では、平成13年10月上旬にインターネット上の広告について、景品表示法に違反するものがないかを一斉点検するインターネット一斉調査を実施した。今回の一斉調査の対象としたのは、環境保全効果を強調する商品と浄水器の通信販売サイトのうち無作為抽出した396サイト。点検の結果、396サイトのうち不当表示につながるおそれのあるサイトは46サイト(11.6%)あり、公正取引委員会では、これらのサイトの管理者に対し、景品表示法の遵守を求める啓発メールを送信した。

不当表示につながるおそれがある表現としては、(1)「リサイクルした廃食油を原料にした石けん」のように、原材料の使用割合など表示対象範囲が明確でないもの、(2)「100%自然に分解され、川・海を汚しません」のように表示の裏付けとなる実証データが疑わしいもの、(3)「地球環境にも人にもやさしいエコロジー商品」のように、あいまいな表現を単独で使っているものなどが見受けられた。

公正取引委員会では、平成13年3月に、環境保全に配慮していることを示す広告表示についての実態調査を行い、環境保全型商品の広告表示について、(1)表示の示す範囲が明確であること、(2)原材料の使用割合を明確に表示すること、(3)実証データによる裏付けが必要であること、(4)環境にやさしいなどの抽象的な表現は単独ではつかわないこと、(5)環境マーク表示は認定理由が明確にわかるような表示であること−−などの留意事項の整理を行っていた。今回のインターネット一斉調査は、3月調査のフォローアップの意味があり、これらの留意事項に基づき実施された。【公正取引委員会】



  • モロッコのマラケシュでCOP7開幕
地球温暖化防止のための京都議定書の運用ルールを話し合う気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7)が29日からモロッコのマラケシュで始まる。

COP7では、COP6再開会合で成立したボン合意を前提に、より詳細で具体的な運用ルールを作成する作業を完了させることを目的としてる。ボン合意にある主要な4つの論点のうち、途上国に関する問題についてのこの作業はCOP6再開会合で終了したが、吸収源、京都メカニズム、遵守制度についての作業がまだ残っており、今回のCOP7で終わらる必要がある。

確かな京都議定書の運用ルールができれば、各政府に対し、議定書の批准、発効の道筋がより明確になります。マラケシュは、ギアを一気に高速に切り換え、議定書の実施をより速く進めていく絶好の機会だといえる。【全国地球温暖化防止活動推進センター:より詳細情報はこちらから



  • ディーゼル車排ガス、ダニアレルギー悪化――国環研、動物実験で確認。
国立環境研究所(茨城県つくば市)と大分県立看護科学大学の研究グループは、ディーゼル車の排ガスがダニアレルギーを悪化させることを動物実験で確かめた。ダニアレルギーを起こしやすい体質のネズミは、ダニの破片などと一緒にディーゼル排気粒子(DEP)を吸い込むと、ダニだけを吸った場合と比べて気管支ぜんそくが悪化した。

アレルギーを引き起こすといわれるコナヒョウヒダニのエキス一マイクロ(マイクロは百万分の一)グラムに、ディーゼルエンジンの排気から集めたDEP五十マイクログラムを混ぜ、ぜんそく持ちのネズミの気道に二週間間隔で四回にわたって注入。ダニエキスだけを注入したぜんそくネズミと比較した。

その結果、アレルギー反応の指標となる血中の物質IgG1が、DEPを吸い込んだ場合はダニエキスだけのときよりも約十倍多くなることを確認した。また気道の表面の細胞の粘液の分泌も増えていた。大分看科大の市瀬孝道教授は「DEPが、ダニによるアレルギー反応を強めていると考えられる」と話している。研究グループはDEPがダニが引き起こすアトピー性皮膚炎にも影響を及ぼしているとみて今後は皮膚炎との関係も調べる。

ディーゼル車の排ガスは花粉症を悪化させるともいわれている。環境省は今年三月、自動車窒素酸化物法(自動車NOx法)を改正し、来年度からはディーゼル車が排出する粒子状物質(PM)を規制対象に加える。【日本経済新聞】



環境3大ニュース(10月21日〜10月27日)

  • 9月の平均オゾン全量、国内は変わらず、南極昭和基地では最少値記録
気象庁では、札幌、つくば、鹿児島、那覇の国内4地点及び南極の昭和基地で、上空のオゾン量の観測や地上に到達する有害紫外線の強度の観測を行っており、その結果を毎月1回発表している。2001年9月の国内4地点の上空における月平均オゾン全量(ある地点の上空にあるオゾンの総量)は、札幌、つくば、鹿児島、那覇の4か所ともで並であった。
ただし昭和基地では、9月の平均値としては観測開始以来最も少ない値である169ミリアトムセンチメートルを記録した。
また、米国航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布の結果では、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果、「北太平洋」及び「南極大陸とその周辺地区」で10%を超えるオゾン総量の減少がみられた。【気象庁】

  • グリーン調達、海外全拠点を対象――シャープ、来年度中に導入
シャープは二〇〇二年度中に海外の全生産拠点を対象に、環境に配慮した資機材を選別して調達する「グリーン調達」制度を導入する。国内の生産拠点では昨年四月から導入しているが、世界規模で環境対応に取り組む姿勢を鮮明にする。
取引先企業の環境保全に対する取り組みと、納入品の環境負荷の度合いについて、シャープが定めるガイドラインに基づいて評価する。取引先に対しては環境管理規格の「ISO14001」の導入実績など二十五項目、納入品については有害物質の使用など十三項目を評価基準とする。
まず同社の海外での最大生産拠点であるマレーシアで十一月初旬までに取引先に対する説明会を実施、取引先と納入品の調査を開始する。欧米、中国でも順次導入する。【日経産業新聞】

  • 鼻炎患者にムシできぬ敵 昆虫も原因、耳鼻科医らが全国調査
くしゃみや鼻水が頻繁に出るアレルギー性鼻炎の原因の一部に、昆虫があることが全国規模の調査で示された。昆虫はこれまで見過ごされてきたが、原因がよくわからず、治療効果の上がらないアレルギー性鼻炎では、原因として疑ってみる必要がありそうだ。近く国内の耳鼻科専門誌で公表される。
調査したのは、奥田稔・日本医大名誉教授らの耳鼻科医でつくる「昆虫アレルギー研究班」だ。昨年夏、全国20施設でアレルギー性鼻炎の患者計560人から血液を採取。よく知られている植物などのほか、昆虫のゴキブリ、ガ、ユスリカを含めた13種類の抗原に対して抗体の有無を調べた。
班員の荻野敏・大阪大学教授によると、抗体があった患者の割合はガ33%、ユスリカ16%、ゴキブリ13%だった。ガはイネ科、ゴキブリやユスリカはブタクサ並みに抗体を持つ患者がいた。
各昆虫のエキスを鼻に入れ、鼻炎の症状が出るかどうかをみる誘発テストも実施。抗体量の多い患者ほど症状がひどく現れる傾向にあった。
荻野さんは「とくに秋から冬に悪化する患者で昆虫が原因の一部である人が多い」と話す。夏から秋に増えた昆虫の死がいから、抗原が飛散するためらしい。【朝日新聞】


環境3大ニュース(10月14日〜10月20日)

  • 2001年のオゾンホール 観測史上3位の大きさに発達
2001年のオゾンホールは過去最大だった2000年よりは小さかったものの、9月後半に過去3位の規模(面積2,647万平方キロメートル、オゾン破壊量8,841万トン)に発達していた−−。気象庁では10月12日に今年のオゾンホールの規模について、このような結果を発表した。

2001年は8月上旬から南極上空でオゾンホールが観測され始め、オゾンホールの発達に必要な「極域成層圏雲」出現の目安となるマイナス78度以下の領域も、7月下旬から8月にかけて南極上空の成層圏で大きく広がっていた。このため同庁では、今年のオゾンホールの面積は過去最大だった昨年に匹敵する規模に発達するとの予想を9月7日付けで発表しており、この予想が的中したことになる。

なお、オゾンホールは10月上旬までに最大規模となり、11月下旬から12月にかけて消滅する。今年のオゾンホールもすでに規模を縮小しはじめており、今後気象状態が例年と変わらなければ、例年同様に消滅すると見られる。【気象庁】


  • 環境ホルモン新たに8物質を選定−−環境省が検討会で決定
環境省はこのほど、第2回内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)問題検討会を開き、2000年度に選定した12物質に加え、今年度新たにリスク評価に着手する8物質を決定した。選定されたのはペンタクロロフェノール、アミノトール、ビスフェノールA、2、4―ジクロロフェノール、4―ニトロトルエン、フタル酸ジペンチン、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジプロピルで、これらの物質は、海外の動物実験などで内分泌器官となる甲状腺や生殖への影響が認められている。(環境新聞社)


  • テロ対策としても脱原発を促進
ドイツ連邦環境大臣トリッティン氏は、ベルリンで開催された第11回原子力法シンポジウムで次のように語った。同氏いわく、テロリズムの危険を考えてみても、脱原発を法的に確保する新しい原子力法を早期に可決し、エネルギー転換を一層進めなければならない。風力発電設備は、テロリストの攻撃目標にならない。分散的エネルギー供給は、集権的エネルギー供給より安全なのである。原子力エネルギーと結びついたリスクは、(脱原発が完成するまでの)限られた期間しか受忍できないものである。以上のように述べた後、トリッティン氏は、ドイツ連邦議会が今年末までに同法を可決することを確信している、と語った。

現在の評価によれば、ドイツにおいては、ドイツの原子力発電所は、テロリストの脅威にさらされていない。しかしながら、テロリストの標的は、飛行機に限られない。そこで、まず、テロリストの攻撃に対する安全確保措置の現状を総括し、危険が高い場合には、より強固な安全確保措置を講ずることが必要である。仮にテロリストによ攻撃がありうると認められた場合には、州の環境大臣、連邦環境大臣は、いくつかのあるいは全ての原子力発電所を停止させるべきか否か決定しなければならない。これに必要な法的根拠はすでに存する。

第11回原子力法シンポジウムは、脱原発までの残余期間の原子力発電の安全性、輸送、放射性廃棄物の処分、脱原発への法的基礎付け、エネルギー政策を主題として、2日間にわたって開催された。【ドイツ連邦環境省】


 環境3大ニュース(10月7日〜10月13日)

  • 環境省 全国の重要湿地500ヵ所、典型的な生態系示す396地域、特徴のある生態系1,195地域のリストを公表
今回選定された重要湿地は湿原、河川、湖沼、干潟、藻場、マングローブ林、サンゴ礁などのうち生物の生息地として規模の大きな湿地や希少種が生息している湿地。ラムサール条約の「国際的に重要な湿地を指定するための基準」を参考にした選定基準をもとに、数百人専門家からのヒアリングや都道府県への意見を参考にしてリストをとりまとめた。

湿地に