過去の環境三大ニュース2
2001年12月25日〜2002年7月17日

2002年7月17日号(7月10日〜7月16日)
自動車リサイクル法成立

 五日午前の参院本会議で、自動車リサイクル法案が賛成多数で可決、成立した。自動車の所有者からリサイクル料を徴収する一方、メーカーと輸入業者には廃車の再資源化を義務づける。リサイクル料はメーカーが独自に決めるが、一台二万円程度となるとみられる。施行日は正式には決まっていないが、二〇〇四年度中となる見通しだ。【日本経済新聞社】



東京ドーム3杯分の節約  原油、冷房1度上げで

 夏場に冷房の設定温度を一度上げて使うと、東京ドーム約二・九杯分に当たる約三十六万トンの原油を節約できます―財団法人の省エネルギーセンター(東京)が十日、こんな試算を発表した。家庭で最も電力を使うエアコンで省エネ行動を促したい考えだ。
 同センターの実験によると、冷房時にエアコンの設定温度を一度上げるごとに、一時間当たり約三十六ワットの電力を節約できる。全国の家庭で夏場に一日九時間冷房を使った場合、総計で三十六万トンの原油を節約できる効果があるという。
 また節約効果を、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量に換算すると五十三万五千トンになり、二酸化炭素を吸収するユーカリの木約二億本に相当する。
 同センターは「断熱効果のあるカーテンを使ったり、こまめに消したりすることでも相当な省エネになる」と呼び掛けている。【共同通信社】



ディーゼル排気粒子の閾値は10〜20μg――国環研が動物実験で算出

 国立環境研究所はこのほど、大気中の微小粒子状物質(PM2.5)のうち、ぜんそくの原因物質に疑われているディーゼル排気粒子(DEP)の毒性・影響評価に関する実験研究成果をまとめました。それによると、DEPが慢性閉塞性肺疾患に関するアレルギー性ぜんそく様の病態を増悪させることは知られているが、その閾値が10〜20μg/立方m(ベンチマーク法で算出)で、花粉症などそのほかのアレルギー関連疾患を増悪させる閾値とほぼ同じ値であることなどが明らかになったとしています。【環境新聞社】



変圧器約8,400台にPCB混入の可能性 日本電機工業会が報告 

 (社)日本電機工業会は平成14年7月9日、東芝、三菱電機、富士電機、明電舎、北陸電機製造、指月電機製作所の6社が製造した変圧器、コンデンサ、リアクトル中の絶縁油(PCBを絶縁油として使用していないもの)から微量のPCBが検出された事例がみつかり、またこれ以外に、富士電機、高岳製作所、愛知電機、北陸電機製造、中国電機製造、東北電機製造の6社が製造した変圧器の一部で、微量PCBの混入可能性を否定できないとの報告を経済産業省に行った。PCB微量混入の可能性が否定できない変圧器の台数は約8,400台とみられる。
 経済産業省は(社)日本電機工業会と報告中に名前があがった10社に対して、ただちにPCB含有の有無の判別を行うためのサンプル調査の実施や関連ユーザーに対する情報提供を指示。あわせて7月9日中に環境省にこの件の情報提供を行った。
 なお環境省もPCB特別措置法第15条に基づき、10社に対して、(1)調査結果や混入の有無の判別、機器の取り扱い方法などの情報を変圧器ユーザーに的確に提供すること、(2)PCB検出事例の原因究明やPCB検出の可能性がある機器の特定調査を実施することを協力要請するとの方針を固めるとともに、都道府県・政令市に対しても情報提供を行い、変圧器が廃棄物として排出された場合の取扱いについて産業廃棄物処理業者などに周知、指導するよう要請することにした。【環境省】



2002年7月10日号(6月25日〜7月9日)
原発の引退ラッシュ、どう備える

 原発が廃炉になり始めた。茨城県東海村にある国内最古の商業原発で解体作業が始まり、福井県・敦賀半島の2基も止まる。原発は70年代以降、建設ラッシュを迎え、全国で53基が運転している。延命措置も取られるが、いずれ寿命が尽きる。大量の廃棄物をどう処分するか、その方法も場所も決まっていない。【朝日新聞社】



学校・ホテル・百貨店新築、化学物質の測定義務化――厚労省方針、シックハウス対策

 新築の建物で発生するシックハウス症候群が社会問題となる中、厚生労働省は、学校やホテル、百貨店の新築時や大規模な改修時に、原因の一つとされる化学物質ホルムアルデヒドの測定を義務付ける方針を決めた。違反すれば都道府県などが改善命令を出し、従わなければ建物の使用を中止させる「罰則」も適用する。
 厚労省によると、新築されたばかりの学校で生徒が健康被害を訴えるケースが相次いでいるのを受け、建物の新築や大規模な改修の際、使用前に室内空気中のホルムアルデヒド濃度を測定させ、国の指針値(一立方メートル中〇・〇八PPM)を上回るような場合、改善策を取らせる。
 トルエンなどシックハウス症候群との関連が指摘される化学物質はほかにもあるが、建材や家具に最も広く使われていることから今回はホルムアルデヒドだけに絞った。
 測定の対象となるのは、ビル衛生管理法で「特定建築物」になっている面積が一定以上の学校や百貨店、ホテルのほか映画館、会社事務所など。二〇〇〇年度末時点で全国の約三万四千施設。【日本経済新聞】



止まらない産廃不法投棄、自社処分にも証明書、千葉県、10月に条例施行

 政府はリサイクル関連の法制度を次々に整備、資源循環型の社会構築に大きく踏み出した。産業廃棄物の処分場は不足し、山間部や原野などへの不法投棄はいっこうに止まる気配を見せない。住民生活の安全を守ろうと、自治体による独自規制の動きが広がってきた。
 産業廃棄物の不法投棄が全国最多の千葉県。県が確認しただけで投棄場所は八百カ所以上にわたり、捨てられたごみは二〇〇〇年度で約十二万トンに上った。現場では火災が発生することも多く、夜間などにパトロールする住民もいる。
 「千葉をごみ捨て場にしてはならない」(堂本暁子知事)。業を煮やした同県は十月一日に一時保管名目による産業廃棄物の堆積(たいせき)などを規制する全国初の独自条例を施行する。
一時保管も許可制
 自社で廃棄物を処理するための小型焼却炉や破砕施設、自社保有地での一時的な保管をすべて許可制にするのがポイントだ。法律で縛れず、不法投棄の温床となりがちだった自社処分に初めて規制の網をかける。
 自社で処理する産廃にも排出元、処理場所が分かる証明書を備え付けるよう義務づけ、処分場への夜間早朝の搬入を禁止する。収集運搬業者の車には許可内容を書いたステッカーを表示させる。施設にも排水や騒音、振動など様々な基準を設ける。
 県は七月上旬にも施行規則をまとめ、事業所への指導、普及啓発を開始する。条件に合わない事業者には条例施行後一年以内に設備を改修するように求める。【日本経済新聞】



中国産セロリから残留基準値を超えるクロルピリホス検出

 厚生労働省は平成14年7月5日、検疫所でのモニタリング検査の結果、中国産セロリから、残留基準値を超えるクロルピリホスが2度にわたって検出されたと発表した。
 クロルピリホスの基準値は0.05ppmであるが、5月10日に発見された超過事例では0.06ppm、7月5日に発見された事例では0.09ppmが検出されていた。
 なお残留農薬が検出された食品は、基準に合わない食品・添加物の販売禁止などを規定した食品衛生法第7条違反により、全量を廃棄または積み戻しするよう指示がなされた。
 中国産セロリについては、平成13年1月〜平成14年7月の間で、生鮮・冷蔵・冷凍食品580,320kgと、加熱後に冷凍食品にしたもの75,245kgが輸入されている。【厚生労働省】



タイ産生鮮リーチライムリーフから残留基準値を超えるパラチオンメチル検出

 厚生労働省は平成14年6月26日、検疫所でのモニタリング検査の結果、タイ産の生鮮リーチライムリーフから、残留基準値を超えるパラチオンメチルが2度にわたって検出されたと発表した。
 検出値は5月28日に発見された超過事例が5.4ppm、6月24日に発見された事例では7.6ppm。パラチオンメチルの基準値は1.0ppmであり大幅な超過。
 生鮮リーチライムリーフは和名をこぶみかんといい、トムヤムクンやタイ風カレーなどタイ料理に頻繁に使用される食材。
なお検疫所は今回の輸入者に対して、貨物の収穫地、生産者、農薬の使用状況を調査するよう指導を行った。【厚生労働省】



国立環境研、生態系保護、「危険侵入種」のリスト、外来100種を選定

 国立環境研究所は海外から国内に入り込み生態系を乱す恐れのある侵入生物のリスト作りに着手する。移入種が在来種と交雑したり、生存を脅かす事例が増えていることから、生態や駆除法をあらかじめ調べ、侵入に備える体制を整える。
 すでに海外で分布域を広げ各地で生態系に悪影響を与えている動植物で、日本に侵入し定着する可能性のある約百種を選び「危険侵入種」として分類する。それぞれの原産地や習性、繁殖能力、移動能力、駆除方法などを記載したデータベースを作る。
 リストに挙げた生物が侵入した場合、データを活用して駆除や隔離などの対策を迅速にとれるようにする。各生物の危険度はランク付けし、措置の優先順位を決める場合の参考とする。
 アメリカザリガニやハルジオンなど過去に侵入し、国内で定着した動植物は多い。近年はペットや産業用生物の輸入が増えて年間約八億匹の生物が輸入されている。帰化種も急増している。 【日本経済新聞】



止まらない産廃不法投棄、自社処分にも証明書、千葉県、10月に条例施行

 政府はリサイクル関連の法制度を次々に整備、資源循環型の社会構築に大きく踏み出した。産業廃棄物の処分場は不足し、山間部や原野などへの不法投棄はいっこうに止まる気配を見せない。住民生活の安全を守ろうと、自治体による独自規制の動きが広がってきた。
 産業廃棄物の不法投棄が全国最多の千葉県。県が確認しただけで投棄場所は八百カ所以上にわたり、捨てられたごみは二〇〇〇年度で約十二万トンに上った。現場では火災が発生することも多く、夜間などにパトロールする住民もいる。
 「千葉をごみ捨て場にしてはならない」(堂本暁子知事)。業を煮やした同県は十月一日に一時保管名目による産業廃棄物の堆積(たいせき)などを規制する全国初の独自条例を施行する。
一時保管も許可制
 自社で廃棄物を処理するための小型焼却炉や破砕施設、自社保有地での一時的な保管をすべて許可制にするのがポイントだ。法律で縛れず、不法投棄の温床となりがちだった自社処分に初めて規制の網をかける。
 自社で処理する産廃にも排出元、処理場所が分かる証明書を備え付けるよう義務づけ、処分場への夜間早朝の搬入を禁止する。収集運搬業者の車には許可内容を書いたステッカーを表示させる。施設にも排水や騒音、振動など様々な基準を設ける。
 県は七月上旬にも施行規則をまとめ、事業所への指導、普及啓発を開始する。条件に合わない事業者には条例施行後一年以内に設備を改修するように求める。【日本経済新聞】



トヨタ、燃料電池車発売前倒し――技術の標準化、日本主導狙う

 トヨタ自動車が燃料電池車の発売を今年末に前倒しすることを決めた。他社に先駆けて「商用化一番乗り」を目指すのは単に環境技術の優位性をアピールするためだけではない。市販することで政府や自治体を巻き込んで水素供給拠点などのインフラ整備を促し、日本主導で技術の世界標準化を進める狙いがある。
 「よく前倒ししてくれた。政府もしっかり対応する」。トヨタが燃料電池車の発売前倒しを発表した七月一日。首相官邸を別件で訪問した豊田章一郎トヨタ名誉会長は小泉純一郎首相から激励された。 【日本経済新聞】



環境省、温暖化ガス排出権取引、2004年まで模擬試行

 環境省は一日、二酸化炭素など温暖化ガス国内排出量取引の試行案をまとめた。取引に参加する企業が自主的に排出枠を設定し、枠を超えて削減した排出量を、目標未達企業と取引する。まず任意参加の取引を実施し、二〇〇八年以降に本格化する国際的な排出量取引に備える必要があるとしている。
 試行案によると、実施期間は二〇〇四年まで。企業や業界団体、排出量取引を仲介する業者などの参加を見込んでいる。事前に参加企業などを募り、参加者間で排出量を相対取引する。試行取引のため、実際の金銭のやり取りはせず、シミュレーションにとどめる。【日経産業新聞】



電源開発と豊田通商、都内で風力発電

 電源開発と豊田通商は二十七日、東京都江東区の「中央防波堤内側埋立地」で風力発電事業を始めると発表した。折半出資で新会社を設立。三億三千万円をかけ、出力千七百キロワットの設備を建設する。都内での風力発電事業は八丈島をのぞけば初めてになる。
 新会社は「ジェイウインド東京」。本社は東京都中央区に置き、資本金は千万円。今年秋から設備を建設し、今年度末から運転を始める。発電する電力は運転開始後二十年間、全量を東京電力へ販売する。
 年間発電電力量は約二百五十万キロワット時で、一般家庭八百世帯分の年間消費量に相当する。 【日本経済新聞】



東京電力、風力発電に本格参入――トーメン子会社に出資

 東京電力は二酸化炭素(CO2)排出規制の強化に備え、風力発電事業に本格参入する。トーメン全額出資子会社で風力発電大手のトーメンパワーホールディングス(TPH、東京・千代田、近藤芳正社長)に八月をメドに資本参加。出資比率は五〇%で、投資額は百億円程度とみられる。
 東電とトーメンは二十六日、トーメンが持つTPHの発行済み株式を東電に売却するとともに、TPHが実施する第三者割当増資を東電が引き受けることで合意した。同日午後に発表する。
 東電が本格的な風力発電を手掛けるのは初めて。市場拡大が見込まれるほか、送電線建設技術などを風力発電事業に生かせると判断した。現在は東京都八丈島で出力五百キロワットの小型風力発電所を持つにとどまる。
 風力による国内総発電出力は現在約三十万キロワットで、全体の発電設備能力の約〇・一%にすぎないが、二〇一〇年度には三百万キロワットに拡大する見通しだ。
 トーメングループが持つ風力発電所の総出力は世界全体で約六十五万キロワット。世界シェアは五%程度とみられる。【日本経済新聞】



水底ダイオキシン、環境基準値を設定――中環審報告書、来月にも告示

 環境相の諮問機関である中央環境審議会は二十四日、川底や湖底、海底の泥や砂に含まれるダイオキシンの濃度の環境基準値を、泥など一グラム当たり一五〇ピコ(ピコは一兆分の一)グラム以下とする報告書をまとめ、大木浩環境相に答申した。ダイオキシン類特別措置法に基づいて環境省が七月にも告示、管理者などに義務づける。
 水中のダイオキシン濃度の基準値はすでに一リットル当たり一ピコグラム以下に決められている。今回の基準値は、水底のダイオキシンが巻き上げられて水中に溶け出してもこの値を超えないよう設定した。水底のダイオキシン濃度が基準値を超えた場合は、汚染区域をしゅんせつするなどの対策を汚染者や国、自治体などの管理者に求める。
 同省が二〇〇〇年度に全国の河川などで実施したダイオキシン調査では、底質のダイオキシン濃度の平均値は一グラム当たり九・六ピコグラムだった。一五〇ピコグラムを超えたのは富山県の富岩運河や大阪市の神崎川など十三地点で、これらの地点では除去対策の対象になる可能性が高い。
 水底と水質以外の基準としては、大気は一立方メートル当たり〇・六ピコグラム以下、土壌は一グラム当たり一〇〇〇ピコグラム以下となっている。 【日本経済新聞】



カネミ油症患者、残留毒物なお高濃度――事件から34年、血中に一般の15倍

 昨年、福岡県で実施されたカネミ油症患者の「定期検診」の結果、油症の主因とされるダイオキシン類の一種「ポリ塩化ジベンゾフラン」(PCDF)の血中濃度が一般に比べ約十五倍と高く、事件から三十四年たった現在でも高濃度の毒性物質が患者に残留していることが分かった。福岡市で開かれた厚生労働省の「全国油症治療研究班」で報告された。
 今年から全国規模でPCDF濃度を測定するのに先駆け、昨年九、十月に同県で希望患者八十一人に対して実施。患者の平均は血液中の脂肪一グラム当たり二百三十五ピコグラム(ピコは一兆分の一)で、最も高い人で千七百七十一ピコグラムもあった。
 同県の一般の人の同濃度は平均で約十五ピコグラム。
 結果について研究班の増田義人第一薬科大名誉教授は「いまだに(多く)残っていることは大変なこと」と述べ、班長の古江増隆九大教授は「患者の四〇%近くは健康な人と同じレベルまで濃度が下がっているのも事実」とした。【日本経済新聞】



廃車に「フロン券」必要 回収、3千円負担 10月から政府方針

 政府は、自動車を廃車にする際、ユーザーがメーカー発行の「フロン券」(仮称)を購入し、代金をカーエアコンに含まれるフロン、代替フロンのフロン類の回収、破壊費用にあてる仕組みを作ることを決めた。21日の閣議で正式に決定し、10月1日から実施する。フロン回収破壊法に基づく措置で、券の代金は3千円程度になる見込みだ。

 仕組みでは、ユーザーが郵便局やコンビニなどでフロン券を購入、廃車にする自動車とともに引き取り業者に引き渡す。フロン券は引き取り業者、回収業者、フロン類を破壊する業者へと渡り、メーカーに戻る。メーカーは業者の請求に基づき、回収費用やフロン破壊費用を振り込む。

 フロン回収破壊法は、冷蔵庫やエアコンに使われるフロン類が大気中に放出され、オゾン層の破壊や地球温暖化を招くことを防ぐ目的で、01年に成立した。メーカーや輸入業者にフロン類の回収、破壊費用の負担を義務づける「拡大生産者責任」を明確にしている。

 ただし、ユーザーに費用の請求ができるとしており、環境省の諮問を受けた中央環境審議会と、経済産業省の諮問を受けた産業構造審議会が合同でカーエアコンのフロン類に関する負担のあり方を検討。ユーザーがフロン券を購入し、費用を負担する仕組みを作ることを決めた。

国内で保有されている自動車は約7500万台。このうち、95年末で先進国での生産が禁止されたフロンのCFC(クロロフルオロカーボン)をカーエアコンに使用しているのは約2千万台とみられる。00年度のCFC回収率はカーエアコンで13%。家庭用冷蔵庫の27%、業務用冷凍空調機器の57%に比べ低い。【朝日新聞社】



2002年6月24日号(6月20日〜6月24日)
2002年5月のオゾン層観測速報 昭和基地で観測史上2番目に多いオゾン全量を記録

 気象庁では、札幌、つくば、鹿児島、那覇の国内4地点及び南極の昭和基地で、上空のオゾン量の観測や地上に到達する有害紫外線の強度の観測を行っており、その結果を毎月1回発表している。
 2002年5月の国内4地点の上空における月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は、つくば、鹿児島、那覇で並、札幌で少なかった。なお5月の平均値としては、昭和基地で観測開始以来2番目に多い307ミリアトムセンチメートルを記録した。
 また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、インド洋南部からアフリカ南方沖にかけて、参照値より10%以上オゾン総量の増加がみられた。【気象庁】



止まらない産廃不法投棄、自治体、独自規制を強化、青森・岩手県境。

処理費用頭悩ませる
 青森県田子町と岩手県二戸市にまたがる二十七ヘクタールの原野に異様な風景が広がっている。
 燃え殻や汚泥、廃油などが連なる生々しい不法投棄現場だ。有機塩素化合物で汚染され、高濃度のダイオキシンも検出された。
 捨てられた廃棄物は約八十二万立方メートルと、東京ドームの三分の二を埋め尽くす計算になる途方もない量だ。社
会的な事件になった香川県・豊島の産廃問題(約四十六万立方メートル)を上回る国内最大規模である。
 事件を起こしたのは産廃処理業者の三栄化学工業(青森県八戸市、二〇〇一年解散)と縣南衛生(埼玉県戸田市、二〇〇〇年破産)。三栄化学工業は一九九六年にも不法投棄事件を起こして行政処分を受けた「要注意業者」だったが、その後も夜間に廃棄したり、運搬ルートを変えるなどして巧妙に行政の監視の網をくぐり抜けてきた。
 九九年に青森・岩手両県警が強制捜査に踏み切り、両県は業者に全量撤去と原状回復を求める措置命令を出したが、時すでに遅し。仮差し押さえした三栄化学工業の財産は換金が難しい不動産を除いてほぼ底をつき、事件の当事者自らが撤去することは難しい。
2県の対応にずれ

 県境をまたがるだけに両県の対応にもずれがある。
 青森県は周辺に遮水壁を敷設し、汚染水を水処理施設で浄化する方針だ。そのうえで有害廃棄物の除去方策を検討する。すでに地盤の透水性調査を実施しており、七月をめどに基本計画を策定する予定だ。
 「囲い込み」を打ち出した青森に対して、岩手は「早期撤去」する方針。来年度から二年間かけて有害物質を含む廃棄物を撤去し、「木材など土壌に還元しても環境に悪影響を与えないものは現地で処理する」(県環境生活部)考えだ。
 青森が「囲い込み」を選択したのは全量撤去は時間がかかり、作業に伴う汚染拡散も懸念されるため。しかし、地元からは「量が多いからと撤去しないのはおかしい」と批判が続出、青森県の木村守男知事も「青森の考えだけに固執する必要はない」と柔軟な姿勢に転じた。
県費投入不可避に
 両県にとって頭が痛いのが処理費用の問題。香川・豊島の事例から概算すると「四百億円はかかる」ともいわれ、県の公費投入が避けられない。
 岩手県は昨年末以来、埼玉県の縣南衛生から入手した段ボール二十箱以上にのぼる資料の分析に追われている。同社が不法投棄した産廃のマニフェスト(管理票)から、首都圏中心とみられる排出業者を特定しようというのだ。「排出者の責任は徹底的に問いたい」(岩手県の増田寛也知事)と、確認できた事業者に対しては早ければ夏にも応分の負担を求める。
 国には公費を使う自治体に対して、費用の三分の一を補助する制度がある。環境省はこの制度を使って支援するが、「まずは排出業者に負担を求めるのが筋」(廃棄物・リサイクル対策部)と両県と足並みをそろえる。だが、違法性のある排出企業を絞り込むことは実際には容易ではない。
 青森県田子町で六月十五日に両県が開いた合同検討会。ある委員から「東京都や埼玉県にもお金を出させるべきだ」という意見が出ると、傍聴していた住民から大きな拍手がわいた。岩手県はすでに、国に排出元の都道府県も拠出する基金創設を要
望している。 【日本経済新聞



2002年6月20日号(6月1日〜6月19日)
生分解性樹脂、パソコン採用、富士通が拡大

 富士通は五日、ノート型パソコンへの生分解性プラスチックの採用を拡大すると発表した。〇・二グラムの部品一点を同プラスチックに切り替えた一機種を四月に発売済みで、二〇〇四年度に本体重量の一割に相当する二百グラム程度を同プラスチックに切り替える。生分解性プラスチックは地中に埋めても微生物が水と炭酸ガスに分解するため、環境負荷が小さい。組成を調整して本体部分に使えるようにした。 【共同通信, 日本経済新聞】



ノンフロン冷蔵庫、シャープ・日立が投入

 シャープと日立製作所グループがノンフロン仕様の冷蔵庫を相次ぎ投入する。冷却用冷媒に代替フロンを使わず、地球温暖化に与える影響が小さい。環境意識の高まりに対応して販促をかける。
 シャープは七月十五日に「どっちもドア SJ―NF35G」=写真=を発売。日立ホーム&ライフソリューション(日立H&L、東京・港、瀬端久仁雄社長)は五月末に「ソルフェージュ R―S31HRV」を売り出した。
 両製品とも自然冷媒のイソブタンを採用し、断熱材用発泡剤にシクロペンタンを使った。地球温暖化に与える影響は代替フロンの四百分の一という。
 「SJ―NF35G」は三百四十五リットルで、希望小売価格は十五万円。「R―S31HRV」は三百五リットルで同十六万五千円。シャープは三洋電機と、日立グループは松下グループと白物家電での環境対応技術で業務提携しており、両社ともそれぞれの技術協力に基づいて開発した。【毎日新聞,日経流通新聞】



農家保管のPOPs農薬全国で60t――環境省が最終報告

 環境省はこのほど、昨年度実施した農家保管の農薬調査の最終報告をまとめ、最大で全国農家の2%の農家にPOPs(残留性有機汚染物質)農薬が眠っている可能性があることを示唆しました。これは、約6万軒の農家(農林水産省2000年度農業センサス総農家戸数ベース)に該当する割合で、1戸当たり平均のPOPs農薬保有量が約1kgであったことから、全国農家に60tにも上るPOPs農薬が潜在的に眠っている可能性が出てきました。 【環境新聞社】



プルサーマル、完全凍結も=福島県知事が示唆

福島第一原発・柏崎刈羽原発、地元慎重、国やきもき
 原子力発電所でプルトニウムを燃やすプルサーマル計画が手詰まり状態に陥っている。国や電力業界は年内に始めたい意向だが、実施を予定している東京電力柏崎刈羽原発の地元、新潟県刈羽村の昨年五月の住民投票で「ノー」を突きつけられた後、これといった打開策を示せず、地元判断に任せるしかない状況。年内実施の判断期限は一カ月後に迫っている。
 「知事にプルサーマルの意義を十分理解してもらっていないのではないか」。四日開かれた国の原子力委員会でこんな発言が相次いだ。
 福島県の佐藤栄佐久知事が前日、地元で「(プルサーマル計画そのものの)凍結も含めて検討する必要がある」と、初めて計画凍結に言及。慌てた原子力委は急きょこの問題を取り上げたが、具体的な対応策となると、議場は重苦しい雰囲気に包まれた。
 プルサーマル実施予定の東電・福島第一原発3号機(福島県大熊町・双葉町)と柏崎刈羽原発3号機はそれぞれ七、八月に定期検査に入る。プルトニウムを混ぜた燃料を炉に収められるのは運転休止中だけ。年内実施に踏み切るなら、検査前の来月上旬がぎりぎりの判断期限だ。
 佐藤知事はこれまでも再三、「(プルサーマルをめぐる議論を)国民にオープンにせず、ブラックボックスの中で進めるのは問題」と不信感を表明。昨年二月、東電が前触れもなく福島県内の火力発電所の建設凍結を発表後、東電と県の関係はこじれたままだ。
 新潟県の平山征夫知事も慎重姿勢を崩さない。五月中旬の会見で「昨年の住民投票と比べ、住民の意向が変わったという証拠や意見は聞いていない」と投票結果の重みを改めて強調した。
 だが、地元が反対一色というわけでもない。福島第一原発がある双葉町の岩本忠夫町長は「原発なしでどうやって地域の暮らしを成り立たせるのか」と訴える。同原発では7・8号機増設計画も知事同意が得られず宙に浮いたまま。「地域(経済)は極めて厳しい。プルサーマルや原発増設は起死回生につながる」と期待も強い。
 刈羽村でも東電が一億円を投じて交流施設に着工したことなどが奏功、村内のムードが変わってきたという見方もある。平山知事は「住民の意向を把握し、意見を言う立場にあるのは村長」と、地元の意向を尊重する姿勢を示唆している。
 刈羽村の住民投票後、電力業界や経済産業省の幹部は立地自治体をこまめに行脚、プルサーマルの重要性を訴えてきた。「プルサーマルが進まないと核兵器の材料になるプルトニウムが余り、海外から批判を浴びる」という従来の論理に加え、昨年九月の同時多発テロ後は「核テロリズムの抑止にも重要」と国際的な視点も前面に掲げた。
 ただ、国策上の重要性を声高に訴えても地元住民の心には響かない。原子力振興で落ちるカネは地元に亀裂を生み、地域振興の効果をめぐっても議論が分かれる。
 手詰まり状態をどう打開するのか。専門家からは「政府がプルサーマル用燃料を電力会社からいったん買い取り、国の責務として管理・削減を進める案も検討すべきだ」(電力中央研究所の鈴木達治郎上席研究員)といった指摘も出ている。
 ▼プルサーマル 原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて通常の原発で燃やすこと。国と電力業界は二〇一〇年までに十六―十八基の原発での実施を表明している。プルサーマル推進を前提に、青森県六ケ所村に再処理工場を建設中で、〇五年夏の完成後には再処理したプルトニウムが発生する。
【表】プルサーマル計画をめぐる経緯  
1997年2月  ○政府、プルサーマル計画推進を閣議了解
  ○政府が新潟、福井、福島の3県に協力を要請
 99年2月  ○東京電力が新潟県、柏崎市、刈羽村に計画の事前了解願を提出
   9月  ○関西電力高浜原発のプルサーマル燃料で検査データねつ造が発覚
2001年2月  ○佐藤栄佐久福島県知事が計画受け入れを当面拒否と表明
   5月  ○新潟県刈羽村の住民投票で反対票が過半数を占める
【時事通信,日本経済新聞】



2040年「水素社会」到来か
アイスランドの挑戦


 火山と氷河の国アイスランドで、エネルギー転換の世界初の実験が始まっている。

 極北の海に浮かぶ島国で人口28万人。北米プレートとユーラシアプレートの裂け目の上にあり、約30の火山が点在し、地熱が高温蒸気の形で噴き出している。氷河から落ちる豊富な水もある。

 「数十年かけて世界初の水素エネルギー社会をつくる。豊富な自然エネルギーがあればこそ可能な計画だ」と、アイスランド新エネルギー社のスクラソン社長は話す。

 同社は99年、この計画のために設立された。政府も出資するエコエネルギー社のほか、シェル、ダイムラークライスラーなども参加する。

 水素が酸化して水になるときに電気と熱が生じる。この反応を利用するのが燃料電池。来年初め、水素ガスタンクと燃料電池を積んだバス3台を首都レイキャビクで運行させる。台数を次第に増やし、06年までに燃料電池搭載の乗用車と漁船も導入。水素を製造し、その場で供給するスタンドの設置を進め、40〜50年にはすべての車と漁船の燃料を水素にする。

 これによって、アイスランドの二酸化炭素排出量は今より70〜80%減る見通しだ。政府がこの計画に踏み切ったきっかけは、温室効果ガス削減の目標値を決めた京都議定書。すでにエネルギーの六十数%を自然エネルギーでまかなう同国には、社会を変えるしか削減の方法はない。

 計画を支える自然エネルギーは水力と地熱。この二つで今も発電の99%を賄う。それでも潜在エネルギーの6分の1しか利用していない。水を電気分解して水素をつくるときの電気はこれで十分だ。小さな社会なので水素の製造・利用の基盤整備はしやすい。

 スクラソン社長は「世界は確実に水素社会に向かう。問題はその速さだ。技術とコストの両面でさまざまな壁があるが、数年内に燃料電池の技術革新が起き、後押しするだろう」という。

 目標は国内の水素化にとどまらない。

 「運搬技術が進めば、我が国は水素の輸出国になる」と産業省幹部のビヤルナソンさん。

 ○日本でも実用化へ加速、20年に原発10基分目標

 東京ガスは、さいたま市と横浜市の住宅で、数社と共同開発の燃料電池の使い勝手を調べている。大きさはエアコンの室外機くらい。燃料となる水素は都市ガス(天然ガス)から取り出す。電気と熱湯の両方を供給する方式で、不足分は電力会社の電気を使う。

 荏原バラード社は、今年度中にも家庭用燃料電池の実用モデルを発表する。同社は「今の給湯器は約35万円。少し高い程度なら売れる」とみる。

 燃料電池が現実味を帯びてきたのは、固体高分子形燃料電池が登場したからだ。イオン交換膜に薄型の固体高分子を使い、ここ数年で一気に小型化が進んだ。トヨタ、ホンダなどは燃料電池車の03年度発売をめざす。

 政府は昨年、水素利用を21世紀のキーテクノロジーと位置づけた。20年に、燃料電池車約500万台の導入と、原発10基分にあたる約1千万キロワットの発電が目標だ。

 ○貯蔵法の開発がカギに

 水素時代に向かうには、水素を安全に貯蔵・運搬する方法を開発しなければならない。

 北海道大の市川勝教授らのグループは、有機化合物に水素を「貯蔵」する方法を考えている。

 触媒を使って天然ガスからベンゼンやナフタレンなどの有機化合物と水素をつくる。ベンゼンなどを高温で化学反応させると、水素を取り込んだ別の有機化合物になる。逆の反応をさせると水素が外に出る。

 いずれも液体なので、水素の輸送、貯蔵容器からの出し入れがしやすい。市川教授は「コスト面も含め、工業化できるかどうかを試している段階だ」と話す。

 水素の貯蔵法はこのほか、高圧タンクに圧縮して入れる、液体にして低温タンクに入れる、水素吸蔵合金に閉じ込めるなどが考えられる。現在、実用段階に最も近いのは高圧タンクと吸蔵合金だが、ほかの方法も含め一長一短がある。

 水素5キロで500キロ走行可能な燃料電池車を考えた場合、280気圧の高圧タンクでも200リットルの容積が必要。700気圧のタンクもあるが安全性に問題が残る。液体水素は常圧でマイナス200度以下に冷やす必要があり、扱いにくい。

 吸蔵合金は水素の安定性が高く、出し入れも比較的簡単だが、重さが数百キロにもなる。有機化合物は重量あたり多くの水素が入るが、安全性を研究する必要がある。

 一方、燃料電池は、天然ガスなどを入れて装置内で水素をつくるのか、水素を直接入れるのかで仕組みが変わる。自動車メーカーは両にらみ状態だ。

 国際水素エネルギー学会設立時の呼びかけ人でもある元横浜国立大学長の太田時男さんは「化石燃料はいつか枯渇する。燃料電池への取り組みはまだまだ不十分。国を挙げて研究開発に力を注ぐべきだ」と話す。【朝日新聞】



2002年6月1日号(4月18日〜5月31日)
エネルギー

屋久島から水素立国に挑む、衝撃は世界に

 世界遺産に指定された水と緑の地、鹿児島県屋久島。樹齢数千年の屋久杉が茂る森で、世界の産業構造を揺さぶる構想が静かに進んでいる。
 けん引役は太平洋セメント関連会社の屋久島電工(東京・千代田)専務、石井裕(57)。島内にある水力発電所を核に、「屋久島をクリーンな水素エネルギーの供給基地にする」というのだ。
 島の山岳部の年間降水量は八〇〇〇ミリ。豊富な水と標高差二千メートルの急峻(しゅん)な地形を生かし、沢のいたる所に小さな水力発電装置を置く。このエネルギーで水を電気分解し、水素を作る。島の自動車や船舶の燃料を水素に置き換え自らがまず石油などの化石燃料と決別。将来は大量生産して、販売する。
 こんな構想に賛同する上屋久町は、自然休養林の白谷雲水峡に最初の小型水力発電装置を設置、実験も始まる。「いずれは屋久島産の水素を海外に輸出したい」。石井は夢を膨らませる。

 二十世紀の産業や社会を支えた化石燃料は枯渇懸念があり、いつまでも依存できない。世界的な人口爆発でエネルギー消費は膨らみ、地球温暖化の難題も抱える。だが、危機はビジネスの好機にもなる。ほぼ無限にあり、環境への負荷も少ない水素エネルギーに着目した動きはアイスランドなどでも始動。覇権を賭けて各国が動き出した。
 「世界初」はホンダかトヨタ自動車か。次世代自動車の本命、圧縮水素ボンベ搭載の燃料電池車の実用化をめぐり、日本の二社が水面下で激しいつばぜり合いを演じている。ホンダは米国で、トヨタは日本でいずれも二〇〇三年内の実用化を目指すが、少しでも早く販売を始めて先行イメージを得たいと懸命だ。
 水素と酸素の化学反応で発電し、水しか排出しない燃料電池車。「百年続いた自動車のイメージを根底から変える」とホンダの研究開発統括専務、福井威夫(57)が言えば、トヨタ社長の張富士夫(65)も「普及を優先した戦略を採る」と秘策を明かす。一台のコストは数億円ともいわれるが、張によるとトヨタは五百万円前後で発売する。「これなら市町村にも公用車として買ってもらえるだろう」
 実は石井の屋久島電工にはドイツの自動車メーカー、BMWの関係者が昨年来、ひそかに接触を重ねている。競争は、すでに国境を超えて激化しているのだ。

 「水素、その将来性と挑戦」。五月二日、米ニューヨーク・タイムズ紙にこんな広告が載った。
 広告主は国際石油資本(メジャー)のエクソンモービル。「水素は重要なエネルギー」「自動車企業と協力して、先端技術の開発に取り組んでいる」。メジャーがこうした石油離れを促しかねない広告を出すのは極めて異例だ。自動車産業の劇的な変身は、エネルギーを供給する側の巨人をも突き動かし始めた。
 衝撃はこれにとどまらない。燃料電池は将来、家庭にも設置され、電力や温水を供給する見通しだ。「そうなれば石油、電力、ガスといった業種の垣根は消え、低価格で水素を供給できる企業しか生き残れない」(飯田哲也・日本総研主任研究員)。資源に乏しい日本の製造業にとっては、エネルギーの国内安定調達という長年の悲願が達成される期待もある。
 屋久島の試みは雨が多く山がちな地形を擁する日本のモデルだ。「水素資源立国」への挑戦。エネルギーをめぐる知の攻防は、日本の産業力のモードを一気に高める可能性を秘める。=敬称略【日本経済新聞】


北アフリカ、ヨーロッパ、天然ガスで関係強化――石油から移行進む。

 欧州の天然ガス消費量は一九九〇年から十年間で三九%増加し、二〇〇〇年は四千六百億立方メートルに達した。この間、石油消費量は六%しか伸びておらず、石油から天然ガスへの移行が急速に進んだことを示している。
 天然ガスの最大の需要家である電力業界は、温暖化ガス削減に向け石油・石炭から天然ガスへの転換を急いでおり、フランス、イタリアなどでは二〇一五年までに需要が倍増するとの予測もある。
 このため欧州メジャー(国際石油資本)は天然ガスの確保に奔走している。その二大供給基地が北アフリカとロシア。西欧は天然ガス総需要の約二〇%をロシア、一〇%を北アフリカに依存している。
 安定調達を目指す欧州は、ロシアに対しても積極的な投資姿勢を見せている。英蘭メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルは現在、ロシア最大のガス会社ガスプロムと、総額十五億ドル(約千八百六十億円)の天然ガス開発プロジェクトを進めるための合弁会社設立で最終交渉に入っている。
 ロシア側もガスや石油の輸出は最大の外貨獲得産業とみている。欧州は中東原油への依存度を引き下げるため、当面は北アフリカとロシアの両にらみで資源開発を続けることになる。【日本経済新聞】


平成13年度の総需要電力量 19年ぶりに前年度実績を下回る

 資源エネルギー庁は、平成14年3月分と平成13年度1年間の日本の総需要電力量の速報値を発表した。
 平成14年3月の総需要電力量は、平成13年の3月と比べ4.1%減少した773億kWh。7か月間連続で前年実績を下回った。
 減少の要因の1つは平成14年2、3月の気温が高めだったこと。暖房需要が減少し、一般家庭で使用された電力が平成13年3月と比べ3.7%減となったほか、オフィスビルなど業務用の需要も2.3%減となった。
 また、景気が厳しい状況であることを反映して産業用大口需要も13年3月より4.5%減少。産業用大口需要は平成13年6月以来10か月間連続で前年実績を下回ったことになる。
 なお、これらのデータを含めた平成13年度の総需要電力量は9,633億kWhで平成12年度より1.9%減少していた。年間総需要電力量が前年度実績を下回ったのは昭和57年度以来19年ぶり。【資源エネルギー庁】



有害化学物質

健康影響の恐れは十分  環境ホルモンでWHO報告

 生物のホルモンに似た作用を持ち、その働きを乱す内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)は「生殖や発達など人間の機能に悪影響を与えている可能性が十分ある」と指摘した、世界保健機関(WHO)や米国立環境健康研究所などの専門家グループの報告書案が八日、明らかになった。
 各国の一線の研究者が、環境ホルモンに関する最新の研究成果を分析したもので、今後の各国の研究計画や環境ホルモン対策にも影響を与えそうだ。
 報告書案は、ダイオキシンや一部の農薬、プラスチックの添加剤に使われるフタル酸化合物など、環境ホルモンと疑われる物質に、人間が日常的にさらされている上、ごく低濃度で生物の免疫機能やホルモンの作用を阻害したとの動物実験があることを指摘。「野生生物のある種では、ホルモン作用を通じた悪影響が観察されている」とした。
 人間の健康への影響については「環境中で検出されるような低濃度の環境ホルモンが、悪影響をもたらしたとの確実な証拠はない」とした。
 しかし、ホルモンはごく微量で効果を発揮することや、男性生殖器の異常や一部のがんなどが増加傾向にあることを挙げ、健康への悪影響は否定できないと結論付けた。
 報告書案は、胎児期などの特定の時期にだけ、環境ホルモンが大きな影響を与える可能性を指摘。化学物質を摂取した時期と影響の関係に焦点を当てた研究の推進や、野生生物や人間の健康に関する国際的な監視態勢の強化を勧告した。【共同通信社】



生物多様性

哺乳類の25% 30年で絶滅?/国連環境計画まとめ
 世界の哺乳(ほにゅう)類の4分の1が30年以内に絶滅する可能性があるとの報告書を国連環境計画(UNEP)がまとめた。21日、英BBCが報じた。

 報告書は過去30年間の地球環境破壊の影響を総括し、今後の予測をまとめた。1万1000種類以上の動植物を絶滅危惧(きぐ)種と判定。哺乳類ではクロサイなど、全体の約4分の1に当たる1000種類が、鳥類では8分の1が含まれるとした。これらは今後30年以内に絶滅する可能性が高いと結論づけている。【読売新聞】



オゾン層

40年後にはオゾン層回復  フロンガス規制が効果  国立環境研など予測

 紫外線から生物を守るオゾン層に南極上空で穴が開くオゾンホールは、フロンガス規制の効果で二○四○年ごろには発生しなくなるという予測を国立環境研究所の永島達也研究員と高橋正明東京大・気候システム研究センター教授らが二十八日までにまとめた。米地球物理学連合の学会誌に近く論文を発表する。
 地球温暖化が進行すると、成層圏のオゾン層では地表付近と逆に気温が下がるため、オゾン層の破壊は長引くとの見方もあったが、永島さんらは詳細な計算で、オゾン層がおおむね順調に回復に向かうことを確かめた。
 オゾン層は、フロンガスなどに含まれる塩素によって壊される。フロンガスの普及につれオゾン層破壊が深刻化、一九八○年代から南極上空でオゾンホールが発生するようになった。
 永島さんらは大気の動きや大気中で起きる化学反応をスーパーコンピューターで詳細に計算。現在のフロンガス規制と並行して地球温暖化が進むという条件下で、二○五○年まで南極と北極上空でオゾン層がどう変化するかを予測した。
 すると、南極のオゾン量は今後十五年ほど横ばいを続けた後、三○年代後半に急増。オゾン層は回復に向かい、四○年ごろにはオゾンホールは発生しなくなるという結果が出た。
 南極ほどオゾン層破壊が進んでいない北極では、二○一○年までオゾンが減った後、ほぼ横ばいとなる。
 米航空宇宙局(NASA)などのチームは、温暖化のために南極のオゾンホール発生は五○年すぎまで続くと予測していた。
 今回の結果は、温暖化による大きな影響は否定する内容。永島さんは「南極のオゾン層を左右するのは結局、温暖化ではなく、大気中のほとんどの塩素の起源であるフロンガス」と話している。【共同通信社】


札幌上空のオゾン総量 4月の観測値として観測史上2番目の少なさを記録

 気象庁では、札幌、つくば、鹿児島、那覇の国内4地点及び南極の昭和基地で、上空のオゾン量の観測や地上に到達する有害紫外線の強度の観測を行っており、その結果を毎月1回発表している。
 2002年4月の国内4地点の上空における月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は、つくば・鹿児島・那覇で並、札幌で少なかった。なお札幌のオゾン全量は371ミリアトムセンチメートルを記録。この数値は札幌の4月の平均値としては、観測以来1993年の369ミリアトムセンチメートに次ぎ2番目に少ない数字となっている。
 また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、北太平洋北部で、参照値より10%以上オゾン総量の減少がみられた。【気象庁】



環境技術

日本で利用可能な低公害車大集合 「エコカーワールド2002」開催へ

 環境省と公害健康被害補償予防協会は平成14年6月1日・2日の両日、東京・渋谷の代々木公園で低公害車の展示会「エコカーワールド2002」を開催する。
 「エコカーワールド」は低公害車普及策の一環として、昭和61年から開催されているイベント。多くの人に実際の低公害車を知ってもらい、試乗してもらうことを目的としている。
 なお今年の「エコカーワールド2002」では、従来の展示内容をバージョンアップ。すでに走行中の電気自動車、天然ガス自動車、ハイブリッド自動車、LPG自動車に加え、研究開発中の燃料電池自動車なども大集合し、日本で利用可能な低公害車がほぼ全種類出展され
る。
 1日のオープニングセレモニーは隣接会場で実施予定の「エコライフ・フェア2002」と共同開催することになっており、大木環境大臣や国連環境計画親善大使の加藤登紀子さんも出席予定。【環境省】



環境教育

学校週5日制に対応した全国の特色ある活動事例を紹介

 文部科学省は平成14年4月から完全実施された学校週5日制に対応し、各地で実施されたり、実施が計画されている活動のうち、特色のある活動事例をとりまとめ公表した。
 学校週5日制実施にあたっては、子どもたちが土曜・日曜を利用して生活・自然・社会体験活動や文化・スポーツ活動などに参加することが望ましいとされている。
 とりまとめにあたっては、都道府県・政令指定都市を対象にヒアリングを実施したほか、各種報道や都道府県・市町村・団体がウェブサイトで公開している資料も参考とした。
 なおこのような調査の結果、学校週5日制完全実施を契機として、教育委員会や市民団体がさまざまな体験活動や講座を実施したり、博物館・美術館、体育館・プールの無料開放、学校開放が実施・計画されていることが確認されたという。
 紹介された活動のうち環境に関わるものとしては、自然体験活動ができる場所を茨城県が選定・推薦し、情報を提供している「子どもいきいき自然体験推進事業」、神奈川県松田町のNPO法人市村自然塾が実施している週末2泊3日の宿泊農業体験「市村自然塾関東 少年よ大地に学べ」、鳥取県岩見町のNPO岩見自然学校の1泊2日の自然体験活動「ワイワイ・クラブ」、三菱地所が東京・丸の内地区で自然観察会などを実施している「丸の内自然を楽しむ倶楽部」などの取り組みが紹介されているほか、各地の国立青年の家、国立少年自然の家や国立科学博物館が実施する自然体験活動、自然観察会、講座情報なども掲載されている。
文部科学省では、今回のように特色のある事例だけでなく、学校週5日制に対応した週末活動についての詳細な調査を引き続き行う方針だ。【文部科学省】


誕生100年迎える新宿御苑 21世紀型の活用構想公表

 平成12年11月から新宿御苑再生のためのプロジェクトを発足させ、検討を行ってきた環境省は、21世紀における新宿御苑のあるべき姿の指針として『新宿御苑「環境の杜」構想』をまとめた。
 新宿御苑は信州高遠藩主内藤氏の屋敷跡にあたる。近代農業振興を目的とする農業試験場時代、宮内省所管の新宿植物御苑時代を経て、明治39(1906)年に皇室の庭園として造営され、新宿御苑という名称が定まった。戦後は厚生省所管の国民公園として再出発。所管が環境庁へ移った後も、都心に位置する緑のオアシスとして広く親しまれてきた。
 今回の『新宿御苑「環境の杜」構想』は、(1)100年にわたる歴史の中で育まれた文化遺産、植物遺産の評価・継承、(2)都市緑地としての機能の維持・確保、(3)希少植物の保全機能や環境教育の拠点としての活動など、環境という視点からの積極的な施策展開−−の3点を柱に据えている。
 特に、(3)については植物版保護増殖センター機能や、総合的な環境学習のプログラム開発、運営ボランティアの研修などを行う「環境の杜自然塾」としての活動が構想されている。
 なお環境省では、平成14年度中にこの構想を具体的に実施していくための計画策定に着手する予定で、平成16年度から具体的な事業展開を行う。【環境省】


国際

UNEP 2002年のグローバル500賞を発表
 UNEPは、5月15日、2002年のグローバル500賞を発表した。同賞は、6月4日の世界環境デーで授与される。
 今年の受賞者は、内モンゴル自治区の赤峰市(砂漠緑化に貢献)、中国北部のアオハンキ(Aohanqi。砂漠化防止に貢献)、ヨルダン国のバスマ王女(中東における環境問題の普及啓発に貢献)など。また、環境団体では、ルワンダのアンゴラ・エコロジー青年団(Juventude Ecological Angola: JEA)、エクアドルのエクアドル諸民族の進歩基金(Fondo Ecuatoriano Populorum Progressio: FEPP)、カザフスタンのTabigat エコロジー連合(Tabigat Ecological Union)、フィリピンの子供エコ・ウォーク(The Eco-Walk Children)、アメリカのアマゾン保護チーム(The Amazon Conservation Team:ACT)の5団体が受賞した。【UNEP】



リサイクル・ごみ問題

ごみ焼却、509施設廃止 ダイオキシン排出基準強化

 市町村が運営する一般廃棄物焼却施設の排ガスに含まれるダイオキシン基準が12月から厳しくなるのに伴い、新基準に適合できないなどの理由で廃止が決まった施設が、4年間で509施設にのぼることが朝日新聞社の調査で分かった。全体の約3割を占める。一方、解体作業の安全強化が義務づけられたため解体費用が高騰、廃止施設が野ざらしになるケースが相次いでいる。
 4、5月に全国の47都道府県へアンケートし、回答を基に集計した。
 主に家庭ごみを処理する一般廃棄物焼却施設は97年5月末現在、全国で1641(旧厚生省調べ)あったが、98年12月以降、今年5月までに170施設が廃止された。今後、新基準が適用されるまでの半年間で339施設が廃止され、合わせると509施設にのぼる。
 このうち「解体ずみ、解体中」の施設は47。廃止施設の75%に当たる384施設は、まだ解体計画が立っていない。
 「解体が進まない理由」を選択方式で尋ねたところ、42都道府県が「解体費用が高額で、自治体の厳しい財政事情の中で予算化することは難しい」を選んだ。
 解体費高騰の背景には、国内最悪のダイオキシン汚染を起こした大阪府能勢町の焼却施設解体で、作業員が高濃度のダイオキシンを浴びたことがある。
自治体や業者に厳しい暴露防止対策が義務づけられ、業界では「費用が5倍から10倍になった」といわれる。【朝日新聞社】


建設リサイクル法、平成14年5月30日より本格施行へ

 平成12年5月31日に公布され、段階的に施行されていた「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」のうち、一定規模以上の建設工事を実施する際に、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材の分別解体や再資源化を義務付けるとする規定が、平成14年5月30日より施行される。この規定は建設リサイクル法の中で最も核となる部分だ。
 分別解体・再資源化を実施する必要があるのは、(1)80平方メートル以上の建築物解体工事、(2)500平方メートル以上の建築物新築工事、(3)請負代金が1億円以上の建築物修繕・模様替工事、(4)請負代金が500万円以上の工作物の解体・新築工事で、該当する工事は都道府県知事に対する工事の事前届出などの手続きが必要となる。届出は全国で年間約58万件程度あると予想されている。
 なお、この規定の実施をスムーズにするための措置として、すでに解体工事業者の登録制度が平成13年度に創設されており、平成14年4月末現在で3,636社が登録済みとなっている。【環境省】


無許可施設は全面使用禁止  廃棄物処理法の政令改正へ

 小規模な廃棄物処分場などで都道府県の許可を受けていない埋め立て処分が続いているため、環境省は十三日までに、無許可の最終処分場の使用を全面禁止する方針を決めた。今夏にも廃棄物処理法の政令を改正する。
 今回新たに使用を禁止されるのは、主に一九九七年十二月の政令改正以前に設置され、許可の対象外だった面積三千平方メートル未満の「ミニ処分場」で、一般廃棄物で数百カ所、産業廃棄物で約千カ所あるとみられる。
 改正後一年間の猶予期間を設けたが、その後も操業を続ける処分場があれば、知事らが改善を命令する。
 廃棄物処理法は周囲に囲いを設け、処理施設であることの表示を政令で義務付けている。政令改正で新設施設はミニ処分場も含めすべて許可対象になったが、既存のミニ処分場は対象外とされたため、行政が把握していない処分場で汚染物質の流出があるなどと、環境面の問題が指摘されていた。【共同通信社】


ごみ減量へ高まる意識 23分別どうやってるの? 岐阜・多治見市

 燃えるごみ、燃えないごみ、資源ごみ……。環境のために大切だとわかっていても、ごみの分別を面倒くさいと感じる人は多い。だが、岐阜県多治見市では家庭から出るごみを、住民が23種類に分別している。全国的にも珍しい、これほど多くの分別収集が始まったきっかけは、ごみ処分場の建設問題だった。(岐阜東部支局・山崎喜春、くらし編集部・杉本裕明)

 ○きっかけは処分場建設 住民は計画知らず
 水曜日の朝、多治見市郊外の住宅団地ホワイトタウン(約2400世帯、約8300人)で、住民たちが三々五々、ゴミ袋を手に、街角のリサイクルステーションにやってきた。
 この日は缶や金属類、紙類、布類など資源ごみを回収する日だった。並べられたコンテナや収集ネットに、住民は慣れた手つきでビール缶や牛乳パック、新聞紙などを入れていく。燃えるごみ、ポリ容器やびんのふた、たんすなどの埋め立てごみ、粗大ごみを含め、住民はごみを23種類に分けて出す。
 ステーションの立ち番だった主婦の久野純子さん(47)は「最初は大変だったけど、慣れてしまえばそうでもない。うちでは、四つのごみ箱に分けています」。
 同市は人口約10万6500人。名古屋市からはJR中央線で約40分だ。ベッドタウンとして丘陵地の団地開発が進んできた。ホワイトタウンもそんな団地の一つだ。
 ここでこの分別収集が始まったきっかけは、隣の大畑地区で計画されたごみ埋め立て処分場だった。
 96年暮れ、計画が明らかになった。ホワイトタウンに住み、当時、市議会で質問に立った中道育夫市議(57)は「住民に知らされずに決められた。納得できなかった」。ホワイトタウンの区(同市の自治組織)の生活環境委員長の沢野寿さん(50)は、降ってわいた事態に「(ごみ問題について)一から勉強しました」。
 区は97年5月に処分場建設に反対する決議を出した。その後も、役員たちは近くの自治体の焼却場や処分場を見学するなどして学んだ。

 ●選定は白紙に
 98年、ホワイトタウンの区は隣接区と共同で声明を出し、市の選定方法を「科学的、合理的でない」と批判、市民を交えて選定をやり直すよう求めた。
 「市側に説明責任が欠けていた。反対運動にはそれに対する不信感が根底にあった」と反省した西寺雅也市長は99年1月、調査委員会を設置。同委員会は再選定の必要があると結論を出し、市は計画を白紙に戻した。

 ○市民参加で公開審議 「反対だけではエゴ」

 00年3月、5人からなる新処分場選定委員会が発足し、ごみ問題に詳しい吉村功・東京理科大教授が委員長に就任した。審議は原則公開され、傍聴者からの発言を認めたほか、資料を傍聴者にも配布した。要点を記述した議事録も作り、公開した。委員会は処分するごみの量と質の検討を手始めに、市内79カ所の市有地から、面積や地形、権利関係などを考慮し、現地確認も交え、候補地を絞った。市民への中間報告会も開き、そこでも意見を聞いた。
 市民からは「多治見市民を委員として参加させないのはなぜか」「処分場のいらない社会づくりをめざすべきでは」など様々な意見が出た。委員会は「利害関係者が委員になっては選定に支障が出る恐れがある」「全く処分場がいらない社会というのは基本的に困難」などとそれぞれに答えた。

 ●再生率高まる
 処分場見直しに並行して市は99年3月、「循環型社会システム構想」をまとめた。その一環として、可能な限りごみの分別を図ろうと23種類に分けた収集のモデル事業を企画。ホワイトタウンが名乗りを上げ、同年9月から収集を始めた。ホワイトタウンの区長平瀬泰宏さん(61)は「自分たちもごみを出している。処分場に反対するだけでは住民エゴになってしまうと考えた」と引き受けた動機を語る。
 モデル事業が成功し、この分別収集は00年4月から全市に広がった。00年度、学校などの集団回収も含めた資源ごみは、前年度に比べて約800トン増え、家庭から出るごみの総量に占める割合(リサイクル率)は25・4%(99年度全国平均13・1%、環境省調べ)に高まった。

 ●生まれた信頼
 委員会は今月、処分場の候補地を大畑地区を含む3カ所に絞ったが、それぞれ一長一短があるとして、最終的にどこにするかは決め方を含め、市にゆだねた。西寺市長は「住民のコンセンサス形成のため、いい方法を考えていきたい」と語る。平瀬さんは「市がどういう形で決めるかを注視したい」と大畑地区になった場合に受け入れるかどうかは明らかにしていないが、「これまでの進め方は大変評価している」と話す。
 吉村教授はこう振り返る。「委員会は、行政による方向付けなどの制約はなく、自由に議論ができた。傍聴や中間報告会に来た市民には最初、対立的な雰囲気も感じた。だが、彼らが発言し、それに我々が答えたことで、『耳を傾けるんだな』という信頼感が生まれたと思う。一般論だが、公開審議では、行政に都合の悪いことが明らかになるかもしれないが、行政はそれを乗りこえる努力をすべきだ」
 市では、01年度にリサイクル率が下がったり、生ごみに缶が混入するといったルールを守らない例があったりするなど、まだ問題はある。ただ、市民からは分別収集に対する大きな不満はなく、定着したといえそうだ。市は、埋め立てごみとして捨てられていたものから資源ごみを取り出す施設を03年度に稼働させるなどして、さらにリサイクルを進める考えだ。

 ◇立地選定巡り紛争続々
 市民団体の廃棄物処分場問題全国ネットワークの調べによると、ごみ処理場をめぐる住民紛争は90年代後半には累積で約600件とピークに達した。いまも200件以上の紛争が続き、多くが立地選定にかかわるという。
 歴史的にみると、行政や処理場を造ろうとした産廃業者は、建設をスムーズに進めるために、一般の住民には計画を知らせず、地主や地元有力者の同意を取り付けることに力を注いだ。不透明な金が介在したこともあった。
 予定地にされた自治体や住民が、受け入れる代わりに協力金や公共施設の建設を求め、結果的に施設建設のコスト高を招いたケースも多い。例えば、東京都多摩地域の家庭ごみを受け入れる日の出町は処理場を建設した施設組合から毎年7億円ずつ、これまでに合計で約118億円の協力金を受け取っている。立地選定の詳しい内容は今も公開されていない。
 それに比べ、ドイツでは循環経済・廃棄物法に施設設置の手続きについて規定がある。この規定に基づき、州政府は水質保全地域、自然保護地域など、施設を造ってはいけない地域と造っても問題がない地域の地図を作製して公表している。それをもとに行政が市民や関係団体、業者と話し合って立地を決める。会議は公開され、具体的なデータも示されるので、紛争になるケースは少ないといわれる。
 日本では97年に廃棄物処理法を改正し、行政などの事業者が施設を造る際に環境に影響がないか簡易調査することを義務づけた。しかし、計画段階から住民が意見を言える規定はない。多治見市の実験は、こうした制度の欠陥を補う試みだ。神奈川県横須賀市でも同じような取り組みを行うなど、徐々に増えている。
 ■多治見市の23分別収集■
 (1)燃えるごみ(週2回)
 (2)埋め立てごみ(2週間に1回)
 (3)粗大ごみ(シールを張り、燃えるごみか埋め立てごみの日に出す)
 ▽資源ごみ(2週間に1回)
 (4)アルミ缶・その他のアルミ類
 (5)スチール缶、その他の金属類
 (6)新聞紙・折り込みチラシ
 (7)雑誌類
 (8)段ボール
 (9)雑紙類
 (10)飲料用紙パック
 (11)布・古着類
 (12)ビールびん
 (13)一升びん
 (14)無色透明、白色びん
 (15)茶色びん
 (16)青色、緑色びん
 (17)黒色、その他の色のびん
 (18)ペットボトル
 (19)白色発泡トレー
 (20)色・柄発泡トレー、発泡スチロール
 (21)てんぷら油(3カ月に1回)
 (22)乾電池、水銀体温計(有害ごみ、3カ月に1回)
 (23)蛍光管(同)
【朝日新聞社】



環境管理・その他

環境格付け「A」以上は12社、トーマツ子会社、汚染対策など9段階で評価。
 監査法人トーマツの全額出資子会社、トーマツ審査評価機構(東京・港、稲永弘社長)は二十日、環境問題への取り組み状況で企業を評価する環境格付けを実施、評価結果がシングルA以上の上位十二社を公表した。
 今後、環境や人権に配慮する企業に優先投資する動きが広がるとみており、企業の環境対策を外部評価する需要に対応する。評価基準は、温暖化ガスの削減や土壌汚染対策など七項目をそれぞれ九段階評価し、最終的にトリプルAからシングルCまで九段階に格付けする。今回は環境報告書を発行している三百三十社の公開情報を評価した。
【表】トーマツ審査評価機構が公表した環境格付け上位企業
 日本IBM、トヨタ自動車、リコー、キリンビール、東京ガス、松下電器産業、NEC、積水化学工業、凸版印刷、富士通、富士ゼロックス、セイコーエプソン
(注)格付けシングルA以上の企業。ダブルA、トリプルAの企業も含むが具体的な社名は公表していない。社名は同社の発表順による 【日本経済新聞】


「環境」も融資の判断材料  金融機関に配慮求める
 環境省は二十九日、企業の土壌汚染などへの対処方針や環境への悪影響を抑える努力があるかどうかなどが、今後の金融機関の融資や投資の判断材料となるとの報告をまとめた。
 特に、国連環境計画(UNEP)との間で環境への配慮を約束している金融機関が、世界では五十カ国、百九十二機関あるのに比べ、日本は滋賀銀行など五機関にすぎないことを挙げ、金融機関に環境問題により関心を持つよう求めた。
 報告は、海外の金融機関の実例を紹介しながら、欧米では事業所の汚染対策や環境保全への取り組みに関心が高く、融資や投資の判断材料として定着していると指摘。
 日本でも、二酸化炭素の排出量当たりの生産量などを指標にする「環境効率性」や、企業の環境対策や省エネの成果を示す「環境会計」への取り組みが、今後銀行などの融資で、より重要視されるようになると分析している。
 また事業所や工場用地の土壌汚染について、汚染浄化対策費の支出が原因で経営不振に陥ったり、その事業所に投資した金融機関が責任を負うリスクがあると注意を促した。【共同通信社】




2002年4月22日号(4月18日〜4月21日)
排ガス規制「世界最高水準に」 2005年以降販売の新車−−中央環境審議会答申

 中央環境審議会(森島昭夫会長)は16日、05年以降に販売される新車の排ガス規制の答申内容をまとめ、大木浩環境相に答申した。大都市部の大気汚染の主な原因になっているディーゼル車対策が中心で、今年10月から導入が始まる「新短期規制値」に比べ、排ガス中の粒子状物質(PM)を約4分の1、窒素酸化物(NOx)を約半分に抑えることを求めた。世界で最も厳しい水準で、環境省は来年春、大気汚染防止法に基づく規制値を改正。達成できない新車は販売できなくなる。【毎日新聞社】



販売中止農薬にダイオキシン 農水省が回収呼びかけ

 農水省は12日、現在は販売中止になっている農薬3種類について、ダイオキシン類が含まれていることを確認したと発表した。未使用分の回収を製造業者に指示する。
水田用の除草剤CNP、PCPと土壌処理殺菌剤のPCNB。それぞれ94年、86年、97年に販売が中止された。過去の使用分について「作物には直接使われておらず、土壌にたまったダイオキシン濃度も環境基準値より大幅に低い」としている。【朝日新聞】



朝日新聞 第3回「明日への環境賞」 5団体に

朝日新聞社が環境保全の多様な活動を顕彰する「明日への環境賞」の第3回受賞団体が決まった。受賞したのは菜の花から搾った菜種油を給食に使い、その廃油から硫黄酸化物んどの少ないバイオディーゼル燃料(BDF)を作り、車を走らせている滋賀県環境生活協同組合など5団体。24日、東京中央区の浜離宮朝日小ホールで贈呈式が行われる。
▽滋賀県環境生活協同組合(滋賀県)
▽環境監視研究所(大阪府)
▽吉野川シンポジウム実行委員会(徳島県)
 【農業特別賞】
▽『日本農書全集』編集委員会(東京都)
 【森林文化特別賞】
▽財団法人 トトロのふるさと財団(埼玉県)
【朝日新聞社】



シャープ、太陽電池のコスト半減――次世代型、発電費用も低下。

 シャープは価格を現在の半分に抑えられる次世代型太陽電池=写真=の実用化にメドをつけた。出力三キロワットの住宅屋根用なら現在の約二百万円が百万円程度になり、発電費用も三十五円程度と家庭の電力料金に近づく。二〇〇四年にも発売し、地球温暖化対策として需要が膨らんでいる太陽電池市場でのシェア拡大を目指す。
 開発したのは光を電気に変える有機色素を使う有機太陽電池。現在主流の多結晶シリコン太陽電池より材料が安く量産しやすいため、次世代型として注目されている。
 シャープは有機太陽電池に必要な電解質を従来の液状タイプから固体にすることに成功。液漏れの心配がなく信頼性を高めた。試作電池の発電効率は七・五%だが、色素の改良などにより多結晶シリコン型の同一二―一五%に並ぶ効率を達成するメドがついたという。
 シャープによると、住宅用に使われている出力三キロワットの多結晶シリコン太陽電池の発電コストは一キロワット時あたり七十円前後で、通常の電気料金の同二十五円程度に比べ二倍以上高い。新型電池ならば同等の製品が半値にでき、発電コストも今の半分近くに抑えられる。
 太陽電池は発電の際に温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)を出さない。二〇〇一年の太陽電池の世界生産量(発電量換算)は三十九万キロワットで前年比三六%増と高い伸びをみせている。シャープはシェアが約二〇%で第一位メーカー。有機太陽電池については、東芝や日立マクセル、トヨタ自動車なども開発に取り組んでいる。【日本経済新聞】



ブッシュ大統領 POPs条約を上院に提出

 4月11日、EPAのホイットマン長官は、ブッシュ大統領が「残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants: POPs)に関するストックホルム条約」(POPs条約)を上院に提出すると発表。併せて、POPs条約および2つの関連条約(国際取引における特定の有害化学物質および農薬についての事前同意手続に関するロッテルダム条約、1979年長距離越境大気汚染条約のPOPsに関する議定書)を実施するため、既存の連邦法を改正する追加的立法措置も議会に提出する。
 POPs条約は、12の残留性有機汚染物質(DDT、PCB、ダイオキシンなど)の製造・使用・排出の禁止または制限を目的としている。締約国は、意図的に生産されるPOPsの製造・使用・取引の禁止または制限、非意図的に生産されるPOPs(ダイオキシン等)に関する行動計画の策定、POPsの安全な在庫管理・処理などに取り組むこととされている。こうした要求に対応するため、有害物質管理法および連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法を改正するための法案を議会に提出するという。【EPA】



2002年4月18日号(4月8日〜4月17日)
自動車の再資源化、1台2万円購入時徴収、2004年に法施行めざす。

 政府は十二日の閣議で、自動車所有者からリサイクル料金を徴収するとともに、メーカーと輸入業者に再資源化を義務づける自動車リサイクル法案を決める。二〇〇四年中の施行を目指している。具体的なリサイクル料金は各メーカーが独自に決めるが、二万円前後になる見通し。一方で自動車メーカーが解体しやすい車づくりを急ぐなど、リサイクルビジネスも本格的に動き始めた。
 日本で年間に廃棄される自動車の台数は五百万台にのぼり、各地の産業廃棄物最終処分場は使用済み自動車から大量に出る破砕くずで満杯になっている。また、廃車からは地球を取り巻くオゾン層の破壊につながるフロンや、起爆剤が含まれて取り扱いが難しいエアバッグなども出てくる。このため、自動車リサイクル法では破砕くずのほか、フロンやエアバッグなども回収・再資源化の義務づけの対象とする。
 リサイクル料金の徴収は、すでに実施されている家電リサイクルと異なり、前払いで消費者から徴収する手法をとる。廃車時に負担を求める方式だと、不法投棄を助長すると判断した。消費者は新車購入時にリサイクル料金を上乗せして支払う。使用中の車については法施行後の最初の車検時までに支払う。
 消費者から徴収したリサイクル料金は総額一兆円近くにのぼるため、第三者機関の公益法人に資金管理させる。自動車リサイクル促進センターが有力視されている。メーカーや輸入業者は廃車時に回収・再資源化費用を資金管理法人に請求する。いったんリサイクル料金が支払われた中古車が輸出された場合は剰余金が出るが、これは不法投棄対策などに充てる。【日本経済新聞】


日本国内での黄砂の観測記録更新される

 気象庁は2002年1月以降、同4月13日までに日本国内で黄砂を観測した延べ日数が、1967年の観測開始以来最多の962日に達したと発表した。
 黄砂は中国黄土地方の細かな砂じんが風に吹き上げられて運ばれ、徐々に降下する現象。気象庁では全国123地点で黄砂の観測を実施しており、1地点で観測された日を1日として延べ日数を計算している。
 1971年から2000年までは日本国内での黄砂観測の延べ日数は平均254日だったが、これまで観測されていた西日本や日本海側以外に、北海道をはじめ北日本各地で黄砂が観測されるようになったため、2000年の748日、2001年の856日とこの3年間、観測日数が激増している。
 炭酸カルシウムを多く含みアルカリ性である黄砂は、飛行途中で酸性雨の原因物質を吸着し、中和する効果があるともいわれている一方、吸着した排気ガスにより健康被害をもたらす可能性も指摘されている。【気象庁】


輸入野菜32検体でメタミドホス検出 平成13年度国産・輸入野菜の残留農薬分析結果

 農林水産省は平成13年度の国産・輸入野菜の残留農薬の分析結果を公表した。
国産野菜については2001年9月〜2002年3月の間に全国389戸の農家から収穫物と農薬の使用記録簿を提供してもらい、独立法人農林水産消費技術センター分析を行ったが、食品衛生法の残留農薬基準値を超過した事例はなかった。
 一方、輸入野菜については、中国・韓国・タイ産野菜306検体を買い上げ、分析を行ったところ、中国産サヤエンドウ1検体から残留農薬基準値を超過したシペルメトリン(殺虫剤)を検出した。検出されたシペルメトリンは0.18ppmで基準値0.05ppmの3倍以上。
 またこのほか、タイ産のオクラ17検体、中国産のサヤエンドウ12検体、中国産ネギ3検体の中に、日本では農薬登録のない有機リン系殺虫剤「メタミドホス」も検出されていた。【農林水産省】


廃棄物とは何か−−廃棄物・リサイクル制度の基本問題を検討した中間とりまとめへの意見募集を開始

 廃棄物の定義・区分をはじめとする廃棄物・リサイクル制度の基本問題の見直しを行っている中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会では、2002年3月22日に、これまでの6回にわたる検討の結果を「廃棄物・リサイクル制度の基本問題に関する中間とりまとめ」として公表し、この取りまとめについて、平成14年5月10日まで意見を募集している。
 今回の中間取りまとめは、「規制は厳格に、手続きは合理的に」という考え方に基づき、豊島事件に象徴される「リサイクル」を名目上の隠れ蓑にした廃棄物の不適正処理の防止と、健全なリサイクル産業の育成の両立を目指して作成されている。
 なお、今回検討された主な論点は(1)廃棄物の定義に関わる事項、(2)廃棄物の区分に関わる事項、(3)廃棄物処理業・処理施設の設置規制に関わる事項、(4)排出者やメーカーなどの製品生産者の責任に関わる事項−−の4つ。
 このうち廃棄物の定義については(一)リサイクル資源として利用可能な有価物についても廃棄物法の規制対象とする、(二)廃棄物かどうか判断する基準をより客観化する−−などの方向性が示され、廃棄物の区分に関わる事項についても(3)家庭から出たごみか、事業活動によるごみかなど排出源による区分を基本としつつ、有害なごみを独立した区分にする−−などの
案が示された。
 なお、廃棄物処理業・処理施設の設置規制に関わる事項については、(4)民間活力が発揮できる制度の検討、(5)現行の広域指定制度の活用や設置許可の合理化推進案が示され、排出者・メーカーの責任については、(6)製品の製造者が、その製品の生産から廃棄までの環境影響に対して責任を負うべきとする「拡大生産者責任」の考え方をより一般化・強化していくこと
が必要であると提言されている。【環境省】


建築用断熱材中のフロン 約3〜4万トンが残存 

 経済産業省は平成12年度補正予算により実施した、「建築用断熱材中のフロン回収・処理技術調査事業」の調査結果を公表した。
 断熱材に使われている発泡ウレタン(ウレタンフォーム)などには、以前は製造過程で発泡剤としてフロンが使われており、ウレタンの小さな泡の中にはいわば、フロンガスが詰まっている状態になっていた。しかし、これらのフロンガスは建築後20〜25年経つと全て放出される危険性が指摘されており、産業構造審議会が平成13年6月にまとめた「CFCの管理のあり方について」でも、建築用断熱材のフロン漏洩量の経年変化調査の実施や回収処理技術の確立を検討していくことが提言されている。
 今回の事業は断熱材中のフロン残存量を適切に測定する技術の確立と、残存量に応じた経済的回収・処理手法についての調査・検討を行うもので、財団法人建材試験センターに委託して事業を実施している。
 調査は、断熱材中のフロン残存量分析方法基準化のための従来の分析方法の検証や、全国各地域の様々な建築に使われている部材中のフロン残存状況の把握などを行なった。
 なお今回の残存状況把握結果によると、IPCCの排出量算定ガイドラインでは、断熱材中のフロンは建築後20〜25年経つと全て放出されるとしているが、築後30年を経過してもある程度のフロンが残存していることが判明した。
 更に、建築着工統計や素材の出荷統計などから、全国の建築物に使用されている発泡樹脂系断熱材の総量をスチレンフォーム35万〜63万トン、ウレタンフォーム37万〜47万トンと推計。このうちスチレンフォームで3,200〜5,000トン、ウレタンフォームで29,000〜36,000トンのフロンが残存していると推定した。
 経済産業省では引き続きこの調査を進め、フロン残存量についての精度向上を図るとしている。【経済産業省】




2002年4月8日号(4月1日〜4月7日)
国内産・輸入外国産米麦の残留農薬調査結果を公表

 食糧庁は平成13年国内産米麦残留農薬調査結果と平成13年度輸入外国産米麦残留農薬調査結果を取りまとめた。
 公表された結果によると、国内産米麦や外国産米麦のいずれについても、食品衛生法に定められた残留農薬基準値を超えるものはなかった。【食糧庁】



平成14年3月の天候 全国103地点で月平均気温の最高値記録

気象庁は平成14年3月の全国の天候の状況をとりまとめ、発表した。
3月は全国的に気温が高温で、全国103地点で月平均気温の最高値を記録した。また特に関東・甲信で平年を3℃以上上回ったところがあった。【気象庁】



2002年版の「環境会計ガイドライン」を公表

 環境省の環境会計ガイドライン改訂検討会は2002年版の「環境会計ガイドライン」をとりまとめ、公表した。

 環境会計は、事業の中での環境保全活動のコストや保全活動により得られた効果を、貨幣単位または物量単位で定量的に把握・分析し、公表するための仕組み。事業者にとっては、自社の環境保全への取組みを効率的・効果的なものにしていく経営管理上の分析手段として利用でき、企業の外にいる利害関係者にとっては、企業の環境保全活動みを理解するための有効な情報として利用できる。ただし現状では、統一的な算定手法はまだ確立していない。

 環境省では、環境会計に関する統一的な枠組み構築を目標に、2000年5月に「環境会計システムの導入のためのガイドライン(2000年版)」をとりまとめ、普及を図ってきた。

 今回の2002年版は、企業における実務面での進展、国連持続可能開発部など海外での調査研究、環境省による「環境報告書ガイドライン」「環境パフォーマンス指標ガイドライン」の策定など、環境会計周辺の2000年版公表以降の成果を踏まえ、内容の改訂を行ったもの。

 なお改訂にあたっては、(1)外部への報告を念頭に置いた開示項目の明確化、(2)環境保全コストの内容の精緻化、(3)環境保全効果の体系化、(4)環境保全対策に伴う経済効果の体系化−−の4点に重点を置いて、策定を行った。【環境省】



400年巨木育てる 法隆寺などの修復に備え 立松和平氏呼びかけに林野庁応じる

 法隆寺など伝統的な木造建造物の修復に使う木材が不足することに備え、林野庁は、国有林にヒノキの苗木を植え、約400年間伐採せずに巨木の森に育てる「古事(こじ)の森」事業を始める。作家の立松和平さん(54)の呼びかけに、同庁が応じた。第1号は京都市左京区の鞍馬山で今月21日に苗木800本を植樹する。その後、奈良、長野などの国有林を対象に、植樹にふさわしい場所を調査して決める。最終的に全国で計10カ所になる予定。

 植樹や保育の実施主体として「京都古事の森育成協議会」を3日に発足させた。文化財や林業関係者で組織される。

 「古事の森」事業は今年から5年程度かけて、ヒノキの苗木を植えていく。ボランティアを募集して植樹を依頼。市民から募金を集め事業費にあてるなど、国民参加型を目指す。林野庁は、どの国有林が事業の対象としてふさわしいか、全国7の森林管理局に調査するように求めている。

 植えたヒノキは200〜400年かけて、直径1メートル以上の巨木に育ててから伐採し、木造建造物の柱や天井の梁(はり)の修復にあてる。国宝や重要文化財に指定されている木造建築の修復は、種類や大きさなどが同じ木材を使うのが原則だ。

 文化庁によると、国内には、国宝や重要文化財に指定されている木造建造物が京都、奈良、福島などに計3345棟あり、解体して組み立て直す大規模な修理は100〜500年ごとに必要になる。

立松さんは「200年以上の長期にわたる『不伐の森』は、日本の木造文化のためにも必要だ」と話す。【朝日新聞】



東海大が開発、弱風OK低騒音の都市型発電装置

 東海大学は三日、弱い風や風向きの変化の影響を受けにくい風力発電装置を開発したと発表した。騒音がほとんど発生しないので、都市部での利用を見込む。機械メーカーのアイメックス(広島県因島市、藤田卓一社長)が一キロワット級の小型装置を二百万円前後の価格で発売する予定。

 航空機の翼の設計を取り入れた羽根を利用する。炭素繊維で強化した樹脂製の羽根は最大で縦二メートル・幅三十センチ、最小で縦一メートル・幅十五センチ。
 大きな羽根なら五枚、小さい羽根なら三枚を回転する軸の周囲に並べると、風がどちらの方向から吹いても回転し発電できる。

 これまでの実験では、従来の装置では発電が難しかった一秒当たり二・二メートルの風速でも、翼一平方メートル当たり一時間で約二十ワット発電したという。【朝日新聞】



発がん性汚染水、微生物で処理 東芝などが開発

 半導体や機械などの洗浄に使われ、発がん性が疑われているトリクロロエチレンを、微生物を利用して低コストで分解するプラントを、東芝が関西ペイントなどと開発した。今国会で審議中の土壌汚染対策法案が早ければ来年1月に施行されることから、東芝は来春までに販売する方針だ。

 東芝はトリクロロエチレンを二酸化炭素と塩素に分解する菌を発見。樹脂に菌をからみつかせる技術を持っている関西ペイントが、菌を3〜5ミリの球形樹脂に閉じこめることに成功した。球形樹脂を多量に入れたタンクに、トリクロロエチレンなどの汚染物質を通して分解させる。1時間に10トンの汚染地下水を処理する実験プラントでは、汚染物質を9割以上分解できたという。

これまでは活性炭を使ってトリクロロエチレンを吸着し、高温で焼いて分解していた。菌は自ら増殖、死滅を繰り返すため、活性炭のように交換などの手間がいらず、稼働コストは6分の1程度に下げられるという。東芝は現在、プラントの小型化に取り組んでいる。【朝日新聞】



石綿被害、急増の恐れ 疫学的に分析、死者推計は40年で10万人

 高度成長期に、建物や製造現場などで幅広く使われた発がん物質・石綿(アスベスト)による健康被害が、今後激増しそうだ。早稲田大学理工学部の村山武彦教授(社会工学)らのグループが、石綿を吸った人に主に発症するがんの一種・悪性胸膜中皮腫の男性死亡者数を疫学的な統計手法で分析したところ、2000〜39年の40年間にこの病気で亡くなるのは約10万人、1990〜99年の10年間の死亡者数の約49倍に及ぶという予測になった。こうした将来予測は欧米で発表されているが、日本では初めて。今月、神戸市での日本産業衛生学会で報告される。

 悪性中皮腫は診断・治療が難しく、発症から2年間生存するのは3割に満たないとされる。石綿を吸い込んで30年以上後に発症する場合が多い。

 村山教授らは推計可能なデータを含め80〜99年の死亡者数から、生年ごとにグループ分けして、何歳で何人が中皮腫で亡くなったかを分析した。その結果、51〜60年生まれの男性のこの病気による生涯死亡率は約0・3%で、41〜50年生まれの2倍、31〜40年生まれの6倍の高さだった。この死亡率の高いグループが今後、死亡者数が増える年齢層に差しかかる。

 村山教授は「若い時に石綿が大量に使われていた世代である可能性が高い」と指摘する。

 今回の分析は過去の死亡推移のみを対象とし、実際の石綿の使用量は加味していない。また、分析データとして使えたのが65年生まれまでで、もっと若い層の検討も必要になる。これらの要件が加われば死亡者数はさらに増えると見られる。

 日本は石綿のほぼ全量を輸入に頼る。70〜80年代に大量に使われた。発がん性の強い青石綿と茶石綿は95年に法的に使用禁止されたが、白石綿については現在も年間8万トンが輸入されている。

労組や消費者団体などでつくる石綿対策全国連絡会議の古谷杉郎事務局長は「国は救済策に真剣に取り組むべきだ。先進国の多くは全面禁止にしており、早急に輸入を禁止すべきだ」と話す。【朝日新聞】



新興国で排出急増と予測  二酸化炭素、20年に99億トン  世界全体で約62%増

 米エネルギー省の独立機関であるエネルギー情報局は二十六日、二○○二年の「国際エネルギー見通し」を発表。地球温暖化の主な原因である二酸化炭素(CO2)の年間排出量が今後約二十年間でアジア、中南米などの「発展途上地域」で急増することにより、世界全体で約62%増えると予測した。
 米政府の京都議定書拒否は、米経済の競争力への悪影響とともに、発展途上国の排出削減がなく不公平だというのが最大の理由。新たな見通しで途上国での削減の必要性が一層浮き彫りとなり、議定書をめぐる国際論議で米国がさらに主張を強めるのは確実だ。
 見通しによると、世界のエネルギー消費は一九九九年の三八二ペタBTU(英国熱量単位、一BTUは二五二カロリー、ペタは千兆倍)から、二○二○年に六一二ペタBTUへ約60%増加の見通し。特に中国をはじめとするアジアと中南米の二地域のエネルギー需要は同期を通して年率約4%伸び、途上国全体の伸びの83%を占めると見込まれている。
 これに伴い世界全体のCO2排出量が九九年の六十一億トンから二○二○年までに九十九億トンに約62%増加すると予測。その「大半は、最大のエネルギー消費増が予測される新興経済国を含む発展途上地域での増加」と明記した。
 世界最大の排出国である米国の京都議定書離脱を批判する各国に対し、ブッシュ政権は中国などアジアの新興工業国、発展途上国を含めた包括的な排出削減策が必要との反論を強めるとみられる。【共同通信】



国連内に世界環境機関設立へ――EUを中心に検討

 深刻化する地球環境問題に総括的に対応するため、世界貿易機関(WTO)と肩を並べる「世界環境機関」(WEO)を国連内に設立する動きが本格化してきました。同会議は、国連環境計画(UNEP)の地位を高め、現在ばらばらに存在する各種環境条約機関を統括し、資金を結集した上で権限を拡大するもので、「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(ヨハネスブルグサミット)へ向けて、EUを中心に検討が開始されています。【環境新聞社】



欧州株主、環境や人権重視――社会的責任投資広がる(グローバル経営)

 対応急ぐ欧米企業
 環境や人権問題に対する企業の姿勢を見極めて株式を売買する「社会的責任投資」が欧州で広がってきた。目先の利益に振り回されず、長期的視点から企業活動を評価する方が見返りが大きいと考える株主が増えてきたためだ。株主の声に押され、欧米企業も対応に走り出した。

 環境への配慮が自社の意思決定にどのように反映されているか具体的に開示すること――。英石油大手BPが四月十八日に開く株主総会の議案には、こんな項目が入っている。環境保護の非政府組織(NGO)が株主の立場で提案した。
 BPは昨年もNGO株主から「環境へ悪影響を及ぼす化石燃料事業からの撤退」という総会議案を出された。賛成票は全体の七・四%に上り、NGO以外の一部投資家も支持に動いたもようだ。今回の提案についても取締役会は「環境対策はすでに十分」として否決を呼びかけているが、どう転ぶか分からない。

 京都議定書の発効を急ぐ欧州では、企業の環境対策が投資家に注目されている。環境に配慮しない企業は消費者に不買運動などを起こされ、業績が悪化しかねないからだ。英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルの担当者は「投資家はわれわれのリスク管理への取り組みを見極めようとしている」と語る。シェルでは環境担当ディレクターがIR(投資家向け広報)活動に同席することも珍しくない。

 「環境」は投資家が目を向けるリスクの一つにすぎない。
 昨年十一月、欧州系の五つの資産運用会社と三つの年金基金が連名で、ミャンマーで活動する投資先企業に事業の再考を促す声明を出した。「軍事独裁や人権じゅうりんが続くとされる国で事業を進めれば、会社のブランド価値が下がりかねない」。声明に加わった英系資産運用会社ジュピター・アセット・マネジメントのエマ・ハワードボイド氏はこう指摘する。声明に応じて、ある食品会社が事業縮小や工場内での人権確保など対応策に動いているという。

 環境や人権などに配慮する企業の株を買う社会的責任投資(SRI)は急速に市民権を得ている。英国ではSRIに特化した個人向け投資信託の残高が二〇〇一年末に約五十億ポンド(九千五百億円)と、一九九九年末の二倍に膨らんだもようだ。

 こうした傾向を官も後押しする。英政府は二〇〇〇年から年金基金に対して投資の際、環境や人権などをどの程度重視するか公表を求め、SRIの広がりを後押ししている。ドイツやフランスも同趣旨の法律を作り、欧州委員会も検討を始めた。

 欧州を舞台にしたSRIのうねりはグローバル戦略を進める米国企業にも影響を与えている。米国大企業の発行済み株式数の二―三割は欧州系の機関投資家が握るとされるからだ。

 フォード・モーターのウィリアム・フォード会長兼最高経営責任者(CEO)は昨年、「世界の二酸化炭素排出量の一・七%は当社の車と工場などから生じた」とする報告書を公表し、環境破壊をもたらす物質の排出抑制を約束した。
 その一環で始動したのが、創業者ヘンリー・フォードが一九二〇年代に建設したミシガン州ルージュ工場の再生。排水や排煙で周辺の環境に悪影響を与えてきた同工場に二十億ドルを投じて、「米国で最も環境対応が進んだ自動車工場」に生まれ変わらせるプロジェクトだ。

 同社はもともと、環境や教育、安全問題への投資や寄付が米企業で最大。創業一族の基金などを含めた投資総額は年間一億ドルを超えている。

 米政府は昨年、京都議定書から一方的に離脱して欧州から批判を浴びたが、産業界が必ずしも環境問題などに消極的というわけではない。エネルギー大手や化学品を多用しているナイキは大気・土壌汚染物質の排出抑制目標を打ち出している。

 国境を超えたSRIの広がりを映し、資産運用側の顔ぶれも変わろうとしている。英資産運用会社フレンズ・アイボリー・アンド・サイムのSRI部門が二人を求人したところ、三百人が殺到した。門をたたいたのは投資銀行家やコンサルタントなど、九〇年代の金融界の花形たち。「目先の利益を追いがちだったこれまでの市場の『常識』に、危機感を抱く人が増えているのではないか」。フレンズ社のSRIディレクター、カリナ・リトバック氏はそう見ている。
運用成果は「高め」の見方

 SRI(ソーシャル・リスポンスビリティー・インベストメント)の歴史は古くて新しい。起源は一九二〇年代の米国で、六〇年代に英国に伝わった。いずれも宗教上の理由で特定企業の株式購入を避けるため広がった側面が強く、当時は運用成果が吟味されることはまれだった。

 欧州では英ブレア政権が年金改革の一環としてSRIを評価したことを受け、最近になって機関投資家が投資手法として積極的に位置付けるようになってきた。ただ、「企業と投資家が環境問題などを議論し始めたのは二年前」(飲料菓子大手キャドベリー・シュウェップス)との声もあり、手探りの部分も多い。

 「SRIによる投資収益が通常の投資より高いかどうか」の検証もこれからだ。一つのヒントとなるのが、株価指数算出会社FTSEインターナショナルが二〇〇一年から公表している「FTSE4Goodグローバル100指数」。同社の銘柄選定委員会が「環境対策などに優れる」と判断した企業約百社から成っている。

 九六年七月を一〇〇とすると、FTSE4Good指数は直近で一七〇前後まで上昇した。一方、幅広い企業から成る「FTSE全世界指数」は一五〇近辺で推移。指数の動きを見る限り、環境などに配慮する企業への投資は、それ以外の企業の株式購入よりも運用成果が高いことになる。

■日本では
個人向け投信準備中
 日本でも社会的責任投資の考え方が徐々に広がろうとしている。三井住友海上アセットマネジメントや大和証券グループなどが、専用の株式投資信託の運用を検討中。確定拠出年金の有力な受け皿になるとみており、主に個人向けに販売する。
 両社が銘柄選別の参考にするのは、独立系調査会社インテグレックス(東京・渋谷)のデータベース。同社は昨年、上場企業の法令順守や危機管理体制を初めて調査した。全上場企業に調査表を送り、応じた五百五十二社の回答を採点。トヨタ自動車、イトーヨーカ堂など法令順守に前向きな三百社を選んだ。
 同社は毎年アンケートを実施、年金基金や投信会社にデータを提供していく方針。実際に運用商品にする場合は販売研修を実施するよう投信会社などに義務付ける。かつての株式投信のように、強引な販売で社会的責任投資のイメージが悪化するのを避ける狙いだ。【日本経済新聞】



2002年4月1日号(3月24日〜3月31日)
自動車燃費ベスト10を公表

 国土交通省では、国内ですでに販売されているか、今後販売が予定されているガソリン乗用車のうち、燃費の良い自動車ベスト10をとりまとめた。
 公表結果によると、最も燃費の良いガソリン乗用車は、小型・普通乗用車ではホンダのインサイト(燃費:1リットルあたり35.0km)、軽乗用車ではスズキ・アルトとマツダ・キャロル(ともに燃費:1リットルあたり30.0km。
 なお、自動車全体の平均燃費は、省エネ法に基づく燃費基準の策定や自動車メーカーの努力により着実に向上しており、例えばガソリン乗用車全車の平均で、1リットルあたり13.5kmとなっており、1995年度と比べ約10%向上している。
【ガソリン乗用車(普通・小型)ベスト10】
順位 メーカー名 通称名 燃費[km/l] 型式 変速機形式 総排気量[l]
1 本田技研工業(株) インサイト 35.0 YA-ZE1 5MT 0.995
2 本田技研工業(株) シビックハイブリッド 29.5 ZA-ES9 CVT 1.339
3 トヨタ自動車(株) プリウス 29.0 ZA-NHW11 CVT 1.496
4 トヨタ自動車(株) ヴィッツ 24.0 TA-SCP10 5MT 0.997
5 本田技研工業(株) フィット 23.0 LA-GD1 CVT 1.339
6 ダイハツ工業(株) ストーリア 21.5 UA-M100S 5MT 0.989
〃 トヨタ自動車(株) デュエット 21.5 UA-M100A 5MT 0.989
〃 トヨタ自動車(株) プラッツ 21.5 UA-SCP11 5MT 0.997
9 ダイハツ工業(株) YRV 20.5 LA-M200G 5MT 0.989
10 日産自動車(株) マーチ 20.0 TA-K11 5MT 0.997
〃 三菱自動車工業(株) リベロ 20.0 GF-CB2W 5MT 1.468
〃 本田技研工業(株) シビックフェリオ 20.0 LA-ES1 CVT 1.493
〃 トヨタ自動車(株) カローラ 20.0 TA-NZE120 5MT 1.298
※インサイト、シビックハイブリッド、プリウスは、ハイブリッド自動車である 。【国土交通省】



ドイツ内閣 ワンウェイ容器にデポジット制度 2003年1月1日導入を決定

 ドイツ連邦政府内閣は、2003年1月1日から、ワンウェイ容器に対するデポジット制度を導入することを承認した。デポジットは、リターナブル容器の減少の原因となっているビール、ミネラルウォーター、炭酸清涼飲料水の缶やワンウェイびんに課せられる。ワインとフルーツジュースのワンウェイ容器は対象外である。デポジット金は通常のもので0.25ユーロ(約29円)、1.5リットル以上のものには0.5ユーロ(58円)で、空の容器を返却すると払い戻される。
 連邦環境大臣トリッティン氏は、「この制度の導入により、ワンウェイ容器の氾濫をせき止め、環境に配慮したリターナブル容器は有利になるだろう。また、新たな雇用の創出にもつながるだろう」と評価している。
 ドイツでは、ワンウェイ容器に対するデポジット義務が、1991年以降、免除されてきた。包装廃棄物令によれば、リターナブル容器の市場占有率が72%を下回った場合には、デポジット義務が課される。1999年2月から2000年1月、及び2000年5月から2001年4月までに行った調査では、既にリターナブル容器の市場占有率は72%を下回った。特に、2000年5月から2001年4月に行った調査では、リターナブル容器の割合は63.81%にまで落ち込んだ。過去16ヶ月の間に、リターナブル容器の割合は10%以上減り、2001年末には約60%になっていると推定されている。トリッティン氏は、「ワンウェイ容器の増加の原因は、炭酸清涼飲料の増加による」と批判している。
 また、経済省と環境省が共同で算出したデポジット制度に必要な年間のコストは、1億3500万ユーロ(約155億2500万円)であり、一方で、デュアルシステムの節約による年間コストは、約2億5000万ユーロ(287億5000万円)になると考えられている。よって、「多大な費用が必要」として、デポジット制度の導入を非難している飲料業界の批判に対し、トリッティン氏は、「ワンウェイ容器をリターナブル容器にするのには、1セントもかからない。」と述べている。【ドイツ連邦環境省】



原発「後処理」30兆円 2045年まで 解体・再処理に 電事連が長期試算

原子力発電所で発電をした後の放射性廃棄物処分や発電所撤去、核燃料再処理などいわゆるバックエンド(後処理)費用が,電気事業連合会による初の長期試算で、2045年までに全国で約30兆円にのぼることが明らかになった。電力業界からは、こうした負担を軽くするため、政府の新たな支援策のほか、核燃料再処理計画の凍結を求める声も浮上しつつある。 【朝日新聞】



「世界環境機関」、国連大学が提言、紛争解決へ裁判所も。

 国連大学(東京)は二十八日、世界規模での環境問題に対処する新組織「世界環境機関(WEO)」(仮称)を創設するとともに、国境を越えた環境紛争の解決に向けた「国際環境裁判所」(同)を設けるべきだとする提言を発表した。八月に南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれる「持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境・開発サミット)」に提案するとしている。
 提言は、一九九二年のリオデジャネイロでの地球サミット後に環境をめぐる国際協定・機関の数は十倍以上にも増加し、五百以上を数えるが「たまたま政治問題となった問題を処理する臨時的なものが多く、散漫かつ混乱している」と批判。中央機構による問題整理の必要性を強調している。
 またWEOが、国際協定に違反した環境汚染の当事国に強制力を行使できるようにするため「国際裁判所」の新設を訴えている。 【日本経済新聞】



大阪府庁舎、東京都に続いてディーゼル車で納入お断り

 大阪府は4月1日から、取引業者が庁舎に物品を納入する際に、原則としてディーゼル車を使用しないよう求める制度「グリーン配送」を導入する。自治体としては、同じ日にスタートさせる東京都と並んで全国初の試みとなる。
 ディーゼル車は、自然に悪影響を与える粒子状物質(PM)などの排出量が多く、低減装置を付けた場合などを除き原則として使えないようにする。かわりに電気自動車や天然ガス車などの「低公害車」や、ガソリン車などの使用を求める。
 府庁本庁舎と大阪府警察本部への納入業者が対象。契約の一項目に盛り込み、違反した場合は競争入札での指名停止などの措置をとる。従業員20人以下の製造業者らについては、04年4月からの導入とする。
府の納入業者は現在、約2700社が登録されている。事前にパンフレットを送って府の方針に理解を求めたところ、特に不満を訴える業者はなかったという。【朝日新聞】



リサイクルをごみ処理から完全分離――産構審WGが論点整理

 産業構造審議会はこのほど、環境部会廃棄物・リサイクル小委員会の循環ビジネスワーキンググループを開き、静脈産業の振興を図るために必要な方策について検討しました。廃棄物処理法の規制改革は、「リサイクル」を「ごみ処理」から完全に分離して廃棄物処理法の規制対象外とし、リサイクル事業については通常の工場・事業場のように環境規制で対応することなどを議論。また、リサイクル事業を産業の一分野として捕らえた上で、同事業への支援策を検討するなどの論点整理を行いました。 【環境新聞社】



2002年3月25日号(3月18日〜3月24日)
NGOや企業からの環境政策提言の募集を開始

 環境省の「NGO/NPO・企業環境政策提言推進委員会」は、「民」の発想を実際の政策に活かすことを目的として、NGO/NPO・企業からの環境政策提言を平成14年5月10日まで募集している。
 応募された政策提言は同委員会で選考の上、優れたものについては、平成14年6月に開催予定の「NGO/NPO・企業環境政策提言フォーラム」の中で発表してもらう予定。フォーラムには環境大臣をはじめ、環境省幹部職員が出席することになっている。
 なお、応募資格は原則的にはNGO/NPOまたは企業であるが、企業・地方自治体内のグループや法人格を持たない任意団体でも応募可能となっている。【環境省】



新しい「地球温暖化対策推進大綱」が決定

2002年3月19日、首相官邸で地球温暖化対策推進本部(本部長:小泉純一郎首相)の会議が開催され、新しい「地球温暖化対策推進大綱」を決定した。
 新大綱は、1990年に比べ6%削減という京都議定書での日本の削減目標を履行するための対策の全体像を示すものとして、100種類を超える対策・施策のパッケージをとりまとめた。第154回国会に提出予定の地球温暖化対策推進法改正案に規定する京都議定書目標達成計画も、この新大綱を基礎として策定される。
 各分野の削減目標の大枠としては、(1)化石燃料で作ったエネルギーを使うときに出る二酸化炭素については、90年比プラスマイナス0%の排出とすること、(2)廃棄物焼却など化石エネルギー起源ではない二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などについては同0.5%減の排出とする
こと、(3)代替フロンについては基準年の95年に比べ2%増に抑制すること−−などガスごとの目標を設定。更に(4)革新的な技術開発・国民の地球温暖化防止活動により、二酸化炭素90年比2%相当分を削減すること、(5)森林吸収分として90年比3.9%程度の二酸化炭素量吸収量を確保すること−−などの目標も設定された。
 なお、この大綱も2004年、2007年に内容の評価・見直しがされる予定。
 今回の会議の締め括りとして小泉首相は、「京都議定書の目標達成は決して容易なものではない」とした上で、「美しい環境に囲まれ、快適に過ごせる社会を子供たちの世代に引き継げるかどうかは、一人ひとりの行動にかかっている」と新大綱の実施に対する協力を呼びかけた。【首相官邸】



南極最大級の棚氷が崩壊 地球温暖化の難局

 南極大陸にあった最大級の棚氷が過去1カ月の間に崩壊し、海に流れ出したことが、英国の科学者団体によって確認された。温暖化が急速に進んでいることが原因とみられ、予想以上の崩壊の速さが研究者に衝撃を与えている。

 南極大陸の観測をしている「ブリティッシュ・アンタークティック・サーベイ(BAS)」が19日に発表した。5大棚氷の一つとして知られる「ラーセンB」で、面積は約3250平方キロメートル、東京都より広い。厚さは200メートルほどという。

衛星のデータをもとにBASが海上から崩壊を確認した。南極半島周辺の棚氷が温暖化で崩壊、縮小を続けていることは4年前から分かっていたが、BASのデビッド・ボーン博士によると、わずか1カ月でこのような巨大な棚氷が崩壊したことは「驚き」だという。【朝日新聞社】



3農薬、低濃度でもメダカふ化に悪影響−−横浜国大グループ研究

 環境ホルモン(内分泌かく乱物質)が疑われる3種類の農薬が、ごく低い濃度でもメダカの正常なふ化を妨げることが、横浜国立大学環境情報研究院の浦野紘平教授らの研究で分かり、14日から岡山市で始まる日本水環境学会で発表される。
 ベノミル(殺菌剤)、マラソン(殺虫剤)、トリフルラリン(除草剤)の3農薬。いずれも環境省の環境ホルモンリストに挙げられている。
 産卵をひかえたメダカのペアを約2週間、農薬にさらしたあと、産卵やふ化への影響を見た。生まれた卵はすぐに別の水槽に移した。その結果、3農薬とも約10〜30ppb(ppbは10億分の1)の低い濃度で産卵数を減少させたり、正常なふ化を妨げることが分かった。三つの農薬は水田や畑などで使われ、年間使用量はいずれも150トン(原体)を超える。【毎日新聞社】



オス魚の5割が「メス化」  避妊薬が原因か

 【ロンドン17日共同】英国の主要河川に生息するコイ科の魚のオスの約50%にメスの生殖器ができるなど「メス化」していることが、英政府機関の五年間にわたる調査で判明した。
 経口避妊薬に含まれる女性ホルモン、エストロゲンが尿から出て川に流れ込んだ結果とみられ、人間に及ぼす影響が懸念されている。
 十七日付の英日曜紙インディペンデント・オン・サンデーが伝えた。
 人間などの生殖機能に悪影響を与える「内分泌かく乱化学物質」(環境ホルモン)が問題にされて久しいが、今回の英国の調査結果は、その深刻さを具体的に示したものとして注目される。
 同紙によると、調査は環境・食糧・農村省と自然環境調査評議会がロンドンの上水道の水源になっているリー川など英国を流れる十河川で、コイ科のローチを対象に実施した。
 その結果、オスの50%弱が実際に体内に卵を持つか、輸卵管を持つなど「メス化」していた。メスに転換した魚をエストロゲンのない「きれいな水」に戻してもオスに戻らなかった。オスの性質を維持した残りのうち10%が生殖能力がなくなり、25%は精子に異常が見られた。
 調査結果は今月中に正式発表されるという。【共同通信社】



50年で生態環境復元――美しい日本を守る会発足

 自民党有志による「美しい日本を作る会」議員連盟がこのほど発足しました。事務局長の桜井新衆議院議員は、「2年間で日本の生態環境を調査し、50年で生態環境を取り戻す」と今後の抱負を表明。また、日本の森林が酸性雨の被害を受けている状況を指摘し、「技術者が生態工学の知識を持つべきだ。大学はすべて生態工学を必須科目にしなくてはいけない。昨年からその運動を展開している」と意見を述べました。 【環境新聞社】


2002年3月18日号(3月11日〜3月17日)
NPOが自治体調査、環境都市名古屋が1位、及第点には届かず、「首都」称号見送り

 環境保護分野の非営利組織(NPO)十一団体からなる全国ネットワークが十三日、自治体を対象に行った初の「日本の環境首都コンテスト」の結果をまとめた。環境への取り組みをランク付けする試みで、全国九十三の市区町村が参加。上位は政令指定都市が占めたが、十位以内には規模や所在地が多彩な自治体が並んだ。NPO側は「これを機に切磋琢磨(せっさたくま)して環境行政に取り組んでほしい」としている。
 中心となったのは京都市のNPO法人「環境市民」(杉本育生代表)。全国に約三千三百ある市区町村に、昨年十一月にコンテストを行う旨を周知し、九十三自治体が参加。公用車として使っている低公害車の種類や台数を詳しく答えさせるなど、ごみ問題や温暖化への取り組みに関して約八十問の詳細な質問票を送付、ヒアリング調査も実施し、点数化した。
 その結果、一位になったのは名古屋市。環境市民は「藤前干潟の埋め立て断念に伴う『ごみ非常事態宣言』などを受け、数年で環境行政が充実した」と分析。一九九九年からの二年間でごみが二三%減少、政策効果を市民向けにわかりやすくパンフレットにまとめた点も評価された。福岡市は過去の大渇水の教訓から、節水など水利用を中心に施策が充実しているという。
 条例、水利用、景観など各部門にまんべんなく点数を配分したことから、施策が幅広く実施されている、規模が大きな都市に有利となり、上位は政令指定都市が占めたが、過去に大規模な公害問題が起きた兵庫県尼崎市や山口県宇部市などが十位以内にランクインした。
 ただ、一位の名古屋市でも二百六十二点で、「四百点満点の七割の二百八十点以上を環境首都とする」という当初の予定に至らなかったため、「首都」の称号は見送られた。
 十位以下の順位は「混乱を避けるため」(環境市民)非公表とするが、それぞれの自治体には伝える。結果を詳しく解析した報告書と、今回判明した先進的な取り組みを事例集にまとめ、希望者に提供する。
 一方、人口規模ごとの集計では、熊本市(政令指定都市を除く三十万以上)、岐阜県多治見市(十万―三十万)、大分県日田市(五万―十万)、熊本県水俣市(二万―五万)、岩手県東和町(二万未満)がそれぞれ一位となった。
 自治体の環境政策を格付けする取り組みは欧州でさかんで、ドイツではNPOが八九年から実施、環境政策を推進する一因となった。集計にあたった環境市民は「施策がどれだけ効果を上げているかなどのチェックにまだまだ不十分な点がある」とした上で、「参加してくれただけでも環境行政に関心がある自治体として表彰したいぐらい。毎年行って環境行政への関心を高めたい」と話している。【日本経済新聞社】




オフィスビルなどの省エネ対策を工場並に強化 省エネ法改正案、今国会に提出へ

 政府は平成14年3月15日、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」の改正案を閣議決定し、第154国会に提出する。
 今回の改正案では、近年エネルギー需要の増加傾向が著しいオフィスビル、大規模小売店、ホテル、病院などの民生業務部門に対し、省エネ対策の強化を図るため、エネルギー管理者の選任、省エネ中長期計画の提出、定期報告など大規模工場に準じたエネルギー管理の仕組みを導入するとしている。
 また、2、000平方メートル以上の住宅以外の建築物を新築・増改築する場合には、その建築物に講じられている省エネルギー措置の内容について市町村町への届け出を義務づけることや、年間のエネルギー使用量が1,500キロリットルまたは600万キロワット時以上の第2種エネルギー管理指定工場に対し、従来のエネルギー使用状況の記録義務に代え、主務大臣への定期報告を義務づけることも盛り込まれている。【国土交通省、資源エネルギー庁】



電気事業者に一定量以上の新エネルギー発電を義務づけ 新エネルギー発電法案、今国会に提出へ
 
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(新エネルギー発電法)案」閣議決定され、第154国会に提出される。
 この法案は電気事業者に対し、一定量以上の電力を新エネルギーによる発電とすることを義務づけている。
 具体的な新エネルギー利用量については、毎年度経済産業大臣が各事業者の販売電力量に応じて決定することとなっており、電気事業者は目標達成のために(1)自ら発電する、(2)他から新エネ電力を購入する、(3)他の電気事業者に義務を肩代わりさせる−−の3つの方法を選ぶことができる。
 なお新エネルギーの対象としては、風力発電、太陽光発電、地熱発電、バイオマス発電、中小水力発電、廃棄物発電が指定されている。【資源エネルギー庁】



フランス、企業の「環境的社会的報告書」策定を義務付け

 株式上場企業に対して、社会的、環境的影響に関する情報を盛り込んだ年次報告書の作成を義務付ける新たなデクレが、2月21日、官報に告示された。
 年次報告書には、水、エネルギー及び資源の消費、また、環境に影響を及ぼす排出、特に温室効果ガスなどについて、記載することとなる(記載する必要のある排出物のリストは数週間以内に公表する予定)。また、自然環境や種への危害を抑制するための対策、リスクの削減策、再生可能エネルギーの利用の促進、従業員教育などについても記載しなければならない。さらに、企業活動が国土に与えるインパクトに関する情報についても盛り込むこととされ、周辺住民や団体との関係、工場立地に関する問題、産業リスク、住民との対話などについて報告することとなる。
 環境国土整備省のイヴ・コッシェ大臣は、「関係者の責任を明確にすることは、環境を尊重し、産業リスクにさらされる住民に配慮した経済発展、そして持続可能な開発に向けた必要条件である」と述べ、政府は、この新たな義務を企業に課すことで、「団体、NGO、組合、株主、市民から求められる必要情報を法的に確認することができるようになる」と評価した。
 なお、欧州委員会は、2001年7月に公表したグリーンペーパーで「企業の社会的責任(RSE)」の原則を打ち出しているが、今回の「環境的社会的報告書」は、この原則をフランスで推進しようとするものである。注 [デクレ:政令]【フランス環境・国土整備省】



ダイキン、フロン回収網構築、全国3000販売店を支援

 ダイキン工業は業務用空調機の冷媒フロンを回収するネットワークを構築する。来年四月に「フロン回収破壊法」が施行されるのに対応する。十月から全国に三千ある販売店や、据え付け工事を委託している業者がフロンを回収、既存の物流網、営業所を活用して処理場まで運ぶ仕組み。販売店などが自治体にフロン回収業者として登録する際の支援もする。
 フロン回収破壊法は空調機の撤去時に冷媒フロンを回収、再利用か分解を義務づけている。回収業者は高圧ガスの取扱者などの要件を満たした上で、都道府県への届け出が必要。十月から相談窓口を設け、販売店や工事業者に情報提供やアドバイスをする。
 現場でボンベに詰めたフロンを地域ごとに集め、最終的には鹿島工場(茨城県波崎町)にある設備で分解する。地域ごとの拠点には現在三十カ所ある空調のサービスステーションを活用したり、新たに取り次ぎ所を設けたりして、来年四月までに全国ネットワークを確立する。
 十四日公表した二〇〇〇年度の環境会計は環境保全コストが六十七億円。うち環境に配慮した製品の研究開発コストが四十一億円。環境対策の効果はエネルギー費用削減に二億八千三百万円、廃棄物処理費用削減に三千九百万円だった。 【日本経済新聞社】



効率20倍のバイオ細菌 木材ごみからアルコール製造

 地球環境産業技術研究機構(RITE、京都府木津町)が、廃材や紙など原料が木材のごみから、従来より20倍以上の効率で燃料用アルコール(エタノール)を作れる遺伝子組み換え細菌を開発した。地球温暖化につながる二酸化炭素を増やさないバイオマスエネルギー(生物由来の燃料)として期待できるという。

 RITEの湯川英明・微生物研究室長らによると、木材や紙からエタノールを作るには、硫酸で糖に分解した後、菌に発酵させる。通常の菌では、糖を栄養として菌が増殖する際にアルコールができる。しかし、一度に大量の菌で発酵させようとすると、菌当たりの糖が減るため、菌は増殖を優先してアルコールを作る余裕がなくなり、効率が悪くなった。

 湯川室長らは97年、土中に住む微生物「コリネ型細菌」が酸素を遮断すると増殖しない特徴を発見。醸造に使われる細菌のアルコール発酵遺伝子を組み込み、増殖を伴わない発酵を可能にした。大量の菌を一度に発酵に使えるので、効率が上がるという。

 バイオマスエネルギーの研究を進めている米国は、エネルギー省が、バイオマスからのアルコール製造を2015年までに1リットル当たり20セント(約26円)でできる技術を目標にしている。RITEの菌でプラントを作ると、1リットル当たり20〜30円ででき、ほぼ米国の目標値を達成できるという。

 RITEは実用化に向けて今春、数十の企業や自治体などで研究会を作る。3年以内の実証プラント建設を目指す
 ○行政の支援を
微生物応用の研究史に詳しい児玉徹・東大名誉教授の話 ごみ焼却所程度の大きさのプラントで、アルコール生産が実用化できる画期的な研究だ。実用化に向け、行政の支援が待たれる。【朝日新聞社】



「環境ホルモン」蓄積量、男性は女性の倍以上/東大医学部チーム

 内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の一種であるビスフェノールAの体内蓄積量は、男性が女性の2倍以上であることが、東大医学部産科婦人科の堤治教授らの研究で明らかになった。

 体内蓄積量について、人で性差が確かめられたのは初めてで、男性ホルモンが蓄積を促している可能性が高いという。来月6日から東京都内で開かれる日本産科婦人科学会で発表される。

 堤教授らが成人男女25人の血液中のビスフェノールAの濃度を調べたところ、女性では血清1ミリ・リットル中の濃度が平均0.641849・グラムだったのに対し、男性ではその2倍以上にあたる平均1.491849・グラムと高濃度だった。また、女性でも、男性ホルモンの分泌量が多く、月経障害などを引き起こしている患者(16人)では平均1.041849・グラムと、平均女性よりも高濃度であることが分かった。

 ビスフェノールAは、プラスチック原料などに含まれ、ごく微量でも精子形成や胎児期の成長促進などに影響があるとの報告もある。その構造は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンによく似ており、「女性はビスフェノールAを体内で分解する能力が高く、逆に男性ホルモンはこの環境ホルモンの分解を妨げている可能性が高い」と堤教授は分析している。【読売新聞社】



発泡スチロールリサイクル率が6割超える――再資源化協会が調査

 発泡スチロールの2001年のリサイクル率は、前年比2.6ポイント増加して60.1%に達したことが発泡スチロール再資源化協会(JEPSRA)の調べでわかりました。内訳は、プラスチック商品へのマテリアルリサイクルが2.9ポイント増の37.8%、焼却して熱回収するサーマルリサイクルが0.3ポイント減の22.3%。同協会では2005年に向けてマテリアルリサイクルを40%に高める第3次5カ年計画の初年度として順調なスタートを切れたとしています。 【環境新聞社】



2002年3月4日号&3月11日号(2月25日〜3月10日)
塩分に強いユーカリ、日本製紙など開発――塩害地域の緑化に有効

 日本製紙と岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所は、塩分濃度の高い環境でも育つユーカリを開発した。塩分に強い性質と関係するアミノ酸を効率よく合成できる遺伝子をユーカリに導入した。植物が生育できないほど土壌の塩分濃度が高い地域を緑化するのに役立つ。
 アカザ科のアカザなど塩分に強い性質を持っている植物は、グリシンベタインというアミノ酸を細胞内に蓄積して浸透圧を高め、塩分が細胞内に入ってくるのを防いでいる。研究グループは、植物が二段階の反応で合成するグリシンベタインを一段階で合成できる酵素の遺伝子を土壌細菌から発見。これを導入したユーカリは海水の約三〇%の塩分濃度環境でも成長した。緑化とともにパルプ事業も期待される。【日本経済新聞】



キレイ成分布にピタッ 宇部興産、光触媒繊維に新製法

 光を当てるとダイオキシンなどを分解する「光触媒繊維」の新製法を宇部興産の研究者が開発した。この方法でつくった繊維は光触媒の成分が表面にしっかりとくっついているため、フィルターや不織布に使うと、汚水を洗ったり汚れをこすり落としたりできるという。7日発行の科学誌ネイチャーに掲載される。

 光触媒として使ったのは酸化チタン。光を当てるとほかの物質を酸化分解する作用がある。従来の光触媒繊維は、酸化チタンの微粒子を表面にコーティングしてつくるため、使っているうちにはがれ落ちてしまう弱点があった。

 新製法では、繊維の原料に有機チタン化合物をあらかじめ混ぜておく。繊維状にした後、70〜100度の空気中で100時間ほど「熟成」させると、繊維の内部から有機チタン化合物がしみ出てきて、表面で酸化チタン層になる。これをさらに焼き固める。酸化チタン層が繊維と一体化しているため、はがれる心配がないという。従来品に比べて強度は2・5倍、耐熱性も400度ほど高い約千度になった。

 空気浄化に使われることが多い従来品より、もっと過酷な条件でも浄化能力を保てる。実際に水に含まれるダイオキシンやレジオネラ菌、大腸菌も分解できた。

同社は、新製法で光触媒繊維を量産する試験プラントを02年度中に作る予定。【朝日新聞】



ノルウェー大手、首都圏で、リサイクル事業展開――空き容器や生ごみ。

 ノルウェーのリサイクル業大手、トムラ・システムズは首都圏で広域総合リサイクル事業を展開する。富士重工業や廃棄物処理の岡谷(神奈川県相模原市、冨岡孝夫社長)と組み、人口三十万人規模の都市で発生する空き容器や生ごみを一括処理するセンターを神奈川県愛川町に建設する。
 総合リサイクルセンターの総工費は二十二億円。二万八千平方メートルの敷地に生ごみたい肥化装置や、缶とPETボトルの処理装置を設置する。
 一日の処理量は合計二百二十八トン。富士重工業は装置選定などを担当した。三月中に着工し、来年四月に稼働する。
 トムラは自治体や小売店に店頭回収装置をリース。岡谷が回収物をセンターに収集し一括処理する。センター稼働に先駆けて、西友が東京都内に三月にオープンする店舗に回収装置を設置することを決めた。首都圏だけでなく関東全域の自治体や企業にも利用を呼びかける計画。二〇〇七年度に二十五億円の売上高を目指す。【日本経済新聞】



中環審が排ガス規制案――技術水準から妥当な値

 環境相の諮問機関である中央環境審議会の自動車排出ガス専門委員会が五日、二〇〇五年以降に販売する新車の排ガス規制案をまとめた。最新の規制値と比べディーゼル車の窒素酸化物(NOx)を約半分に、粒子状物質(PM)を約四分の一にするなど大幅に規制を強化する。
 大気環境に配慮した厳しい規制と受け止められているが、今回の規制値は今後の自動車技術の進展を見込んだ妥当な線ともいえる。中環審は規制値を決定する過程で自動車メーカーへのヒアリングなどを実施し、技術的に到達できるぎりぎりの数値を割り出した。PMの規制が大幅に強化されるのは、PM除去フィルターの開発のメドがついたためだ。
 米国が一九七〇年に制定した厳しい排ガス規制マスキー法を受け、日本が半ば外圧に押される形で厳しい排ガス規制を設定したのは七八年。その後二十年以上を経て、排ガス浄化技術の向上とともに欧米と同等以上の規制水準にたどり着いた。
 昨年、都市部などでNOxの排出の多いディーゼル車を規制する自動車NOx法が改正されたのに対し、欧州からは自動車を日本に輸出するうえでの新たな非関税障壁になるという批判も出た。新規制の導入には、大気汚染防止だけでなく様々な思惑が交錯している。
【表】排ガス関連規制などの歩み  
1968年  大気汚染防止法施行
1970年  マスキー法制定(米国)
1976年  レギュラーガソリン無鉛化
1978年  昭和53年規制(日本版マスキー法)
1987年  プレミアムガソリン無鉛化
1988年  尼崎公害訴訟第1次提訴
1989年  名古屋南部訴訟第1次提訴
1992年  自動車窒素酸化物法成立
1994年  ガソリン長期規制
1997年  軽油硫黄分0.05%へ
1997年  ディーゼル長期規制
2001年  自動車窒素酸化物法改正
2005年  ガソリン新長期規制(導入予定)
2005年  ディーゼル新長期規制(導入予定)
【日本経済新聞】



ハイテクごみがアジアに  米国から大量に輸出

 コンピューター関連のハイテクごみが米国から中国などに大量に輸出され、環境汚染を招いているとの調査結果を米国の環境保護団体バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)などが二十五日、発表した。
 調査によると、米国で発生するパソコンやディスプレー、プリンターなどのハイテクごみの50―80%が、インドや中国、パキスタンなどにリサイクル目的として輸出されている。
 中国広東省のある町では、ハイテクごみを燃やして金や銅などを集める作業に子供を含めた十万人が従事。環境汚染のため一九九五年から地下水を飲むことができなくなっていた。周辺の河川からもこの作業が原因とみられる高濃度の重金属などが検出された。
 米国は、鉛などの有害物質を含む廃棄物を先進国から途上国に輸出することを禁じたバーゼル条約の規制を批准しておらず、リサイクル目的での輸出は合法。
 BANのリチャード・ガティレッツさんは「米国政府は一刻も早く条約の禁止措置を批准し、欧州諸国のように企業にリサイクルの義務を課す必要がある」と話している。【共同通信】



ベルギー原発全廃へ

ベルギー政府は1日の閣議で、現在運転中の7基の原発が使用期限を迎えても新規の原発を建設せず、25年までに全廃する方針を決定した。発電量の58%を原発でまかなうなど原発への依存度が高い同国の決定は、ドイツやスウェーデンに続いて欧州での「脱原発」の流れに弾みをつける可能性がある。(3面に関係記事)

 閣議では大災害などの緊急時には運転再開もあり得るとの条件付きで方針を承認した。法案が議会に送られるが、承認されるとの見方が強い。

 「脱原発」の方針は、フェルホフスタット首相が率いる連立政権に加わる緑の党など環境保護派の働きかけによるものだ。99年に政権を樹立した際、首相は「脱原発」の基本方針を掲げた。しかし、電力業界などは(1)原発なしでは、温暖化ガスの削減を決めた京都議定書を実施できない(2)有力な代替エネルギー源がなく、電力価格も上昇する可能性がある――と反発し、政策の正式決定は遅れていた。

 国際原子力機関(IAEA)によると、同国の総発電量に占める原発の割合は、フランス、リトアニアに次いで世界で第3位。7基の原発は15年から25年にかけて相次いで運転開始から40年間という使用期限を迎える。

新規の原発建設は行っていないため、節電とともに天然ガス、水力、さらに風力、太陽などの自然エネルギーなどによる発電で需要をまかなう方針だ。【朝日新聞】



脱原発の担当長官は元活動家 ベルギー

25年までに原発を全廃する方針を決めたベルギー政府のドゥルーズ・エネルギー開発庁長官=写真=は環境団体グリーンピースの活動家だった。1日の記者会見で「(温暖化ガスの削減を決めた)京都議定書の採択に続いて私にとっては2番目の勝利だ」と笑みを浮かべた。

 80年に「緑の党」の創設に参加、89年から6年間、グリーンピースのベルギー代表として環境や廃棄物問題と取り組んだ。

感想を問われて「風力など自然エネルギーの技術革新を促すため、新しい税の仕組みを考えたい」と言葉に力を込めた。【朝日新聞】



ベルギーの脱原発、具体化まで2年半

 「脱原発」を閣議決定したベルギーでは、99年に誕生した自由党、社会党、緑の党の連立政権下で同年7月、運転開始から40年間たった古い原発は順次運転を停止していく「段階的廃止」について基本合意していた。だが、その後、廃止に向けた具体的な計画づくりは進んでいなかった。今回の決定が実行されれば、既存の原発は15年から運転停止が始まり、25年ごろに国内で運転中の原発はゼロになる見通し。省エネや他国からの電力輸入、天然ガス火力、風力など再生可能な新エネルギーで代替していく方針だ。(1面参照)

 天然資源に乏しいベルギーは70年代の石油ショック後、原発をエネルギー開発の主軸に据えてきた。75〜85年までの間に、出力40万キロワットと100万キロワット級の加圧水型炉(PWR)計7基が稼働している。

 だが、80年代後半に8基目の新規原発の立地計画が地元の反対運動で行き詰まった後、同国の核燃料会社ベルゴニュークリア社の新しい混合酸化物(MOX)燃料加工工場の建設計画や、使用済み